平家の里の青嵐かな
夏の夕べに走る理由あり
夏の夕べの振り返る月
藤原の名に藤昇るらん
緑の光届かぬ砂漠
計算力を問われる家人
ぺったりと塗る青葉なる山
向き合う吾子の鋭き眼
光風の谷藤に薫るや
土塊となる小さき生命
多忙を極む牽引車両
野菜山盛り中年の皿
芝生広場に薫る塩焼き
鮎上り行く水柔らかし
締切まぢか籠もれる厠
観測史上最速と云ふ