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小説っぽいもの(読み切り)

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創作小説・よみきりっぽいものまとめ。お時間あればどうぞ。
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かつて相棒だった君へ

深夜のファミレスでひとり、仕事で疲れ果ててミックスグリルを食べていた時、一通のSMSがとどいた。 たったひとこと。スマートフォンの連絡帳アプリに登録された人物からのものではないようで、名前は非表示。迷惑メールの類かもしれない。そう思い、特にアクションを起こさず、食べ続けていると、ふたたびメール受信通知があった。 …こいつ誰なんだ? 見当がつかない。なぜなら日常生活で使っているメインの連絡手段は主にメッセージアプリで、SMSはほぼ使っていないからだ。 SMSは電話番号あ

【アレ】に手を出した

いつも、このサイトをチェックしてくれている君、ありがとう。 ここのサイトでいつも作品を読んでいる君なら なんとなく気が付いているんだろうけど ついに、【アレ】に手を出してしまった。 そのことについて告白しようと思う。 わかるよ…ディスプレイの前で、いま君は悲しい顔をしているんだろうな。 だって、あれだけ【アレ】は嫌だなどと書いてきたのに… でも、ここによくきてくれる君だからこそ伝えたかった。 わかってほしい。 ◇    ◇    ◇ ある時を境に、ぼくは空っぽに

ほんとうにあったら怖い話

俺は、東京都内で喫茶店をやっている。 とはいっても、喫茶店経営は俺の本意ではない。ここは、親父が定年退職後、ズブの素人なのに突然「こだわりのある喫茶店をつくる」といいだし、作った店だ。親父は自分の夢をつめこんだ店がいよいよ開業するという時、ぶったおれてそのまま他界してしまった。開業にあたっては親父の退職金の大半がつぎ込まれていたし、物件を買うために銀行からお金も借りていた。逃げるわけにもいかず…急遽、俺がこの店を引き継ぐ形となったのだった。 競争相手が少ない地域だったこと

Kカフェで会いましょう

ふと、頭の中にぼんやりとした映像が浮かんだ。 幼い時に観ていたテレビ番組の記憶なんだけど。 あれは…たしか、ゲームだ。 ゲームを紹介する番組。 あ~この番組名なんだったっけ? 司会は…眼鏡をかけた髭のおじさんで… ニンテンドーのソフトを紹介する番組かな? ちがうな? 番組内容がちゃんと思い出せない。 スタジオでスポーツ対決したり、子供の特技を比べっこしたり…変なコーナーばかりが思い出されて、肝心のゲームのコーナーが全然思い出せないぞ。 あれは…なんていう番組だったかな