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作曲スランプに陥ったので過去曲がどうできたか振り返る(「虹の架け橋」編)

以前の記事で、作曲工程を振り返るという記事を書いたところ、ありがたいことにいくつか「スキ」をいただいたので、もう一曲。

今なお、絶賛作曲スランプ中ですが。
昨年の、あの何かに吸い寄せられるように音を編んでいった頃を今一度思い出してみます。

今日は、「虹の架け橋」という曲について。


作曲1日目

この時は、事前にテーマを決めてから作曲をするということを目標にしていました。
この時はたしか、「アニソンのような明るいポップな8ビート曲」だったと思います。

五線譜表示ですが、五線譜は苦手です。
普段外部の方と音楽的やりとりはせず、自分一人で完結するので五線譜の機会がないんですよね。

ただ、ストリングスのアレンジとかするときにこの表示は使ったりします。
歌メロの音符が詰まってるところはストリングスはロングトーンにする。とか。混雑を回避する目的で。

3時間でここまでのメロを絞り出しています。てか完成系と変わりありません。


作曲2日目

2日目です。この時点でもう2コーラス目の拡張と、ドラムの打ち込みは開始しています。ドラムはいつものSSD5.5です。

8ビートはたくさん素材があるので楽です。

今聴くと、Aメロやサビ前のメロがまだプロトという感じ。

しかしコードはもう確定していて、メロはそれに合わせて滑らかさを出していく感じだと思います。
最終的に歌詞によって、「滑らかな」は変わってくるので、結構適当でよいと思います。


作曲3日目


サビのベースを打ち込んだようです。ベース音源は便利なMODO BASSを愛用しています。

ベースは基本フィンガーを想定していて、ノートは少し短く切るようにしています。ピッキングのとき一瞬ミュートされるのが自然だと思うからです。

1日3時間のリミットの中で迷わずどんどん糸を縫っていってるあたり、なかなかに作曲脳汁がぶしゃ状態だったのだと思います。


作曲4日目

4日目は上物アレンジを開始したところです。
昨年から、ストリングスアレンジは何曲かやっていて、誰かに習ったわけではないですが、ある程度ノウハウがあります。

たぶん、それぞれの奏者がみたらちょっとおかしい譜面になるのかもしれませんが、一人でやるぶんには自然に聴こえればよいでしょう。

クラシックの連続5度とか、並達も無視でいってます。

意識しているのは、1日目のところで書いているような、歌メロを邪魔しないアレンジです。

音源はKompleteに入ってるやつだと思います。Logic標準のものでもいいのですが、せっかくだから有料音源で。

アーティキュレーションもいじってます。
Sustain、Accentedと、Tremolo、Staccatoあたりをよく使いますね。

シンセはいつもLogic標準です。
巷には、シンセがイカした音源がたくさんありますよね。

ちょっと自分は勉強不足で使いこなせていません。
チップチューンとかアルペジエイターとか駆使したやつ作れるようにはなりたいんですが。


作曲5日目

5日目にして、ここまで作れてるのか。早いな。今の自分にはできませんorz

なんかもう、ここからはひたすらに曲を「いい感じ」にしていく気持ちの作業です。
ここにキメがあったらいいなとか、グリッサンドほしいなとか。

思ったことはどんどん試して、ハマれば確定、ダメなら他を試行錯誤という作業を繰り返していきます。

今のDTMはトラック数も気にせずがんがん追加できるので、欲しいと思ったシンセ音もワンフレーズであっても新規トラックでガシガシ追加してってます。


作曲7日目


1日飛んで7日目です。
アレンジが完成系に近づいていってます。

ストリングスもサビだけでなく、Verse、PreChorusまで編んでいき、仮のエレキギターも入れています。
この音源なんだろう。たぶんこれもKompleteのものだと思います。

この曲は、POPにいきたいと思っていたので、マーシャル系ではなくフェンダー系のアンプを少しだけ歪ませたようなサウンドにしようとしていたことがわかります。

イントロのフレーズもシンセにピアノという、なんか王道POPみたいな感じですね。
私の専門はギターです。
一年前はストリングスはおろか、ピアノのアレンジだって全然できませんでした。

今もピアノは弾けません。
ある作曲家の友達に「最終的には”気持ち”ですよ」と助言いただいたことがあって。

一年ひたすら手を動かしたことで、ここまでアレンジすることができるようになりました。

学校教育ってどうしても相手から「教わる」ことが主体じゃないですか?
でも、作曲は基本「手を動かす」ことで習得していくものだと思います。


作曲10日目

ピアノの詳細アレンジをしています。
前述のとおりピアノは弾けませんので、一個一個コードをリアルタイム入力したあとに、フレーズも入れてクオンタイズしています。

それが4小節や8小節などできたら、またリアルタイムでサステインペダル情報を入力していく感じです。ズレたらマウスで修正しています。

このような入力の仕方だと、どうしてもベロシティーの差が大きくなったりするんですけど。
それは最終的に一回流して聞いて、強すぎたら抑えたりしていますね。

ピアノの標準的なベロシティーってどれくらいなんだろうか。
いつもは80-110程度にしています。場所によってはそれより弱くするところもあります。

こういうのピアノ習ってたら、一瞬でズレもなく打ち込めたんだろうなぁ。

やっぱりピアノは楽器の王様です。


作曲12日目

12日目は歌詞を書きました。
この2ー3週間の作曲ルーチンで、できれば外部とも協力して作りたいわけですが、誰もそんな納期で動いてくれはしません。

なので作曲もセルフ。
これまでの作曲日数であらかたイメージしていたことを3時間で言葉にしていきます。

わりとすんなり降りてきた曲だったと思います。
画像は第一稿なので、タイトルが「虹を描こう」になっていますね。

のちにこれが「虹の架け橋」に変わります。


作曲13日目


歌詞をミクさんに打ち込んで、歌になった日です。
この日ほどうれしい瞬間ってないです。

なんてことなかったメロとコードが、ミクに承認されて、歌になる。

この感動は、作った人にしかわからないと思います。
人に歌ってもらうということもしたことはありますが、声色が違ったり、ピッチが悪かったり、歌い回しが違ったり。。

かといって自分が歌うのもなんか違う。。
そもそも私は女性ボーカルの歌物が作りたいわけですから。

それをボカロが叶えてくれる。

いい時代です。
それに「初音ミク」の冠がある曲は一定層が聴いてくれるというメリットもあります。

誰かもわからない、大してうまくないボーカル曲なんて誰も聞いてはくれませんからね。悲しいことに聴かれない曲はないのと一緒です。

それはさておき、この曲はこれでアレンジが確定し、あとはギター録音&ミックスのみという状況となりました。

この曲については、ギターはGTRSという楽器でやることを決めていたので、ここで一旦制作がストップしました。(購入したものの、一旦検品で返送したため)


完成!

というわけで、完成です。


今はパソコンの性能も上がり、プラグインの質も非常に高いので、プロでなくても、スタジオなんてなくてもここまでのクオリティのものを作ることができます。

もちろん、そのためには作曲スキル、作詞スキル、アレンジスキル、演奏スキル、ミックススキル。。

身につけなければならない知識と技がたくさんありますが。
続けていれば必ずこのような質で、誰でも作曲することができるようになります。

そのために、おすすめしたいのは「耳コピ」です。

私も日々、耳コピをしていいと思った曲の分析を行なっています。
こういったものの蓄積が名曲に繋がるはずです。

耳コピの解説はブログのほうでも行なっていますので、よかったらみてみてください。


また、作曲や作詞、アレンジはできるけれど、ミックスがうまくできないという方。
外部に委託するのもよいと思いますが、どうせだったら自分でできるようになったほうが、予算が浮きますし、その分動画制作にお金をかけられます。

私が開発した、CDのようなミックスを体系化したノウハウ、RMSメソッドも好評ですので、試してみるとよいでしょう。


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