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画家のAI活用術モチーフ編

前回からの続きです◎

色々とギーちゃんに手伝ってもらってきましたが、自分の経験も交えコンセプトを整えました。


私が育った環境は、男兄弟二人に挟まれ、競争と男性的規範の厳しい世界でした。少女期、私は勝ち気で隙を見せず、スカートを避け、可愛いものに背を向けるような生活を送っていました。このようにして、必死に獲得した男性性を武器に日々を乗り越えてきました。しかし、成長して女性のコミュニティで過ごす時間が増えるにつれ、自分の一人称が「ぼく」から「わたし」へと変わり、徐々に女性性も受け入れるようになりました。それでも、「可愛い」という言葉にはどこか居心地の悪さを感じてしまい、その感情は複雑なものでした。

この内面に渦巻く少年少女の姿を、AIを用いて自身の写真を加工し、その加工した姿をモデルに絵を描くことで形にしました。このプロセスを通じて、自分の中にある男性性と女性性の入り混じった存在、そしてそれらが織り成す少年少女時代の自分を可視化し、確かなものとして向き合おうと考えました。


写真家の松田凪さんに数年前に撮ってもらった写真がたくさんあったので、使用して、絵の資料を作ることにしました。


顔:アプリ(FaceLab)

元写真

この元画像をスマホアプリを使って、子供にしたり男の子にしたり、
あったかもしれない自分像を制作していきました。

アプリ編集後、服はPhotoshopのAI生成

服:PhotoshopのAI生成

顔を編集した後にPhotoshopのAI生成で服を作ってもらいました。一回につき3パターンの生成ができて、それを指示しながら10〜20回繰り返して、その中から選んでいきました。
ちなみにこの画像はパーカーを着ていますが、元画像が植物のような柄の服だったこともあり、花柄の模様の服が生成されることが多かったです。
多少元画像を引用したような画像生成になる、指示すると全く違うのも出てくる(しかし下手くそなことが多い)という感じでした。

その後、iPadでドローイングをして資料にしました。
服はできるだけそのまま描きたかったので画像のままにしました。
背景色は前回の記事にあったように、Chat GPT4の意見を参考にした色です。

iPadでドローイング

赤ちゃんの視界

描いてる途中で、アトリエに置いてあった奈良美智さんの展示DM(瀬戸市の喫茶ギャラリーの素敵なやつ)を毎日眺めるタイミングがあり、どうしてこの絵はすんなり心に入ってくる絵なのか考えた結果、
ふと赤ちゃんの視野のことが頭に浮かびました。
赤ちゃんは産まれて6ヶ月程は本当にほとんど見えてない、けれど親を見て笑うことができる。そんな視界は淡くてぼやけている。ぼやけた淡い世界に形を見いだそうという力が人にはあるのではないか。

そうして「赤ちゃんの視界」を潜在的に覚えていて、好むのではないかという仮説を立てて、参考資料をぼやかし、さらにコントラストを上げました。(その方が赤ちゃんの好みらしいです。)
この仮説は今「赤ちゃんは顔をよむ」という本を読みながら、また描きながら検証中です。

赤ちゃんの視界を参考にぼやかした画像

これを参考にデフォルメしていきました。

完成!

詳しい過程について

ショート動画で過程を掲載しているので参考にどうぞ!
🔗YouTube

展示のお知らせ

今回の内容を作品にした展示があります。
ぜひ実物を見にきてください!
tagboat Art Fair
開催日時
4月26日(金)16:00~20:00 ※26日はご招待のお客様のみご入場いただけます
4月27日(土)11:00~19:00
4月28日(日)11:00~17:00

場所

〒105-7501  東京都港区海岸1-7-1 東京ポートシティ竹芝
東京都立産業貿易センター 浜松町館 2F,3F
JR/東京モノレール 浜松町駅(北口)から徒歩5分
ゆりかもめ 竹芝駅から徒歩2分
都営浅草線/都営大江戸線 大門駅から徒歩7分
Google Map
東京都立産業貿易センター浜松町館

入場料

1500円
※障害者手帳をお持ちの方はご提示でご本人と付き添いの方1名まで(計2名)無料
※学生の方は学生証のご提示で無料
※小学生以下の方は無料

4月27、28日が無料で入場できるチケットはこちらから

終わりに

今回はどの作品もこの手順で制作を進めていきました。
展示をして、また思うことを後日書いていこうと思います。
お付き合いいただきありがとうございました!

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