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好きなことから引き出せる楽しみを倍増させる方法〜「好き!」は才能〜

たった6分の動画について、250分かけて楽しそうに語り尽くす

一言で言えばそんな動画を観た僕は、感動し、興奮し、衝撃を受けました。

僕が最も好きなYouTube動画の一つのことです。
今日は、その動画の感動を出発点として考えたことを綴っていきます。ずばり「同じものからより多くの楽しみを引き出せるのが豊かさではないか」という説についてです。

感動した動画というのがこちら。岡田斗司夫さんが、宮崎駿監督の『On Your Mark』という6分40秒の作品について「これが宮崎駿の最高傑作」「この作品は6層構造になっている」という説を唱え4時間に渡り語り尽くしています。


引き出せる楽しみが何百倍も違う

冒頭の「オンユアマーク」の解説の話がそうですが、ある対象からどれだけ楽しみを引き出せるかは人によって全く異なると思うのです。

食事の例で考えてみます。
僕は毎日食事をとりますが、一食いただくのにかける時間は10分にも満たないくらいです。たいていは考え事をしたりテレビをみたりしながら食べるので、完全に空腹を満たす以外の快を引き出せていません。

ところが、料理を“味わえる”人にとっての食事は異なります。
料理を前にまずは観賞。色彩を感じます。次いで香りを味わう。何の香りかを推理しつつ、ようやく口の中に小さく切った塊を運びます。かみごたえ、舌触り、微妙な味の変化、鼻に抜ける香り、食材の調和を感じ料理を評価します。そしてその料理の背景を想像します。食材の背景、料理人の背景・・・全部でたっぷり1時間はかけるでしょう。

味わうことができる人は同じ料理を前にしても僕よりたくさんの楽しみを引き出しているのです。そしておそらく、食事をするときには僕より彼らの方が充実した時間を過ごせています。

同じように、「オンユアマーク」を“味わえる”岡田さんは6分間の動画を何度も見直して、コマ送りで何が描かれているかを読み取り、この作品の背景をこれまで培ってきた経験や知識を動員して読み解いて4時間かけて語り尽くすわけです。


ねほりんぱほりんの羽生結弦の回

もう一つ例をあげさせてください(面白かったから共有したいだけです)。昨日、録画してあったNHKの「ねほりんぱほりん」という番組を観ました。

ねほりんぱほりんは、

顔出しNGのゲストはブタに、
聞き手の山里亮太とYOUはモグラの人形にふんすることで、
「そんなこと聞いちゃっていいの~?」という話を
“ねほりはほり”聞き出す新感覚のトークショー。
    番組公式ホームページより

です。なかなかきわどい話が出てきて面白いですよ。

そんな“ねほぱほ”の今回のテーマが「羽生結弦に出合って人生が変わった人」でした。3名の熱狂的な羽生ファンが根掘り葉掘り聞かれるのですが、彼らの生活が本当に面白いんです。

まず3名ともに、稼いだお金は自動的に羽生くんのために使う羽生口座に振り込むそうです。そっから、ギリギリ生活できるだけのお金を別の口座に移すんだそうです。

彼女たちにとって羽生くんを拝むために使うお金は「生命維持費」なんだそうで、何百万使おうと後悔しないんだそうです。すごいですよね。

番組を観て僕が思ったのは、周りから見れば彼女たちは明らかに変人だけれどとても幸せなんじゃないかということです。

彼女たちは羽生結弦から引き出せる楽しみの量がおそらく僕の10万倍くらいはあるのです。僕は名前を知っているくらいでしたから。


好きは才能

ある対象からどれだけ楽しみを引き出せるかは、明らかに能力ではなく技術です。後から身につく部分の方が大きいということです。

ココ・シャネルが「天分は、持って生まれるもの。才能は、引き出すものよ。」と残していますがその通りかと思います。

直感的に惹かれるものはある程度生まれた時から決まっているかもしれませんが(天分)、もっと面白がれるかどうかは後から身につくもの(才能)なのでしょう。

自分が「好き!!」とか「なんかいいかも?」と感じることを追求した結果、今の自分独自の楽しみ方ができあがっていますよね。

ところで、そもそも何かを「好き!!」とか「なんかいいかも?」と感じられるのは才能なんじゃないでしょうか?

僕はフィギュアスケートを見ても楽しいと思いませんし、鉄道には微塵も興味がわきません。だから、上手いか下手かも良いか悪いかも全然わからないです。つまり、好きは才能です。

何かを見て「いいな」とか「面白いな」と感じられるということは、なにが「いまいち」で「つまらない」のかもわかるということです。これが自分が好きなことについて何かを生み出すタネになると思うのです。


好きは表現によって磨かれる

僕はもともと読書が好きだったのですが、だんだん自分でも書くようになり、大学生になってブログを始めました。

ブログを書いたりライターの仕事をするようになってから感じることですが、間違いなく読みの質が格段に上がりました。

同じ本でも何回か読むようになりましたし、流れを掴む一気読み、ニュアンスを掴む熟読を使い分けられるようになりました。この辺は書くのが苦しそうだなとか、ここはちょっとわかりやすくするために誇張してるのかもなとかそういったことまで面白がれるようになっています。

書くことによって読むことが数倍楽しくなっているのです。

以前なら一冊の本について10分も語れなかったでしょうが、今なら30分は絶対語れる、という感じです。文体モノマネをしてみたり、noteに考えたことを書いたりするともっとたくさん楽しめます。

これを一般化すると、好きなことは表現することで磨かれるということになるかと思います。

好きなことについてたくさん調べてみたり、自分で再現してみたり、パロディーを作ったり、モノマネしてみたり、誰かに語ってみたりといった”表現”を重ねることで、面白がりスキルみたいなのが磨かれていくのです。


儲かるかは関係ない

好きなことを仕事にすると嫌いになると言う方もいますが一理あると思います。好きで表現できたとしても儲かるかには関係ありません。

あくまで趣味として、少しでも儲かったらラッキーというポジションに置いておくのも手だと思います。

儲からないとしても、楽しみを引き出す能力は、お金ではなく豊かさを生むためには必要です。

あなたの面白がりスキルは、自分の外の出来事と体験の間のフィルターの役割を果たします。そのフィルターによって、身体の痛み、お金の不安、恵まれない生い立ちといったものの影響を緩和することができます。

そして、面白がりスキルは「自由」の能力です。外から焚きつけられた欲望に右往左往させられることなく、一人でいる時間を楽しみ、時間の密度を上げることができるのです。

自分の「好きかも」「面白いかも」「ちょっとやってみたい」という気持ちを大切にして、同じような対象からより多くの楽しみを引き出せるよう育めば日々が少し豊かになるかと思います。


最後に

最近僕が面白がっていることを紹介します。

『未来少年コナン』、岡田斗司夫ゼミ、集中力について調べること、友人の面白がってることを聞き出すこと、我が家のわんこからボールを取られないようギリギリでドリブルすること、弟と勉強の計画を立てる作戦会議をすること・・・

などなどです。最近ハマり始めました。これらを、僕の好きな表現方法(語る、書く)で表現していこうと思います。もちろん、趣味のレベルでやります。

ちなみに、僕が書いているnoteの記事はにやにやしながら調べたことを、楽しく紙の方のノートにまとめて、そっから面白がって記事に仕立て上げたものです。

ですので、みなさんも読んでいただける際には眉間にしわを寄せず、一緒に面白がっていただけると良いかと思います。



今回も最後までお読みいただきありがとうございました!!

サポートいただいたお金は、僕自身を作家に育てるため(書籍の購入・新しいことを体験する事など)に使わせていただきます。より良い作品を生み出すことでお返しして参ります。