川越メル珈琲|文字がちりばめられた和の空間をふたりじめ
11月に訪れたばかりの川越。「また行こうよ」という誘いにのり、今月も遊びに行きました。
向かう先は、自家焙煎ネルドリップ珈琲と手作りスイーツのお店「川越メル珈琲」です。
Googleマップでの口コミが多く、外国人観光客でにぎわうお店かなという印象。しかし実際に訪れてみると、書道作品に囲まれる空間でゆっくりコーヒーを味わえる、隠れた穴場スポットでした。
川越メル珈琲
川越メル珈琲の東すぐそばに初雁中学校、南には川越市役所があり、住宅街に囲まれ地域に根ざす珈琲店です。平日は学生が行き交う通りなのが想像できますが、休日に訪れたので通りはひっそりとしていて、すれ違ったのは1~2人ほど。
川越観光エリアの喧騒から離れ、静かな場所でコーヒーを飲めるのはうれしいですね。
ドアを開けてお店に入った瞬間、ぶわっとスパイシーな香りがしてきました。お昼前に到着したので、ちょうどランチメニューのカレーが完成したタイミングだったのかもしれません。
書道アートの世界でお気に入りの席みつけた
「お好きな席にどうぞ」「2階もありますよ」と声をかけていただき、2階に向かうことに。川越の観光エリアから少し外れた立地だからのか、先客はおらずわたしたちだけでした。畳敷きなので靴をぬいで入ります。
部屋の奥に進むと重厚感漂うテーブルがあり、クラシカルな雰囲気です。ほかにも4名掛けのテーブル席が多く配置されています。
ひと目で気に入った窓際のテーブル席に決定。アンティークの風格が漂うテーブル&チェアがとっても素敵です。
2人で座ると肩がふれあうほどこぢんまりしていて、その様子をみたオーナーに「広い席でもいいですよ」と声をかけられました。一瞬迷ったものの「この窮屈さがなんかいいよね」と意見が一致し、この席ですごすことに。
真後ろには昔の勉強机のようなひとり席があり、おひとり様にもやさしいレイアウトだなと感じます。
店内の至る所に書道家でもあるマスターの作品が飾られ、マスターが思い描く世界観が広がっています。
なんだかドラマ「TRICK」や「SPEC」を彷彿とさせる空間。何周もみるほど好きなドラマです。書道のアート性とパワーに魅せられ、物語に迷い込んだような錯覚さえ感じました。
ひとつの作品かのように、達筆なマスター手づくりのメニューブックがお見事。コーヒーのラインアップについて、チャートでわかりやすく紹介されていて、やさしさが伝わります。
目当てのモーニングメニューが見当たらなかったので、土日は提供していないのでしょうか……? 尋ねておけばよかったものの、味わい深いメニューブックをペラペラめくっていくうちにほかのメニューに興味がひきつけられ、すっかり忘れてしまいました。
部屋の中央にあるウィンドチャイムか、階段のそばにある黒電話から注文を伝えます。「黒電話でオーダーを通すなんて洒落てる!」と思ったものの、すでに直接注文済み。注文したあとに黒電話が使えることを知ったので、もったいないことをしたなとちょっと後悔しています。
川越メル珈琲では煎りたてを提供できるよう、手鍋で少量ずつ丁寧に焙煎。自家焙煎したコーヒー豆をネルドリップで淹れています。
「本日の珈琲」から選んだのは、エチオピア・モカ「イルガチャフィ G1 ウォッシュド」です。口当たりがやわらかでライトな酸味によるさわやかな印象。苦味とコクを存分に感じ、フルーティな余韻が続きます。
陶芸作家である山本直毅さんのコーヒーカップやプレートをメインに使い、器選びにもこだわりを感じます。
店員さんの手元からテーブルに移るわずかな時間にも惹きつけられるビジュアル。無骨で味わい深いデザインでどの器も素敵です。
コーヒーにあわせるスイーツは、ガトーショコラがベストだと思っています。
フォークを入れると空気がプチプチと潰れていくような音が聞こえ、どんなガトーショコラなんだろうと好奇心がくすぐられます。
口に運んだ瞬間のなめらかさにびっくり! ずっしりタイプではなく、空気をたっぷり含み、ほろほろと崩れてしまうほどエアリーな食感です。生チョコのようなレアっぽさがありつつ濃厚なくちどけ。2種類のチョコレートをブレンドしているとのことで、チョコレートの甘さとほろ苦さのバランスがよく、奥行きのある味わいです。
最後のひと口は、ホイップをそえてクリーミーなコクを楽しみました。
"文字には不思議なチカラがあります"
帰り際に「よろしければどうぞ」と学生証をくれました。学生証は川越メル珈琲オリジナルのもの。川越メル珈琲は珈琲店としての顔だけではなく「川越メル学園」という顔をもちあわせ、書道教室や珈琲教室などを開催しています。
入店から退店までの時間、2階はわたしたちのみ。書道アートの空間を独占する贅沢な時間をすごせました。
ちらっと見えた、1階にある半個室のような小上がり席が気になります。秘密基地のようにちょっと隠れた席で特別感がすごい。次回はモーニングのリベンジに向かいたいです。
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