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「俺の嫁になれ」



私と夫は、遠距離恋愛だった。

LINEのやりとりは
毎日欠かさずやっていたけど

電話は、週に数回だけ。



私は、実家暮らし
夫は、寮暮らしだったから

毎日の電話は、難しいというか…

私が、「親に聞かれたくない」という
気持ちが強かったのかもしれない。



私の実家は、小さなアパートだから
それぞれの部屋が、襖1枚で仕切られているだけ。

私の部屋は、居間から少し離れているけど

両親の会話や、テレビの音が
ぼんやり聞こえてくる。



そんな状態だから

私が自分の部屋で電話をしたら
きっと、聞こえてしまう!

初めての彼氏で、浮かれている私の声を
親に聞かれてしまうのは、絶対に嫌だ!笑

でも、本当は毎日声を聴きたい!と

いろんな気持ちで、ごちゃまぜになっていた。




だから、いつも控えめな声で話すか
布団をかぶり、汗をかきながら電話をしていた。笑



そんな、週に数回の電話で 
いつも通りの、何気ない会話をしていた時



「いずれは、こっちに来ることになるんだから」と
さら~っと、夫から言われた。

「え?どういうこと?」と
ポカーンとしている私に

「俺の嫁になれ」と
夫は、さらっと言ってきた。



私の頭の中の「?」は
どんどん増えていくばかり。

「お酒飲んでるから、冗談でしょ笑」と
私は、笑いながら伝えた。

「飲んでるけど本当だよ。俺の嫁になれ」




私は、驚きと嬉しさで、一瞬で涙目に。

付き合い始めて
2か月くらいしか経っていないのに

まさか、このタイミングで
そんなことを言われるとは
全く思っていなかった。



「俺の嫁になれ」という文字を読むだけだと

「なんだか、上から目線で嫌な感じ~」と
思う人がいるかもしれない。笑

だけど、私は全く嫌な気持ちにはならなかった。



それは…

「勇気を出して伝えてくれたこと」が
その言葉から、伝わってきたから。

きっと、お酒を飲んでいたのは

心臓が落っこちそうなほどの緊張を
ほぐすためだったんだと思う。笑



「俺の嫁になれ」の言葉から
私は、なんとなく「夫の自信」も感じた。

「きっと、NOとは言われない。
嫁になってくれる」という自信。



「俺の嫁に、絶対する」という強い気持ちも
スマホからの声だけで、しっかり伝わってきた。

言葉が少なくても
どんなに離れていても

心から信頼していると
自然と伝わってくるのかもしれない。



「あれ?プロポーズって、こんな感じなの?」
と思ったが、笑

キラキラした感じの
プロポーズには全く興味がなかった私には

この形が、ぴったりだったような気がする。



その日から、今年で7年。
(入籍はこの日から1年以上後)

「俺の嫁になれ」の言葉に
「YES」と答えたことを

私は、全く後悔していない。



あの時、大きな決断をしてくれた夫には
心から感謝をしている。



そのまんまの私を受け入れてくれる人が
そばにひとりいるだけで

こんなにも、安心すること
こんなにも、強くなれることを

気づかせてくれて、本当にありがとう。




これからも、ずーっとよろしくね。
俺の嫁より。笑






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