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求人・人材紹介ビジネスは将来的に廃れる。これからは独自の人事システムを構築することが当たり前になる

■ 求人・人材会社が乱立する現代


現代は求人募集や人材募集のサービスが多くある。

当然ながら、このようのなサービスをお金を出して利用するのは求人を出している企業である。ハローワーク経由だと応募がないことから、求人サイト
や人材紹介・派遣などに頼らざるを得ない。

求職者にとっては仕事を選びやすいし、エージェントを通じて自分に合った職場探しができるメリットがある。実際に働くという前にミスマッチが生じることを予防できる。

働き方が多様化する時代において、求人や人材に関するサービスも多様化している。これは介護業界も同様である。
「カイゴXX」「ジョブ●●」などの類似の企業名やサービス名が乱立している。聞くところによると、求人サイトだけで500社以上あるらしい。

毎日のように「✕歳の経験者います」というFAXや「ご紹介したい人材がいるのですが」といった営業電話が毎日のようにかかってくる。

一生懸命に営業活動をしているのは分かるが、正直言ってFAXはインクや紙代の無駄であるので本当にご遠慮願いたい。
営業電話は業務に支障があるので勘弁いただきたい「以前お電話したのですが、覚えてますでしょうか?」と言われることもあるが「覚えていない」と言うしかない。


■ 採用するだけでお金がかかる時代


かつては求人と言えば、求人広告を出すためにお金をかけていたが、このようなサービスを利用するとなると、採用するためにもお金がかかる。

スカウト型の求人サイトでは資格やキャリアに応じて金額が決まっているし、人材紹介会社は年収の25~30%はかかる。
人材派遣は雇用ではないものの、仲介手数料も含めて平時で雇っているパート職員の倍以上の時給がかかることもある。

求人や人材会社からすると紹介料や中継ぎなどの手数料なのだろうが、それにしても高額過ぎる。

なぜ紹介料などが高額なのかと言えば、高額でも人手不足を解消したいというニーズがあるからに他ならない。

もはや「このようなスキルをもった人材が欲しい」ではなく「人手不足だから誰でもいいから来てほしい」というのは、どこの事業所も同じだろう。

人手不足な世の中で大きなニーズもあるし、高額でも容認されているうまみのあるビジネスだからこそ、求人や人材紹介事業が乱立しているしているのは自然と言えば自然である。


■ 求人・人材紹介ビジネスはそのうち廃れる


しかし、この手のビジネスはそのうち廃れると思う。これは他業界・他業種、様々な製品やサービスにおける歴史を振り返れば分かるだろう。

高額でもニーズがある求人・人材サービスではあるが、比較できないほど多くの企業が参入している状態だと、競合同士での食い合いが始まる。

そこで起こると想定されることは「値崩れ」「値下げ競争」である。

今もそうだが、人材を求めている企業や事業所は、同じようなサービスであれば少しでも安いところにお願いする。すると、各社「うちはもっと安く紹介しますよ」という営業になる。

上記でもお伝えしたように、求人や人材紹介といった会社は名前も覚えていないほどたくさんある。幾度も営業を受けた経営者や人事担当者ならば分かると思うが、正直言えば独自性などなく「どこでも同じ」である。

ならば、人材を確保できるという目的を達成するだけならば、少しでも価格が安いところになることは当たり前である。

「どこも人手不足だから、求人サイトや人材紹介をすれば儲かるだろう」と独自性を考えてこなかったツケは、求人・人材サービス業界の衰退として表われることだろう。


■ 自前の人事システムを構築する時代へ


もちろん、すぐに求人・人材サービスのビジネスモデルが消失するわけではない。だが、人材不足で悩んでいる介護業界にとって、どこの馬とも知れない会社に高いお金を払うようなことはできなくなるだろう。

というのも、介護サービス事業がそこまでお金を出せなくなっているからだ。集客や人材教育には投資することはあれど、採用するためだけにお金を出すというのは投資ではないと気づくだろう。

そもそも、求人サイトは分かるとして、人材紹介会社にお金を出すということは貴重な介護保険料(いわば税金)を、直接介護サービスを行っていない民間企業に垂れ流していることである。

このあたりはここ数年で(ようやく)議論されるようになったが、国が直接コントロールするようになるころには、おそらく求人も人材紹介も業界内で食い合いされてボロボロになっていると思う。

一方、「金をかけてまで人材を採用するくらいなら、自分たちで求人体制を作ってやる」と思うところが増えるだろう。実際、そのための支援サービスは徐々に増えている。

また、ITの進歩によって素人でも簡単に求人システムや人材募集を行えるツールが増えていくだろう。あとは求職者に「ここで働きたい」と思ってもらえるアイディアをもって形にするだけだ。

これをするには時間と労力はかかるし、多少なりのお金もかかることだろう。しかし、これまでのように有料の求人サイトや高額の人材紹介会社に依頼しているよりは各段にマシになるはずである。


――― 私は現在、運営している介護施設の事業永続のため、独自の人事体制づくりに挑んでいる。そのために有料のアドバイザーに依頼しているが、それは一時的な依頼であって、その先は自分たちで人事体制を維持・向上していくつもりである。

求人、派遣、人材紹介といったスタイルを悪く言うつもりはないが、求職者だってこのスタイルのサービスから個人で独自性のある事業所を探す時代に移行すると思う。

この目論見が当たるかは別として、今のうちに仕掛けていきたい。


ここまで読んでいただき、感謝。
途中で読むのをやめた方へも、感謝。

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