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【読書メモ】世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?

エリートではないですが、「アート」に関する捉え方が結構腑に落ちた感じがしてとてもおもしろかったです。

ビジネスの面において、誰もが頼りにする論理と分析、サイエンスとクラフトだけではなく、直感やアートを意思決定に利用する重要性を感じ取ることができました。

特にNサロンの中でもやった対話型鑑賞アーティストトレースのようなもの(VTS:Visual Thinking Strategy)で見る力を鍛えるのが流行っているようです

・何が描かれているか
・絵の中で何が起きていて、これから何が起こるのか?
・どのような感情や感覚が、自分の中に生まれたのか

機会があればまたやってみたいです。

また、最近ではアートシンキングのイベントもあったので、よりアートというものがビジネスの分野でも注目され初めています。

ざっくりまとめ

・これからは「分析・論理・理性」による意思決定だけではなく、「真・善・美」のよる構想力・想像力が必要になってくる
・意思決定のクオリティはアートサイエンスクラフトのバランスが重要
・デザインとテクノロジーは陳腐化するが、ストーリーや世界観はコピーできない
・より高品質な意思決定を行うために、主観的な内部のモノサシ=美意識を持つ
・選択と
・セルフアウェアネスとは、自分の状況認識、自分の強みや弱み、自分の価値観や志向性など、自分の内側にあるものに気づく力である
VTS(Visual Thinking Strategy)が流行っている

メモ・感想

千利休は、世界最初のクリエイティブディレクターである。

デミング博士のオリジナル文言は知らなかった。

測定できないものは管理できない、と考えるのは誤りである

「論理と直感」の対比軸として、論理は積み重ねて結論に至る一方で、直感は最初から論理を飛躍して結論に至る。「理性と感性」では、理性は正しさや合理性、感性は美しさや楽しさが軸になる。個人的には理性と感性は対比しないで両立できるような気がする(正しくもあり美しくもある)。

実際に、

「論理も直感も高い次元で活用すべきモードであり、片方に対して劣後すると言う考え方はよくない」

と、あり現在の軸が論理に偏りすぎている点を指摘しているのはとても腑に落ちた。ただし、論理や理性をないがしろにするのではなく、あくまで意思決定のモードに直感や感性を必要とする場合もあるということ。

文系、理系問わずこれからは哲学やアートといった分野を積極的に学んだり、体験したりすることが大切になる。特に経営における意思決定のクオリティはアート・サイエンス・クラフトの3つの要素のバランスが重要。アートはビジョンを生み出し、サイエンスはそれに現実的な裏付けを与え、クラフトが現実化するために実行する。

ただし、現代ではアートとサイエンスの間にアカウンタビリティの格差という問題がある。アカウンタビリティがあるということは、後で説明ができるということである。サイエンスとクラフトの組み合わせは、とても建設的な議論になるが、アートとサイエンス、アートとクラフトの組み合わせは、議論するとサイエンスとクラフトが必ず勝手しまう。なぜなら、アートはアカウンタビリティを持てないため。天才もまたアカウンタビリティを持てない(例えば長島茂雄)。

組織構造としては、トップにアート(CEO)を据えて左右の両翼をサイエンス(CFO)とクラフト(COO)で固めるパワーバランスが良い。デザインとテクノロジーは陳腐化しコピー可能だが、ストーリーや世界観はコピーができない。

優れた意思決定の本質とは「選択すること」にあるのではなく「捨てること」、すなわち「一見すればどれも優れているように見えるたくさんの案を、まとめて思い切って捨てる」ことにこそある。経営者の「直感」や「感性」、言い換えれば「美意識」に基づいた大きな意思決定が必要になる。

イノベーションのジレンマの著者であるクレイトン・クリステンセンの「犯罪者にならないために」というスピーチの中のアドバイス。

「人生を評価する自分なりのモノサシを持ちなさい」

コーン・フェリー・ヘイグループが全世界で実施しているリーダーシップアセスメントの結果から「セルフアウェアネス=自己認識」の能力が非常に高い。のこと。

現代を生きるビジネスパーソンにとって、「哲学から得られる学び」には、大きく3種類ある。

1. コンテンツからの学び
2. プロセスからの学び
3. モードからの学び

コンテンツは内容そのもの。プロセスはコンテンツを生み出すに至った気づきを思考の過程。モードとは哲学者自身の世界や社会への向き合い方や姿勢である。

リーダーシップと詩の共通点に、「レトリック(修辞)が命である」がある。ノーベル賞受賞者は、一般人と比較したときに2.8倍も芸術的趣味を保有している確立が高かった。



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