見出し画像

幻の「北欧エリア」徹底考察

皆様は、過去に東京ディズニーシーに計画されていた「北欧エリア」をご存知でしょうか?

当時は大きな話題を呼んだものの突如として闇に消え去ったこの計画。一体その影に何があったのか、ファンタジースプリングスの開業を目前にした今その真相を解き明かしていきます。

概要

2014年4月28日に「2016年中期経営計画」の「2023年ありたい姿」で「拡張用エリアの活用」を表明。その約半年後に新テーマポート構想を発表、そして2015年5月には北欧をテーマとした「アナと雪の女王」のテーマポートと発表し、同時にコンセプトアートも公開されました。

しかし2016年4月に計画を撤回し、代わってソアリンの導入を発表しました。

2016年中期経営計画

北欧エリアは何があったの?

そんな北欧エリアですが、公開されているのはテーマポート全体のコンセプトアートと模型画像の2枚だけ。アトラクションなどの各施設の詳細は明かされていませんでした。

「北欧エリア」コンセプトアート
「北欧エリア」模型

しかし、現在、香港ディズニーランドにアナと雪の女王をテーマにした「ワールド・オブ・フローズン」というエリアが存在し、今年6月に誕生する東京ディズニーシー新テーマポート「ファンタジースプリングス」内には「フローズンキングダム」というアナと雪の女王をテーマにしたエリアが存在します。

これらも参考にしながら、北欧エリアには何が作られるはずだったのかを考察していこうと思います。

テーマポートのエリア配置

コンセプトアート、模型画像から予想図を作成しました。

ノースマウンテンをバックに左からアレンデール城城下町トロールの森と並んでいます。

1番面積が広いのはノースマウンテン。アトラクションやショップ、バックステージが収容されています。
アレンデール城と城下町はほぼ同じ大きさ、トロールの森はそれらの1/2程度となりました。

「北欧エリア」予想図(エリア周辺含む)

変更点

エレクトリックレールウェイの延伸

コンセプトアート、模型画像の右下にエレクトリックレールウェイの新たな駅のような建物が確認できます。

外観は、ノルウェーの伝統的な建築物「スターブ教会」に良く似ています。

ちなみに、スターブ教会は海外パーク「ウォルト・ディズニー・ワールド・リゾート」に存在するパーク「エプコット」のノルウェー館にも存在します。

エプコットのスターブ協会


スターブ教会はエルサの戴冠式が行われた場所であり、アレンデール城やエルサのアイスパレスのモデルとも言われています。

インディジョーンズ博士の飛行機の撤去

コンセプトアート、模型でその存在が確認できないため撤去されたと思われます。(別の場所に移動した可能性も有り)

なお、撤去された場所は北欧エリアに沿った地形に変更されているようです。

各エリア詳細

・ノースマウンテン

面積 9,200m²*¹(FS版 6,000 m²*¹)(ショービル含む)
ファンタジースプリングス版の1.5倍の広さ。2つのアトラクを収容。

高さ 50m(パリ版 40m*²)
模型からインディの遺跡(約25m*²)の約2倍と見て計算。
シンデレラ城、プロメテウス火山とほぼ同等の高さ
→ホテル群の目隠し、アトラクの収容
→他エリアとの干渉

神殿を2つ重ねられる

・アレンデール城

面積 2,600㎡*¹(FS版と同等)
ファンタジースプリングス版とほぼ同等の面積であることから、同じくレストランが入ると考察。
ファンタジースプリングス版より若干橋が長い

・城下町

面積はアレンデール城とほぼ同等。主にショップ街アトラクションが一つあると考察。
ポートディズカバリー側と新しく作られる橋で結ばれる。

広場にある桟橋
→映画でアナとハンス王子が出会った場所
ここまで降りれる可能性有り(安全性→?)

船着場・小屋
ボートに乗って川を進むアトラクションも考えられる。
ただ、可能性は低い。(Qの長さ、ルート、川の狭さ等)

考えられるルート

・トロールの森

面積は他エリアの1/2程度
左端の小屋にフローズンエバーアフターのものと思われる看板が設置されていることから同(または類似)アトラクションが設置されると考える。

フローズンエバーアフターのような入口

もともと存在するロストリバーデルタの道とつながる。
また、間欠泉と3つの橋が確認できる。

アトラクション

北欧エリア計画の概要に「複数の大型アトラクション」とあることから、2つのアトラクションがあると考えました。

2015年3月期  決算説明会

A
フローズンエバーアフター(ボートライド)
面積 5,200m²*¹(FS 類似アトラク 6,000m²*¹)
入口 左側のショップ
出口 左側のショップ
途中退出口・関係者用 右側の穴
ファストパス発券機 左側の穴

B
シアターorライドアトラクション
(小〜中規模)
入口 時計台(香港版フローズンエバーアフター入口)
出口 隣接のショップ
ファストパス発券機 船着場・小屋
ジェットコースター、ボートライド→可能性低

香港版フローズンエバーアフターでは時計台がアトラクションの入口となっているものの、位置的に不可能と判断しました。

面積から、アトラクションBは小〜中規模のアトラクションだと考えます。
例)シューティングゲーム、映像ショー


(エリア予想図を確認して下さい)

フード

ワゴンがポートディスカバリー側とロストリバーデルタ側の2箇所にあると考えました。
アレンデール城内、城下町にもフードショップと思わしき建物が確認できます。

シーライダー裏

北欧エリアに合わせて、景観を変更しています。

ガゼボ
グリーティングができそうです。

左側のドームのようなものが「ガゼボ」


エレクトリックレールウェイの駅を新設
前述の通りです。

疑問点&計画頓挫の原因

・エレクトリックレールウェイの、ポートディスカバリー駅と新しい駅との間が短い
・アトラクションBの広さが十分でない(形が変)
・ノースマウンテンが高すぎる(他のテーマポートと干渉→特にロストリバーデルタ)

北欧エリアの計画撤回の理由について、オリエンタルランドは「更に広い用地での展開を目指すため」としています。

計画の再生


計画撤回の半年後、2016年11月に香港ディズニーランドが拡張を発表。その中にアナと雪の女王のエリアも含まれていました。イメージイラストやサイズ感が北欧エリアと酷似しており、北欧エリアを香港が回収したと思われます。

香港ディズニーランド「ワールドオブフローズン」

また、東京ディズニーシーでは拡張用地を駐車場に移し、2018年にはアナ雪にラプンツェルとピーターパンを加えた新たな形で新テーマポート計画を発表。当初開業を2022年としていましたが新型コロナウイルスの世界的流行によって遅れが生じ、2024年6月6日にグランドオープンを迎えます。

ファンタジースプリングス内のエリア「フローズンキングダム」

計画跡地の活用について


ここからは、計画が撤回され、今もなお空き地となっているこの場所の今後について考察していきます。

忙しい運営

まず、これから十数年は動きがないと考えます。
理由として

ファンタジースプリングスの誕生
ニュートゥモローランド(スペマン、及び周辺施設の一新)
の2つが挙げられます。

・ファンタジースプリングスの誕生

今年の6月に開業するファンタジースプリングスは、前述の通り北欧エリアの進化形でありFSの開業は北欧エリアの開業とも言えます。また、FSの開業によって大きな集客が見込めます。

「ファンタジースプリングス」全景


ニュートゥモローランド

現在、ディズニーランドでトゥモローランドのリニューアル計画が進められていて、完了には2030年まではかかる見込みです。大規模な計画であるため、これと同時進行で新たなテーマポートを作り上げるのは難しいと考えます。

新スペースマウンテン
シュガーラッシュのアトラクション

選ばれるテーマとは


新しいテーマポートを作るには題材となるテーマが必要です。

東京ディズニーシーは「ディズニー映画色」が他のパークと比べて薄いパークにはなりますが、最近は積極的にキャラクターを取り入れていますよって、ディズニー映画がテーマとなる可能性が高いです。

更に、ハーモニーインカラーが代表するように最近は3Dアニメーションで制作された映画を押し出していていることから、特に3Dアニメーション作品が採用されることは間違いないでしょう。

まず、新テーマポートに必要なテーマ性を明確にすると

自然が多くあること(他テーマポートとの調和)
・一定の人気があること(集客性)
オリジナリティがあること(集客・独創性)

が挙げられます。
また、最近の傾向として新しくパークになにかを導入する時は段階的に行う事が多いです。(MARVEL作品が代表的)

イッツアスモールワールドとMARVEL作品のコラボ



これらを踏まえて、「ビリーブシーオブドリームス」を想像してみて下さい。

ビリーブに登場する作品は

ピーターパン(FS)
ラプンツェル(FS)
アナと雪の女王(FS)
アラジン(アラビアンコースト)
リトルマーメイド(マーメイドラグーン)
リメンバーミー(過去にロストリバーデルタでイベント開催)
モアナと伝説の海(ハーモニーインカラー)

であり、下2つを除いて、それぞれがパーク内にエリアを持っているのです。

リメンバーミーは死者の国が舞台であり「自然が多くあること」という条件に合いませんが、モアナと伝説の海には当然当てはまります。

また、海外パークにモアナがテーマのエリアがありますがウォークスルータイプであり、比較的小規模と感じます。さらに、モアナと伝説の海は続編の制作が決定していることからその人気度合いは言うまでも無いでしょう。

以上より採用される映画は「モアナと伝説の海」だと考えます。

終わりに


幻の「北欧エリア」解説、お楽しみいただけたでしょうか。
僕自身、アナ雪は心に残っているディズニー映画なので考察をしていて非常に楽しく、面白く、様々な発見がありました。

一度はその姿をくらましたものの、姿形を変えてあと2ヶ月後に、2015年の構想発表から10年もの長い年月を経てついに誕生します。

ぜひファンタジースプリングスを訪れるときには「幻の北欧エリア」を思い出しながら楽しんでいただきたいです。

これからのディズニーテーマパーク、ディズニーの発展に期待します。
それでは皆さん、行ってらっしゃい!


*1・・・Google Earth を使用して算出
*2・・・Wikipedia より引用

※これはあくまでも考察です。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?