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新規事業開発・商品企画開発プロジェクトのヒント

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ソニー(株)で約25年、独立して4年約30社の新規事業・商品企画に携わってきた経験から、企画やプロジェクト現場へのヒントになる記事をまとめています
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記事一覧

新規事業のテーマは無限

新規事業のテーマについて悩まれる方は少なくないはず。 今回はそんなお悩みのヒントになるかもしれない ある動画をご紹介します。 |「東大×知の巨人たちの雑談」から知る技術の進歩 今回ご紹介するのは 東大の教授の方々が研究や技術について雑談されている動画です。 2年前のものですが、とても面白い内容で一気に見てしまいました。 「東大×知の巨人たちの雑談」 4シリーズ 全37本 37本ありますが、ひとつが7分くらいの動画ですので気軽に視聴できます。 興味のある方は是非ご覧くださ

手持ちの手段から意味ある結果を生み出そう!~エフェクチュエーションとは~

エフェクチュエーションってご存じですか? ”成功した起業家の行動を分析した理論” なのですが、 この理論が企業の新規事業開発にも応用できるので 今回ご紹介したいと思います。 |エフェクチュエーションとコーゼーション 先日参加したセミナーでこんな本が紹介されていました。 この考え方にとても共感するものがありました。 もともとは成功した起業家の行動を分析した理論なんですが 企業の新規事業開発にも応用できるので是非読んでみてください。 ここでは私なりの解釈でお伝えします

新規事業・商品開発のお困りごと 〜ヒアリング相手の探し方のヒント〜

新規事業や商品開発のアイデアの種を見つけるために 是非とも行ってほしい”ヒアリング”。 ただそのヒアリングの相手の探し方が分からないという声をよく聞きます。今回はヒアリング相手の探し方のヒントをお伝えします。 |ヒアリングの相手が探せない問題 春からいくつかの新規事業プロジェクトに関わっていますが、 どのプロジェクトチームにもお伝えするのが 「できるだけ早くアイデアの種を見つけるために外をまわりましょう」 ということです。 会議室にこもるのではなく、外に出てヒアリングを

我が社の役割ってなんですか?

私が新規プロジェクトに伴走支援で関わらせていただくときは 様々な企業の事例や関わったプロジェクトの事例の紹介だけでなく 必ずミッション・ビジョンの話をします。 成文化されたその会社のミッション・ビジョンと そこで働く社員各人が会社の役割をどのようにとらえているか この2つの観点については、興味深いエピソードがあり 私はよく次のような話をします。 |ソニー社員が思うソニーの役割 私がいたソニーでは、社風といえるかもしれませんが 「何か新しいことをやる」 「世の中にまだな

新規事業のヒントは会議室にはないですよ!

今回は 新規事業のヒントの探し方 についてお伝えします。 |サポートの仕方はチームごとに違う 春は新しい組織やチームでの新規事業や新商品開発のプロジェクトが 始動することも多いですね。 私もこの春から新しいプロジェクトの支援がいくつか始まり どうサポートすればいいか、、、 といろいろ考えているところです。 私の新規事業のサポートは 決まったフレームワークや型に当てはめず プロジェクトチームといっしょに考えていくスタイルをとっています。 なので、チームごとにサポートの戦

新規事業開発では撤退ルールを明確に!

4月、新年度の始まりですね。 春から始まる新規事業開発プロジェクトも多いと思います。 新規事業を進めていくにあたって 「撤退ルールは決めた方がいいですか?」 と聞かれることがよくあります。 今回は「撤退ルールを決めておくべきか?」 についてお伝えします。 |撤退ルールを決めておくべきか? 撤退ルールを決めるとは これから始める、あるいは既に進めているプロジェクトが うまくいかない、あるいは思ったように進まないときに 何をもって撤退するかどうかを判断するか その基準を決

プロジェクトチームに有効!ーグランドルールを決めよう!

先月、この1年ご支援してきた商品企画プロジェクトが終了しました。 目標も無事達成しました。 皆さんの頑張りが素晴らしかったです。 最後に振り返りを行ったのですが 「グランドルールがよかったです!」 という感想をいただきました。 今回はプロジェクトチームをまとめるのに有効な グランドルールを取り上げてみたいと思います。 |グランドルールとは グランドルールとは 「チームがいっしょに活動していくために決めておきたいルール」 のことです。 このチームでは 毎回ミーティングの

新規事業開発の方向性を決めるー有効な3つの問い

ある企業さんでの新規事業開発のプロジェクトが始まりました。 とても技術力のある企業さんで、 これまではB2B領域でお客様の指示を受けて デバイスを開発設計していたのですが 自社企画の経験がありません。 今回は自社で商品を企画していきたいというもの。 最初は皆ここからの一歩、 素晴らしいチャレンジですね。 |「アンゾフの成長マトリクス」を用いてみる さて、新規事業開発や商品企画の最初の段階では 方向性を決めていくことになりますが 商品企画や中期戦略、新規事業検討で方向

企画アイデアの多くが偶然の発見

|ノーベル賞の多くは偶然の発見 最近よく技術トレンドの youtube を見ているのですが こんな動画がありました。 ノーベル賞の多くはセレンディピティ(偶然の発見) 動画の前半のポイントは以下の5つです。 1.ノーベル賞の半数以上がセレンディピティ(偶然の発見) 2.当初狙っていたものではなくサブで残っていたものがヒットした 3.何かあったときにそこに気づくのが必要 4.計画に沿った研究をしているとなかなか気づけない(脱線だから) 5.多様性があるとそこに気づきやす

新規事業ではトレンドと本質の両方を見ることが大切

|EVに見る「環境に優しいという本質」 あれだけ騒がれた EV(Electric Vehicle:電気自動車)が 伸び悩んでいるというニュースを最近よく聞きます。 特にEVシフトをリードしていた欧州では EV販売に陰りが出始めています。 EVはイノベーション理論でいう "イノベーター"や "アーリーアダプター"が 購入しているとのこと。 たしかに……ですね。 こちらの動画ご参考です。 EVに注目が集まったのは EVが環境に優しいと言われていたからです。 ところが、

新規事業におけるターゲットの絞り込み方

新規事業開発や商品開発において "ターゲットの絞り込み" はよくあがる話題です。 「ターゲットを絞り込むって実際にはどうやればいい?」 「ターゲットはどこまで絞り込めばいい?」 今回はターゲットの絞り込み方について 取り上げたいと思います。 |「しゅふJOB」CMに見るターゲットの絞り込み 先日テレビを見ていたら “しゅふJOB" というサービスのCMが流れてきました。 2024年1月からのCMのようです。 ご覧になった方も多いかもしれません。 “しゅふJOB"は(

ホリエモンに学ぶ仮説検証方法のヒント

今回は、起業についての堀江貴文さん(ホリエモン)の講演を ご紹介します。 起業は新規事業開発と共通するポイントがいくつもあるので 是非ご覧下さい。 |新規事業開発・商品開発は仮説検証の連続 新規事業開発や商品企画は仮説検証の連続です。 仮説の段階で排除するのではなく 実際にテストしてみる これが仮説検証のポイントです。 では仮説をどうやって絞り込んでいくのか? 堀江貴文さん(ホリエモン)の 東京大学 駒場祭2023での講演Youtube動画がとてもよかったので、

アンゾフの成長マトリクス~新規事業開発方向性検討に有効なフレームワーク~

前回のnoteでは 「新規事業開発でのテーマのつくり方」をお伝えしました。 今回は新規事業開発の方向性を検討する際に悩む方々に 役立つ内容をお伝えします。 前回の記事はこちらからご覧下さい。 |新規事業開発の方向性検討に有効なフレームワークは? 新規事業開発を始める際に、必ずといってよいですが たちはだかる壁がありますーーー どのように新規事業開発の方向を検討していけばよいのか? 私も本当によく受ける質問です。 とにかく手当たり次第にアイデアを 出していってもよい

新規事業開発でのテーマのつくり方

今回は最もよく聞かれる質問のひとつである 新規事業開発でのテーマのつくり方 をまとめてみました。 |ゼロ→イチからテーマをつくる アイデアの種を見つけて素性のよいテーマに育てていくこと ーこれは新規事業開発で最も大切であり、かつ難しいタスクのひとつといえます。 では、完全にゼロの状態から新規事業を始める場合に どのようにテーマを見つけていくのか? いわゆるゼロ→イチの段階でのテーマのつくり方をまとめます。 これまでいくつかの考え方やフレームワークをご紹介してきまし