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公社が6月に見たい演劇

家で出来る演劇『狂言山月記』
6/6~9(会場:戸山公園 陸軍戸山学校軍楽隊 野外演奏場跡)
「家」(=劇場ではない、日常に紐づいた場所)での活動を中心に活動する演劇企画。今回は、脚本:屋代秀樹(日本のラジオ)、 演出:本橋龍(ウンゲツィーファ)という豪華タッグでお送りする野外演劇。山月記をモチーフにした演劇だがあらすじで 「そんな姿になるずっと前からあなたはもともと持っていたそのおそろしい爪と牙でわたしを傷つけていましたよ」 という素晴らしい一文。暗黒演劇の屋代だけあって、期待に無膨らむ。


川久保一人暮らし『オッケイ』
6/7~9(会場OFF・OFFシアター)
演劇のみならず、ドラマや映画に多数出演の女優川久保晴。一人芝居で様々なイベントに出演し、その一人芝居で2019年のエミィ賞グランプリを受賞。そんな彼女が満を持して行う初の単独公演。数々の観客を沸かせた珠玉の一人芝居が上演される


宮悠介『なんで踊ってるか全く分からないし、誰かに分かって貰えるとか全然思ってないんだけど、たぶん共鳴して一緒に震えたいんだとおもう。みんなと。』
6/7~9(ムリウイ)
ヨコハマダンスコレクションのコンペティションII最優秀新人賞。SAI DANCE FESTIVAL優秀作品賞受賞など快進撃を続ける若手ダンサー。短編集形式となる今回は、上記の受賞作を初めて他人へ振り付ける、『かたちたち』( 山田 暁、浅川 奏瑛)、『架空生物の鳴き真似 (Alien Blues)』 (横浜 さくら)、そして『新作』のトリプルビル。

B子 詳細不明劇
「チェリー問屋でバナナスマッシュ」
「朝日をゆっくりゆっくり追いかけた奴」
「今脳がシャバいから踊って抗議するんだ」
「祖父=根、お前の根は要介護度4」
6/9(会場:イズモギャラリー)
オルタナティブ一人芝居で今やカルト人気を獲得しつつある演劇人が、次作るのは詳細不明。B子が初めて作・演出に徹し俳優たちがB子世界に登場する。が、誰が出るかは不明。1日しかやらないので事前に調べるとかもできない。見に行かないと何人出るかわからない。B子は個人名として扱っていたが、今回の公演では団体名として扱うとのこと。(今後もそうなるかは詳細不明)。奇才のネクストステージ。

TeXi's 『ファジー』theirs
6/9~16(会場:アトリエ春風舎)
手数の多い演出で抽象の中に人間の記憶と苦しみを浮かびあげる若手四天王筆頭。佐吉祭参加の次に発表するのは、男女二元論が生み出してしまっている 「加害性」について考える1年間のプロジェクト。リクリエーションを重ね『theirs』『ours』『yours』の3部作として上演。第1部は男性が背負っている加害性を表面化し、その先にある人間として誰もが持ち得る普遍的な加害性を描く。空間芸術と文学と社会性を兼ね備えた、劇団からのメッセージ。

令和座『∞』
6/12~16(会場:東演パラータ)
昨年、公社流体力学賞を受賞した沈黙操る奇想劇団。5周年記念公演は廃墟を舞台に廃墟の地下に閉じ込められた男、廃墟に死に場所を求めてきた男、廃墟を蘇らせようとする男、廃墟を利用する男、廃墟に誘拐されてきた女、廃墟で優雅に生きる姉妹、そして謎の8人目を巡る無限を描く会話劇。最早、令和座というべき独自の境地にいる。毎回あらすじで抱くイメージを大きく裏切って予測不可能な作品を提示されるので、今回も裏切ってチョーダイ。


劇団さいおうば『カミノコノミカ』
6/13~16(会場:シアター711)
東京学生演劇祭チャンピオンにして、今年の全国学生演劇祭・観客賞を受賞したシチュエーションコメディの超新星。新作は山奥にある宗教施設で修道女が神のお告げを聞いたと主張したことから始まる物語。彼女の発言は真実か噓か。濃厚そうなあらすじだが、ファンタジックな群像喜劇を自称しているため今回も彼らのコメディセンスが爆発するだろう。ただ、彼らは物語の着地が抜群に上手くただ笑って終わりではない複雑な後味を残すのが上手い。今回は・・・。

宇宙論☆講座『宇宙論☆講座の生ビールミュージカル』
6/14~23(会場:下北沢スターダスト)
グダグダミュージカル劇団が最高傑作を再演。ある女性の葬式、一人の男が「俺のせいで彼女は死んだ」と叫ぶ。なぜ彼女が死んだのか時が遡り語られる。シリアスなストーリーをたっぷりギャグをまぶして上演。最大の特徴はビールサーバーが置かれており俳優と観客は飲み放題の生ビールを飲みながら上演が進行する。初演時に公社が天才だと激賞した特殊ギミックを使った怪作。上のあらすじは初演時の物なので、全然違うものをお出しされるかも。

円盤に乗る場presents NEO表現まつりZ
6/21~23、28~30(会場:旧小台通り防災スポット、おぐセンター、 2Fサロン、梅の湯
共同アトリエ「円盤に乗る場」が主催する演劇フェス。公演とWSで構成される6日間。その中で注目は円盤に乗る派『Pray in the milky night』俳優のふるまいを作品に仕上げるシリーズ新作で、オチモリさんという土地の記憶を巡る実話怪談。TeXi's『どうブツ園』、長期企画の合間に新作短編を発表。死んでしまったキリン、死を止められなかったライオン、飼育されていることに強い嫉妬をもつ飼育員の姿から現代社会への批判を描く。y/n『y/nトライアルズ2』橋本清(ブルーノプロデュース)と批評家・山﨑健太によるユニットの実験的企画、第2弾。二人で一本の新作を制作、上演後観客と制作プロセスを共有し、意見交換をする。

こはるともえ『還暦とピアス』
6/28~30(会場:アトリエ春風舎)
田崎小春、南風盛もえによって立ち上げられた団体。この作品は中嶋梓織(いいへんじ)による新作。佐吉祭で傑作を上演したばかりだが早々に発表する脚本提供作は、ルームシェアしている二人の女性。誕生日を祝おうとするが片方は浮かない顔をしていて、という小ぢんまりしたあらすじだがこの2人が30歳と300歳という設定で一体どんな話!主宰二人+岩井由紀子の演出による上演。

太郎物語『太郎物語の大運動会』
6/29(会場:高円寺HIGH)
キッチュなビジュアルセンスにハイテンポな演出で魅せる女優二人組ユニット。今回は5周年記念のライブ。歌って踊れる演劇ユニットなので音楽パフォーマンス主体の演劇になりそう。前回公演で才能にほれ込んだので、是非とも才能が本物か見てみたい。

なんか、今年の佐吉祭選出団体が多いね(B子、TeXi's、いいへんじの中嶋)。わずか3か月のスパンで、なんというアグレッシブ

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『小劇場賞レース受賞歴一覧1988〜2024』
趣味で作っていた物をnoteで公開します。読んで字の如くのデータの羅列です。早稲田の演劇博物館に行って情報を集めました。

そして公開を記念して

『公社流体力学が、1988年以降の演劇賞レースを語る』
4/13 やりました。

あと今年上演した公社流体力学賞と『上演したら死ぬ演劇』の映像配信準備中。編集も一人でやってるので時間が足りん。

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