さくらももこ展で童心に立ち返る
神戸ゆかりの美術館で開催されているさくらももこ展に行ってきました。
美術館がある六甲アイランドは人工島。道幅が広く緑が溢れてとても景観の良い街だけど、人通りがまばらでいつ来ても若干の寂しさを感じます。街自体はとても綺麗で住みやすそうなので、なんだかもったいない気持ちになる。
間違えて別の建物の駐車場に入ってしまい少し歩くことになってしまったのですが、大きなビルなのに人気が全然なくて戸惑いました。
外に出ると見慣れた建物が。
日曜日の10時過ぎはまだ人も少なく、混雑エリアも多少あったもののじっくりとみて回ることができました。
ちびまる子ちゃんエリアではクラスメイトたちの紹介文と関連した漫画のエピソードが展示されていたのですが、改めて「こんな設定があったとは」と感じることも。
花輪くんが武道の心得があって喧嘩が強いという設定を始めて知りました。金持ちで女性に優しくてケンカが強い平和主義とか高スペックすぎんか花輪くん。
私は小さい頃見ていいアニメが決まっていて、その一つがちびまる子ちゃんでした。特に映画のエピソードが好きで、「私の好きな歌」と「大野君と杉山君」は録画を何回も何回も繰り返し見た記憶があります。
展示されている漫画の原稿を見て、ほとんどが「ああ、この話は小さい頃に見たことあるぞ」と感じるもので。毎週日曜日の6時に母親が夜ごはんを作ってくれているのを待ちながらちびまる子ちゃんを見ていたあの時間を思い出し、心が温まるような寂しくなるような不思議な気持ちが込み上げてきました。
思った以上に、私の生活の中にはちびまる子ちゃんがあったんだな。まるちゃんを見ていると、無性に家族に会いたくなってくる。
撮影可能エリアでは、同じエピソードが漫画とエッセイ両方で展示されていました。文才があって漫画も描ける、さくらももこさん多彩すぎる。
学生時代にもものかんづめは読んだことがあったのですが、もう一度読み返したくなりました。
今回原画や原稿を見て思ったのは、当たり前だけど絵がお上手だという点。
私の恩師はシンプルな絵をデザインする方だったのだけど、それに対して他者からの「自分でも描けそう」みたいな声を耳にすることがありました。
以前読んだ本にも書いてあったのですが、シンプルな絵を描くってとてもセンスが必要な作業だと思っていて。たくさんの選択肢のうちからどの線を描けば美しいデザインになるのか、モチーフの構造や形を理解している人ほど簡略化が上手いと思います。
さくらももこさんの装丁の原画も複数展示されていたのですが、細かいデザインがおしゃれでひとつひとつのモチーフが愛らしく「絵が描ける人だ…!」と圧倒されました。
たっぷり1時間30分ほど滞在し展示室を後にすると、入り口は長蛇の列になっていました。小さい子からお年寄りの方まで本当に幅広い客層で、いかにさくらももこさんがたくさんの人に愛されているかを感じます。
本当はファッション美術館で開催されている切り絵展にも行こうと思っていたのですが、すっかり疲れてしまって今回は断念。思った以上にボリュームのある展示内容だったので、行って良かったです。
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