テート美術館展と長沢芦雪展|大阪の贅沢展覧会はしご旅
気づけばもうすぐ会期が終わってしまう!と例の如くまたしても会期終了ギリギリに慌てて中之島美術館へ行ってきました。
今回の旅のお供本はこちら。
乗り換えを忘れるくらい夢中で読んでしまった。
こちらの感想文はまた後日書きたいと思います。
中之島で同時開催されているテート美術館展(2,100円)と長沢芦雪展(1,800円)。どっちも強気の値段設定だな…!と思ったけど美術展は一期一会、せっかくの機会なので惜しまずどちらも行くことを決意。
どちらのチケットも買うと200円安くなるそうで、知らず行ったので得した気分になりました。
10時の段階でチケット売り場は行列、どちらの展覧会から行くか悩みましたがテート展の方が混むかもと思い先に向かうことに。
こちらは撮影可の作品が多かったので、気に入ったものをいくつか。西洋美術にはあまり明るくないので、作者タイトル云々は置いておいて率直な感想と共に作品をお楽しみください。
展覧会のメインビジュアルにもなっているジョン・ブレットの『ドーセットシャーの崖から見るイギリス海峡』は息を呑む美しさ。
撮影不可だったけれど、草間彌生さんの立体作品も良かったです。外側から見たときと穴を覗いたときの作品の印象が全く異なっていて面白い。
「光」がテーマになっている展覧会だけあって、神々しさを感じ入るというか、心が洗われるような気持ちになりました。
続いては長沢芦雪展へ。テート展がそこまで混んでいなかったので油断していたのですが、芦雪展はとんでもない行列が。会期終了間近だからなのか、テレビで特集でもやっていたのか、年配の方がほとんどでここまで人気の展覧会だとは思わず完全に読みを外してしまいました。
平日だというのにここ最近行った展覧会の中でいちばんの混雑ぶり。絵に沿った行列が全く進んでいなかったので、少し引きで絵を眺めつつ、気になるところは解説を読みに隙間から覗くようにして少し列からは離れて見進めていきます。
芦雪の師である円山応挙と両者の描いた孔雀が並べて展示されていたのが気になり、こちらは近づいてじっくりと鑑賞。
もちろん芦雪も上手いのだけど、円山応挙の牡丹の色合いの繊細さがとんでもない。並べるとやはり師の偉大さを感じます。
応挙の弟子たちが師のタッチや技法を踏襲する中、芦雪だけが加えて自分の形を模索して頭角を現すようになったというエピソードも印象深い。
山間に列を成す鶴の形を美しく見せるために型紙を置いてみたり、黒く染めた紙の上に粘度のある絵の具を使用したりと工夫が見られる。
以前伝統産業を重んじる環境の人と多く接する仕事をしていたので、伝統と革新ってこういうことだよなぁと思うなどしました。
当時は批判もされたんじゃないかな、ガッツあるな芦雪!など心の中でえらそうに知りもしない芦雪に賞賛を贈る私。
最後に絵師たちの居住マップがあったのですが、四条烏丸付近に円山応挙、伊藤若冲、与謝蕪村がご近所で住んでいて、神絵師の居住地エリアすぎて思わず笑ってしまいました。江戸のトキワ荘かな。
お土産に絵はがきを買ってかえりました。
お高めな展覧会だったけど、両方とも行って良かったです。
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