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田坂広志「死は存在しない」光文社

本記事の要約(NotionAIによる)

 田坂広志の「死は存在しない」は、現代科学への批判と死や魂の科学的な根拠の仮説を提供する。田坂は、科学が「説明できないものは存在しない」という立場を取ることを批判し、ゼロ・ポイント・フィールド仮説や量子脳理論などの新しい理論を探求している。また、古代人が直感によって世界の真実に到達した可能性や、宗教と科学が政治によって歪められている問題についても触れている。

田坂広志とは

 田坂広志さんは私から見ると経営コンサルであり政策コンサル。同じく原子力工学の研究者であった大前研一さんとかぶる。

 田坂さんの若かりし頃は原子力工学は日本の最高峰だった。彼は日本最高の頭脳の一つどあることは間違いない。武田邦彦先生も同世代の顕学のひとりだろう。

本書について

 副題は「最先端量子科学が示す新たな仮説」、帯には「死後我々はどうなるのか」とある。

 主な内容は、現代の科学への批判、田坂さんの考える死や魂の科学的な根拠の仮説だ。

現代の科学に対する批判

 今の科学は「説明できないものは存在しない」とする頑迷な立場をとっている。それを揶揄して「科学は現代最大の宗教にすぎない」と言い、ガリレオ裁判を引き合いにだす。

「それでも、地球は回る」ならぬ「それでも、不思議な現象は起こっている」だと。

 心ある科学者は、多数の人が体験している事象があるならばそれを探求すべきだと考えている。たとえオカルトや陰謀論呼ばわりされるリスクを冒してでも。

死や生にまつわる超常現象についての科学的な説明

 田坂広志さんは次のような理論を人の死にまつわる心霊現象のカラクリとしてあげている。

「ゼロ・ポイント・フィールド仮説」、「量子脳理論」

 また、その傍証として次のような過去の研究を取り上げている。

「トランスパーソナル心理学」、「ドイツ観念論哲学」、様々な宗教の経典、宮沢賢治の詩

ゼロポイントフィールド(Zero-Point Field)仮説は、物理学における概念で、空間中に存在する最低エネルギー状態の量子力学的な振動、すなわち「ゼロポイント」のエネルギーを指します。この仮説は、全ての物質と宇宙をつなげる基底エネルギーの存在を示唆しています。

NotionAI

量子脳理論は、人間の意識や思考が量子力学的な現象によって生じるという理論で、意識の本質について新しい視点を提供します。この理論は、脳という物理的なシステムが量子現象に関与することで、我々の認識や経験といった複雑な精神的なプロセスを可能にすると主張します。しかし、まだまだ理解が進んでいない領域であり、研究が続けられています。

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宗教と現代科学の類似性

 古代人は直感により世界の真実にたどり着いていたのではないかと著者は考えているようだ。例えば般若心経の「色即是空、空即是色」と量子力学の量子真空のアイディアは類似する。他の宗教にも似たものがある。

 また、宗教も科学も政治によってゆがめられているという課題についても指摘している(参考

 掛谷英紀さんの近著「学者の正義」)

参考

同書の文春オンラインの記事

光文社「死は存在しない」


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