コザカナ カルシウム

好きなドラマ:「アフリカの夜」「ランデヴー」「王様のレストラン」「ママハハブギ」「うち…

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好きなドラマ:「アフリカの夜」「ランデヴー」「王様のレストラン」「ママハハブギ」「うちの子にかぎって2」 シナリオセンター通信講座作家集団。不惑の年を4年過ぎても、あがきながら生きている。

最近の記事

「レペゼン母」~家族の沼から抜け出すという希望

借金に麻薬、高校生でデキ婚したのに離婚、一念発起して町長選挙に立候補するも落選して失踪… 破天荒な息子(雄大)に振り回され、悩んできた明子が、息子とラップバトルで対話し、家族の沼から抜け出す話だった。 NHKドラマ「お別れホスピタル」で、家族というのもは「近しい人だから抜け出せない、かえって傷つける”沼”」と表現していた。 ホント、家族って厄介。 母である明子は、亡き夫が残した梅農園を維持しなくてはいけないと切り盛りしてきたのに、思春期には食事も一緒にとろうとせず、高校

    • 名前のない関係性がいい~「光のとこにいてね」①

      小説が好きじゃない。 いや、正確には好きじゃなかった。 聴覚優位な私には、字面を追って内容を理解するという一手間が苦手だった。 なのに…である。 Amazonオーディブルという画期的な発明で 聴覚優位者でも気軽に小説を楽しめるようになり、 むしろ今では聞くよりも紙面上の文字を物理的に味わいたいとまで思うようになった。 …と、前置きはここまでで。 何気なく読んだ一穂ミチ「月を経る」(小説新潮2024年2月号)。 「人生の締め切り」「閉経」などのテーマや、オープンエンドの余

      • 小津映画バリの間が味わえる冬ドラマ「春になったら」

        何で1日24時間しかないんだろう…36時間あったらもっとドラマが観られるのに。というわけで、2024年冬ドラマを観続けるものと離脱するものに仕分けしてみた。今回はオススメ編。 「春になったら」オープニングで如何にヒキを作るかにかけている最近のドラマに対して木下惠介の時代から脈々と続くキチンと舞台を見せる手法で逆に新しかった。 高層マンションと昔ながらの下町が同居する佃の町…その昔ながらの長屋風一軒家のポストに年賀状の束が届く。 う~ん、なんて風情がある始まり…と浸っていたら

        • 日曜ドラマ「何曜日に生まれたの」のタイトルって!?

          テレ朝の新設ドラマ枠(といっても2つめだけど)「何曜日に生まれたの」 「日曜の夜くらいは」の岡田惠和脚本からの野島伸司!大御所枠なのか!? 久しぶりに野島伸司のドラマを観たけど、野島伸司要素が満載だった。引きこもりの主人公飯豊まりえの闇は、まさに野島伸司。 ・高校生の時のバイク事故で運転していた男子が死亡(二話見たら死んでなかった!) ・その子がいないために、強豪サッカー部が大事な試合で早々負けてしまう ・マネージャーだったまりえはそのため高校でいじめられる 野島伸司

        「レペゼン母」~家族の沼から抜け出すという希望

          2023年春ドラマ、何を観て何を観ないか~つい観ちゃう編

          新ドラマが出揃ってきた。 今クールのドラマは、何を観るか決断しがたい。 微妙だなぁと思っても、つい観ちゃうドラマもいくつかある。 ということで、絶対に観ると、つい観ちゃうに分けて紹介します。 今回はつい観ちゃう編です! つい観ちゃうドラマ火曜日「unknown」あなたの隣でも吸血鬼が普通に生活している……そんな世界での話。 ポイントは普通にということ。 吸血鬼であるこころ(高畑充希)が、婚約者の虎松(田中圭)に打ち明けても案外すんなり受けいれられる。ルパンの娘みたいに隠す

          2023年春ドラマ、何を観て何を観ないか~つい観ちゃう編

          2023年春ドラマ、何を観て何を観ないか

          新ドラマが出揃ってきた。 今クールのドラマは、何を観るか決断しがたい。 微妙だなぁと思っても、つい観ちゃうドラマもいくつかある。 ということで、絶対に観ると、つい観ちゃうに分けて紹介します。 絶対に観る新ドラマ月曜日「風間公親 教場0」スペシャルドラマで放送された「教場」のエピソード0。風間公親が現場にいた頃の話のようだ。 始めに観た時に赤楚衛二が新人役だったので、風間教官の目の傷は赤楚衛二を助けるために負ったのか?とか、赤楚衛二は「ペンディングトレイン」も出ているのに忙し

          2023年春ドラマ、何を観て何を観ないか

          ついに最終回…ドラマ「星降る夜に」~いつでも誰の前にも、道は開かれている

          大石静さん脚本ドラマ「星降る夜に」が終わってしまった。  第9回は、佐々木深夜(ディーンフジオカ)が妻と子供の遺品整理する話だった。10年間放置してきた家……にもかかわらず綺麗なのは、時々深夜が窓を開けて風を通し掃除して来たから。そのたびに、過去に向き合い、過去に目を背け……辛かっただろう。深夜の口から語られる良い思い出さえ切ない。  第8回では「僕が医者になろうと思ったのは多分復讐のため」と、強烈なくさびを打ち込む。「復讐ってなに?」と思っていたら「妻がなぜ死んだか真実

          ついに最終回…ドラマ「星降る夜に」~いつでも誰の前にも、道は開かれている

          吉高さんの「ち、ちっがうの!」がクセに……ドラマ「星降る夜に」第8話は愛が溢れている

          火曜ドラマ「星降る夜に」 https://www.tv-asahi.co.jp/hoshifuru_yoruni/ 脚本は大石静さん 今週は第8回、雪宮鈴(吉高由里子)が古傷の象徴である伴(ムロツヨシ)と対峙。 柊一星(北村匠)や佐々木深夜(ディーン)だけでなく、みんなから支えられ愛を与えられてきたから、鈴は向き合えた。 しかし、鈴は愛を与えられるだけでなく与えている。 今回一番好きだったのは、心筋梗塞で倒れた一星の祖母を助けた佐々木にお礼を言うシーン。感謝したあ

          吉高さんの「ち、ちっがうの!」がクセに……ドラマ「星降る夜に」第8話は愛が溢れている

          チネリ米だなんて…大石静さんにしか書けない台詞の宝庫~ドラマ「星降る夜に」#7の何気ないシーンの珠玉セリフ

          今クールのイチオシ、 火曜ドラマ「星降る夜に」 https://www.tv-asahi.co.jp/hoshifuru_yoruni/ 脚本は大石静さん 昨晩は第7回が放送された。 伴宗一郎(ムロツヨシ)がマロニエ産婦人科にまで押しかけ、暴れまくる……鈴が古傷と向き合う日も近づいてきた。 と……そんなシリアスな場面も多い回だったのだが…… 一番好きなのは、麻里奈の彼氏の家に鈴が押しかけるシーン。マロニエ産婦人科の仲間が予定外に妊娠してしまった麻里奈のために話をつけ

          チネリ米だなんて…大石静さんにしか書けない台詞の宝庫~ドラマ「星降る夜に」#7の何気ないシーンの珠玉セリフ

          バカリズム脚本「ブラッシュアップライフ」と「殺意の道程」を平行視聴して~日常と非日常のバランス

          「ブラッシュアップライフ」が熱い!! 私の一日はドラマに始まりドラマで終わる。寝る前にスマホでドラマを観るのが幸せなルーティーン。昨夜、ブラッシュアップライフの脚本家バカリズムの「殺意の道程」を見終わった。 平行視聴してみて、バカリズムドラマの特徴は ○笑いとシリアスの対比 ○日常と非日常のバランス だと思う 笑いとシリアスの対比についてはこちら↓ 日常と非日常のバランスバカリズムの面白さは日常と非日常の絶妙なバランスだと思う。 「ブラッシュアップライフ」は、設

          バカリズム脚本「ブラッシュアップライフ」と「殺意の道程」を平行視聴して~日常と非日常のバランス

          バカリズム脚本「ブラッシュアップライフ」と「殺意の道程」を平行視聴して~笑いとシリアスの対比

          「ブラッシュアップライフ」が熱い!! 私の一日はドラマに始まりドラマで終わる。寝る前にスマホでドラマを観るのが幸せなルーティーン。昨夜、ブラッシュアップライフの脚本家バカリズムの「殺意の道程」を見終わった。 平行視聴してみて、バカリズムドラマの特徴は ○笑いとシリアスの対比 ○日常と非日常のバランス だと思う 笑いとシリアスの対比現在第8話……クライマックスに突入するところで第8回は終わった 「ブラッシュアップライフ」 始めはアリクイに生まれ変わらないために徳を積

          バカリズム脚本「ブラッシュアップライフ」と「殺意の道程」を平行視聴して~笑いとシリアスの対比

          ドラマ「星降る夜に」のムロツヨシは大石ドラマ「アフリカの夜」の松重豊だ!!

          今クールのイチオシ、 火曜ドラマ「星降る夜に」 脚本は大石静さん 私の大好きなドラマ「アフリカの夜」の脚本家である。 #6のラストで衝撃的に登場した伴宗一郎(ムロツヨシ)。 雪宮鈴(吉高由里子)が大学病院で命を救えなかった妊婦の夫だ。鈴をSNSで誹謗中傷したり、自宅を特定し窓にコンクリートを投げ込んだり、病院までストーキングしたり、執拗に追いかけている。 大石静さんのドラマは主人公の女性が過去の傷と対峙し乗り越える物語が多い。「星降る夜に」では産婦人科の医師である鈴は、

          ドラマ「星降る夜に」のムロツヨシは大石ドラマ「アフリカの夜」の松重豊だ!!

          ドラマ「星降る夜に」#5を観て「やっぱり大石静さん最高!」と思うこと

          今クールのイチオシ、 火曜ドラマ「星降る夜に」 脚本は大石静さん。 私の大好きなドラマ「アフリカの夜」の脚本家だ。 この夏、仕事を辞めた私は これまでやりたくてもやれなかったことをやろうと決めた その一つが「アフリカの夜」の文字起こし このドラマが放送されてから23年間。辛い時、このドラマを観て励まされてきた なぜこんなに好きなのか分析するための手段として文字起こしをした 「アフリカの夜」の詳しい話は、以前NOTEに書いたので 興味がある方は読んでみてください……

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          小説嫌いの私が小説を読むようになった理由~綿矢りさ「勝手にふるえてろ」

          昔から小説が嫌いだ。嫌いというより、苦手に近い。登場人物が誰が誰だかわからなくなる。外国の小説なんて本当に苦手だ。 そんな私が最近、小説を読むようになった。というより、読むことができるようになった。 きっかけは、アマゾンオーディブル。小説は嫌いだったものの、小学生の頃から、ラジオドラマは大好きだった。きっと私は聴覚刺激が優位なんだろう。 洗濯物を干しながら、庭の草を抜きながら、お風呂に入りながらオーディブルで読書する。最初は、エッセイとか実用書の類いが多かったが、試しに

          小説嫌いの私が小説を読むようになった理由~綿矢りさ「勝手にふるえてろ」

          ドラマ「夕暮れに、手をつなぐ」~水族館デートはラブストーリーのテッパン

           第3回は、浅葱空豆(広瀬すず)と海野音(永瀬廉)がそれぞれ別の相手と水族館デート。  音がデートしている姿を見つけてしまい、ショックを受ける空豆。雪平爽介(川上洋平)がそんな空豆の横顔を愛おしく見ている。ドラマ「星降る夜に」でもそうだったけど、自分以外の何かに心が動いている女の横顔に男は惹かれるのだろう。  恋愛ドラマのデートと言えば、ハンバーガー屋、映画、動物園、遊園地、そして水族館。水族館のデートの画は、とても映える。  水族館でキラキラ光るクラゲを見ている広瀬すず、

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          ドラマ「星降る夜に」第3回感想~琴線に触れるセリフが魅力の大石ドラマ

          大石静脚本「星降る夜に」 1999年放送大石ドラマ「アフリカの夜」が大好きな私は、アフリカとの共通点を探してしまう。大石さんのドラマの惹かれるところは、何と言っても琴線に触れるセリフ。どのドラマのどの回も、必ず大石さんらしいセリフがある。 頑張ってもどうしようもないこといっぱいあるよね鈴の古傷は、自分の判断で患者と赤ちゃんが亡くなったこと。そして、第3回では、同僚の佐々木医師がその時の遺族だったことが明らかになった。 一星は、遺品整理で亡くなった方の大切な物を大切な人に

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