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『SING/シング:ネクストステージ』とメタバースの未来

SING/シング:ネクストステージ』を見てきました。大ヒットした『SING/シング』の続編でもあり、B'zのボーカル稲葉浩志の声優デビュー作品としても非常に注目されている作品。

豪華な楽曲

今回の見所も、前作同様何といってもふんだんに使われる洋楽の名曲たちでしょう。たとえば、アリアナ・グランデのヒット曲”Break Free”。日本では坂本真綾さんとトレンディエンジェルの齋藤さんが歌います。

そしてなんといっても、B’z稲葉浩志がカバーするU2の曲”I Still Haven’t Found What I’m Looking For”。ミスチルにも影響を与えたとされる名曲、圧巻のシーンとなっています。

VRの世界

さて、実は最近私は「Meta quest2」というVRゴーグルを購入しました。これがとってもすぐれもので、Amazon Prime VRや、YouTube VRというアプリを使えば、仮想の巨大スクリーンで映画や動画を見ることができます。これが非常にありがたい。

しばらくVRで遊んでいて思ったのは、『SING/シング:ネクストステージ』の世界はまるでVRの世界みたいだなということ。たとえばSINGの世界の登場人物は発する言葉や行動こそ人間ですが、姿かたちはみんな動物。これはまるでVRのアバターのようです。

そして、『SING/シング:ネクストステージ』のエンタメのスケールのデカさ。ステージひとつとってもこの↓デカさです。

「本予告より https://www.youtube.com/watch?v=D-J-VNADUu4」

もちろんステージだけではなく、本編を見ていただけたらよりわかっていただけると思いますが、とにかく一つ一つの舞台演出・舞台装置のドデカさが半端ない。このスケール感がこの映画におけるミュージカル・シーンの満足感を限界まで高めてくれます。

しかし、これらのミュージカル。実際の劇場では絶対に再現不可能なのではないでしょうか。なんといっても資源はそこまで無限ではありません。よっぽどの大資本かき集めれば不可能ではないのかもしれませんが、やはり不可能といっていいでしょう。しかし、これもVRだと考えれば将来ありうる話です。

現にMVのレベルだとすごいクオリティのVRが存在します。たとえば、YOASOBIの『大正浪漫』のMV。大正浪漫のMVの世界観を味わえます。これを現実世界に作ろうとしたら大変です。

そして極めつけはAdoの『夜のピエロ』のVR。近未来の都市を歩いている気分になれるとんでもないMVです。これこそまさにエンタメ巨大都市そのもです。

2022年の今ですらこのレベル。もし、メタバースというものが今後さらに発展していけば、リアルの世界でも『SING/シング:ネクストステージ』とほぼ同様のスケール感のエンタメミュージカルが体験できる日が来るかもしれません。

現状のVRのクオリティを見ていると、全然ありえない話ではないでしょう。そう考えると未来のミュージカルシーン、未来のミュージカル映画シーンが大変楽しみになってきます。はたしてどんな作品を生み出してくれるのでしょうか。

高所恐怖症は生きづらい世界

一方で、『SING/シング:ネクストステージ』を見て思ったのは、もしメタバースが発展世界に生きることになったら高所恐怖症の人(つまり私)にとっては大変生きづらい世界になるだろうなと思いました。

たとえばエレベーターを登るシーンひとつとっても、とんでもない高さ。そしてガラス張り。もし私であれば乗るだけで発狂してしまうでしょう。

そして現に2022年現在のVR世界もなかなか高所恐怖症には厳しいものがあります。先ほど紹介した『夜のピエロ』のVR・MVも空を飛んでいるような景色でした。

下を見ると底のない世界。高所恐怖症の私は強い恐怖を感じるため、じっとずっと楽しむことはできませんでした。これは結構あるあるでキズナアイのVR映像も同様の無限の高さの空を飛ぶような映像でした。

ほかにも、旅行動画のようなものを楽しもうと東京観光VRを見たとき。いきなり冒頭のシーンから、ドローンの視点。しかも東京タワーの側面を高速で駆け上がるところから始まったのです。これは、あまりの恐怖に吐きそうになりました。

今ですらそんな状況なのですから、今後メタバースが発展した際、高所恐怖症の人にとって地雷だらけの世界になることはまったくありえない話ではありません。

自己啓発の意味が変わる

さて、そんな世界ではもしかしたら高所恐怖症という言葉は存在しなくなるかもしれません。というのも、小さい頃からVRに慣れ親しんでる人々は今の私のようなザ・高所恐怖症になることはないでしょうから。

そんな世界でも高所恐怖症のような感覚を持つ人はいるでしょう。そんな人は周囲の人には理解されず、ただの臆病で勇気のない人として評価されているかもしれません。

彼は社会的に成功することはできず、成功するためにセミナーに通っているかもしれません。臆病を乗り越えるためのセミナーでは、今の世界で言う高所恐怖症の克服のための訓練が行われているのでしょう。

それはまったく非科学的な、非人道的なものかもしれません。きっと大声を出しながらジェットコースターに乗らされたりしてるのでしょう。もしかしたら未来の自己啓発とは高所恐怖症の克服のことをさしているのかもしれないです。

最後に

『SING/シング:ネクストステージ』の話をしていたら、メタバースでの高所恐怖症の話に飛んでしまいました。ただ、今後メタバースを発展させていくのであれば、Meta社は高所恐怖症の研究をめいいっぱいして治せるようにしてあげてほしいなと思います。そうすればみんな楽しめるので。

VRに触れて未来のエンタメシーンが楽しみな今日この頃。特にミュージカルがVRで楽しめるようになったらいいなと私は思います。



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