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美人の人妻を探しにきたんとちがいます

僕が見る淫らな映像は絶え間ない絡みの芸能でといえばサザンオールスターズの最高傑作「女神達への情歌」、傷を隠さないでいいのはOh my裸足の女神、私の知る限りで一番でっかい女神はニューヨークにいます。クイズに正解すればニューヨークへ行ける夢のような時代が随分昔のことのようです。

上記どの女神もおそらく鎮座されてはいないのですが、祭神が皆さん揃って女神である神社が河原町五条を一筋下がったところにある市比賣神社。「いちひめじんじゃ」と読みます。花房観音さんの小説のなかに市比賣神社が出てくるお話があります。確か京都の支社へ異動になった男性会社員がある日、市比賣神社でものすごい美人と出逢うのですが、その美人は支社にいる、うだつのあがらない年上の部下の奥さんで・・・という、実に興奮するお話でした。最終的に男性はその奥さんの自宅で男女の関係になるのですが、その行為を押し入れの中から誰かが覗いている、という、いやいや、「誰か」ってもちろん・・・。奥さんはその「誰か」が押し入れにいるのを知ったうえで男を呼び寄せ、行為に及ぶわけです。なんでやねん。

しかし小説の持つ力とはすごいもので、私はあの作品を読んで以来、市比賣神社へ行くたびにあの男女の物語を思い出してしまうのです。

「いちひめ」という名前に引っ張られてか、あるいは祭神が全員女神だからなのか、わかりませんが、女人守護のご利益で知られていますので、男一人でお参りするのは少しばかり勇気がいります。花房観音さんのあのお話を読んでからというものの、神社の人たちに「あの人、男一人でお参りにきはって、ひょっとして花房観音さんのお話みたいに美人の女の人がお参りしてるの期待してはるんやろか〜」などと思われていないか気になってしまいます。「市比賣」という漢字からも推察できる通り、もともとは「市場の守護神」なんですが。

かわいらしい、だるまを思わせる「姫みくじ」が有名で、神社内にある天之真名井には大量の姫みくじがイクラみたいに置かれていますが、それとは別に「おとう鈴」というトイレのお守りもあります。鈴の清々しい音色がご不浄を祓うといわれています。「おとう」は「トイレ」のことです。古くは建物の東方にお手洗いを建てると家が栄える、と言われたため、トイレは「御東」と呼ばれたそうです。「東司」と言ったりするのも同じ由縁でしょうかね。古くから、妊婦さんがトイレで掃除をすると、安産で元気な子供を授かるといわれているのだと市比賣神社のホームページで読んで知りました。そうでなくともトイレはあらゆる人の集まる場所に欠かせない場所ですから、トイレを守ってくださるお守りが尊いことは言うまでもありませんが、「おとう鈴」が一体2000円すると聞いて何を感じるかは人それぞれなのではないかしら。

そういえば、トイレにいるのも、それはそれはキレイな女神様でしたね。

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