営業のK

此処では創作ホラーや長編ホラー、そしてジャンルに縛られる事なく好きなものを書いていきた…

営業のK

此処では創作ホラーや長編ホラー、そしてジャンルに縛られる事なく好きなものを書いていきたいと思います。 たとえ需要が無くても・・・・。 だから、有料でお読み頂く事は全く考えておりません。 全て無料で・・・・。 あしからず・・・・。

最近の記事

体重が増える

人間は死ぬと僅かながら体重が減るのだという。 これは昔から色々と実験されている現象らしいのだが実際のところ、それは魂が身体から抜け出た事で軽くなってのだという説と別に科学的な説もあると聞くが誰もが納得する結論というのは出ていないのではないだろうか。 俺としてはその現象は魂が出てしまったから、という理由に賛成したい。 実際のところ、魂という物自体に重量があるのかも分からないがその方が何となく自然の摂理に沿っている様に感じるからだ。 それではこういう事例はどうだろうか? ある日、

    • 黒い石

      石には本当に沢山の種類が存在している。 それこそ1円の価値も無い石から高価な値段が付く石まで。 しかしそれはあくまで人間の、いや経済的な希少性に過ぎない。 実はもっと別の意味が含まれているのかもしれないし何も無いのかもしれない。 俺が子供の頃、石集めに夢中になった時期があった。 近くの河原で採取できる石は大きさこそ様々だったがそのどれもにツルツルとした石の表面の下に奇妙な模様が不規則的に散りばめられていた。 とてもきれいな石・・・。 ただそれだけの感想だった。 だから俺はその

      • Yという後輩

        高井さんの高校時代の後輩にYという男性がいた。 高校時代は同じ美術部の先輩・後輩という関係だったが、しばらく東京を離れていたYが再び東京で暮らし始めてからは頻繁に連絡を取り合う間柄になった。 そんなある日、久しぶりに会って積もる話でもしようか、という事になり酒の席で高井さんはYから不思議な話を聞かされた。 その日Yは仕事の残業が長引いてしまい結局終電ギリギリで最寄りの駅に帰ってきた。 トボトボと自宅アパートへと歩いていると電柱の陰に誰かが立っているのが見えた。 時刻は既に午前

        • もりしお

          もしもあなたが不可思議な現象に遭遇しているとしたら、どうするだろうか? 神社やお寺に駆け込み助けを求める・・・。 霊能者と自称する人に助けを求める・・・。 護符やお守りを手に入れて身に付けたり家中に貼ったりする・・・。 それも決して間違いとは言わないが世の中には良い方ばかりがいるわけではない。 名ばかりの寺社も多いし霊能者にいたっては殆どが偽者でホンモノを見つけるのは至難の業であり、最悪な事に自称霊能者の殆どは勘違いな金の亡者だ。 霊験あらたかな護符やお守りを手に入れる事は出

        体重が増える

          不慮の死

          これはブログ読者の佐々木さんから聞かせて頂いた話になる。 鹿児島県のとある地方都市に先祖代々、海産物を扱う仕事で財を成し、かなり裕福な暮らしをしている一族がいた。 そして現在の当主である男性が古くなった家を取り壊して新しく家を建てる事にした。 古くなったとはいえ敷地は広く建物自体も巨大なものだったが流石に老朽化が進みそのまま住み続けるのは危険だと判断した。 その際、先祖代々の家を取り壊す事に後ろめたさを感じ何とか改築で対応出来ないかと模索したようだがそもそも家の根幹部分が既に

          不慮の死

          怖い映画館

          これは俺自身の体験談。 どこの地方都市にもあるのかもしれないが金沢市にも場末の寂れた映画館があった。 成人映画しか上映しない18禁の映画館は男性客しかおらずお世辞にもきれいな映画館とは言えない場所だった。 そんな場所にどうして行こうかと思ったのかと言えば仕事関係の方から聞いた夢の様な話に起因している。 「あの映画館はガンガンに冷房が効いているし座席のクッションも厚めでフッカフカ。おまけに煙草も吸い放題ですから夏場の昼寝には最高の場所ですよ」 そんな情報を聞いたのだ。 しかもそ

          怖い映画館

          お墓から聞こえる・・・。

          知り合いの霊能者であるAさんから以前こう言われた事がある。 亡くなられた方がお墓の中でじっと動かないなんてある筈ないでしょ・・・と。 確かにそうなのかもしれない。 魂だけになりある意味自由になった故人が愛する家族や友人に会う為にお墓の中に鎮座してひたすら待っているなどとは考えにくい。 ではお墓参りは時間の無駄なのか? それは否だと思っている。 お墓は大切な人を亡くした方にとって心の拠り所であり支えになっている場合もある。 いつでもお墓に行けば亡くなった人を感じられる・・・。

          お墓から聞こえる・・・。

          新世界

          夫婦と2人の娘、そして義母の5人暮らしで暮らしている星野さんの家に異変が起こり始めたのは昨年の夏。 ちょうど、それまで同居していた義父が亡くなりつつがなく葬式を執り行い先祖代々のお墓に納骨して10日程経った頃だった。 昼間、午後2時~3時頃の間に家の中からクラッシック音楽が聴こえてきた。 最初は外から聴こえてくるのだと思っていたがそれにしては音量が大きい。 だから試しに外へ出て聴こえるかどうかを確認してみたところ、家の外ではクラシックどころか音楽など全く聴こえなかった。 それ

          エレベーターの隣の部屋

          俺も大学時代には旅行の添乗員のバイトをやっていた時期がある。 今ではツアーコンダクターとも呼ばれるのかもしれないが・・・。 友人からの紹介でバイトをやり始めたがその頃の旅行社が企画するツアーというのはホントに豪華で添乗員の俺もそのご相伴に預かったものだ。 そもそもバイト代はそれほど高額でもなかったがお土産屋に立ち寄れば帰りにこっそり謝礼という名の袖の下を渡してくれたし参加客に親切にしただけでチップのつもりなのかお小遣いと呼べない程の高額なお礼を手渡してくれた。 その中でも宿泊

          エレベーターの隣の部屋

          生き返る日

          人は死ぬとどうなるのか? これは永遠のテーマでもある。 何しろ死んでから再びその姿でこの世に戻って来た者など1人もいないのだから。 よく臨死体験をした者があの世を見て再びこの世に戻って来たという話を聞くがその方は本当に一度死んだのだろうか? 死にかけただけで死んではいないのだとしたらあの世など見て来られる筈がない。 いや、そもそもあの世というもの自体が存在している保障など無いのだから。 つまり情報が何も無いという事は死んだらどうなのか?は誰にも分からない。 そして人というのは

          生き返る日

          回転寿司

          津坂さんは30代の独身女性。 WEBデザイナーとして仕事に追われる彼女は彼氏もおらず結婚する気も無い。 取り立てて趣味と呼べる事もしておらず休みの日は基本的に自宅マンションで映画を観ながらのんびり過ごすだけ。 そんな彼女の唯一の楽しみがお寿司屋さん巡りなのだそうだ。 ただやはりそれ程の高給取りでもない彼女にとって寿司といえば回転寿司になってしまうまは仕方のないところだろう。 彼女は大手チェーン店の回転寿司も好きなのだが一番好きなのは自分でネットで検索し新たに回転寿司店を開拓す

          回転寿司

          ハムスター

          ハムスターには霊感や霊的な能力は無いと思いますよ! これは俺の知り合いの霊能者Aさんから何度も聞いた事がある言葉。 確かに犬や猫、狐や狸に纏わる霊的な話や怪異譚はよく耳にするがハムスターに関するそれは一度も聞いた事が無いしハムスターの幽霊も視た事が無い。 ハムスターの寿命は約2年間ほど・・・。 それに対して猫や犬は何も無ければ10年以上は生きる。 そしてキツネや猫は長生きすればするほど妖怪化すると思っている。 という事はあまりにも寿命が短すぎるのが要因なのかもしれないが。 そ

          ハムスター

          ロンダリング

          フリーターをしている佐戸さんは決まったバイトには就かずその時その時で一番割の良いバイトをするようにしていた。 その方が思いもよらず高収入なバイトに出くわすチャンスがあったから。 確かにそれまで彼女がやって来た治験や葬儀関係のバイトは他のバイトに比べて格段に時給が高かった。 しかし、やはり物事には程度というものが存在する。 だが知り合いを通じて打診してきたそのバイトの報酬に目が眩んで彼女はそのバイトを引き受けてしまった。 バイトの内容はルームロンダリング。 借り手がつかない瑕疵

          ロンダリング

          第11章 首くっくりの山へ・・・。

          あの女性が来てからというもの恐怖も怪異も何も起こらなくなった。 あの時渡された包みの中にはビリヤード球くらいの水晶とA5サイズの護符らしき和紙が入っていた。 きっとその力が凄いという事なのだろう。 お陰で心安らかに山での時間を過ごし無事に下山する事が出来た。 この状態が続いているうちにすぐに動き出さなければ! 最初に向かうべき神社は既に迫田が調べ上げていた。 俺は体力を温存する為にバスではなくタクシーでその神社の近くへとやって来た。 そして丑三つ時になるまでは近くの食堂で晩飯

          第11章 首くっくりの山へ・・・。

          第13章 援軍・・・。

          ホントニ・・・セワガヤケマスネ・・・。 そんな声が聞こえた瞬間、俺の身体は静かにゆっくりと降下していくのを感じた。 身体が地面に着いた時、俺は初めて眼を開けた。 そして俺の足元に立っている少女がいる事に気が付いた。 顔を見た俺は思わず悲鳴を上げそうになる。 あの少女が俺の足元に立っている! 最初は確かにそう思った。 顔も髪型も全て同じだった。 しかしどうも少し違う・・・。 着ている物がまるっきり違ったのだ。 アレが古めかしい着物を着ているのに対してその少女が着ているの

          第13章 援軍・・・。

          第12章 決戦へ・・・。

          短いホームの端には木製の階段がありそれを慎重に降りた。 ほんの10段にも満たない階段だと思って降りているといつまで経っても階段が終わらない。 どうやら階段はどんどん増殖を続けており一体どこまで続いているのかすら分からなくなる。 何が目的かは分からないがはっきり言って趣味が悪すぎる・・・。 だがそれ以外にルートも無く俺は仕方なくその階段を降り続けなければいけなかった。 階段の横の壁は最初は古い木の壁だった。 しかし下りていくにしたがって木の板は岩肌に変わりまるで洞窟の中を下

          第12章 決戦へ・・・。