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(希望の新聞HOPE)個人から始まる地方創生 − 釣りの学校が手がける二拠点生活のすゝめ

(この記事は2022年10月に発行された『希望の新聞HOPE』のアーカイブ記事です。当時の情報をそのまま掲載しているため、現在とは状況が異なる場合があります。あらかじめご了承ください。)

 地方創生、まちづくり、田舎暮らし。地域を盛り上げようとする取り組みは多いが、持続した成功事例は少ない。人の暮らしに関わる課題だからこそ、地方創生にはコミュニケーションや経営に関する深い理解が求められる。

 その課題と正面から向き合い始めた団体がある。大阪を起点に、釣りを通して人とつながる取り組みを手がける「釣りの学校」だ。今年七月から三重県紀北町にも拠点を構え、副代表の林啓一郎さんが二拠点生活に挑戦している。
「大阪で仕事をしながら、三重でも新たな仕事を生み出そうとしています」

 二拠点生活には、都会の喧騒を忘れて地方でリフレッシュするイメージが強い。しかしそれでは人と接する機会がなく、信頼や応援が生まれないと林さんは語る。
「良いとこ取りで信頼は得られません。苦労を共にすることも人間関係には大切だと思います」
 ゴミ拾いや神社の清掃、ご近所さんの手伝いなど、釣り以外の活動にも林さんは積極的だ。

 旅行ほど浅くなく、移住ほど深くない、緩やかなつながりを意味する「関係人口」という言葉がある。釣りの学校が目指すのは、地域の仕事や雇用につながる関係人口の創出だ。
「ビジョンは先々までありますが、まずは人間関係が大切です」
 最近は拠点のDIYに挑戦しながら、ご近所さんとの物々交換や釣りの学校のイベントなどの交流の機会も増やしている。

「ないものを憂うのではなく、あるものを愉しむ。田舎暮らしや地方創生を一緒に楽しんでくれる人がいたら嬉しいですね」
 本当の地方創生は、目の前の一人を大切にすることから始まるのかもしれない。

釣りの学校 HP

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