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(希望の新聞HOPE)新しい「学び」の実現に向けて 〜堀内菜々美さん〜

(この記事は2023年2月に発行された『希望の新聞HOPE』のアーカイブ記事です。当時の情報をそのまま掲載しているため、現在とは状況が異なる場合があります。あらかじめご了承ください。)

「私の目指す教育の形は、『子どもたちに希望を持ってもらう』こと」
 そう力強く語るのは、大阪教育大学 2 回生 堀内菜々美(ほりうちななみ)さんだ。将来の目標は、幼稚園児や小学生を対象とした初等教育の「学校を作る」こと。その目標のために、経済産業省の「未来の教室」実証事業に採択された企業から委託を受けて公立中学校学習プログラムの作成や、NPO 法人の役員を務めながら無料学習塾事業の一つである「寺子屋Teller(てらあ)」を立ち上げ、その運営を学業と両立させている。

 「子どもたちが希望をもてる教育」を目指すきっかけは、幼稚園の頃までさかのぼる。堀内さんは、3 歳までインターナショナルスクールに通っていた。そこではどんな表現をしても先生や周りから返ってきたのは、「クールだね!」。堀内さんの表現を「尊重」する言葉だった。ところが、家の事情で転園した日本教育の幼稚園では、自分の表現が「評論」される言葉に変わってしまう。

「なんでカエルが⻘色なのかな? カエルは緑色だよね。描き直そうか」
心の思うままにカエルの絵を描いて言われたこの言葉に、堀内さんはとても息苦しさを感じた。
「ものすごくショックでした。今でも覚えているぐらい。これ以来、幼稚園が面白くなくなって行かなくなりました」

 一番大事にしたいのは、「子どもたち自身が自分のことを知り、自分で物事を決定できるようになることだ」という堀内さん。自分で自然と気がつけるよう導き、環境を整えることが、大人の役割であり教育のあり方だと力強く語る。

 幼稚園での体験を筆頭に、父親の仕事柄、生まれ育った兵庫から、神奈川、山口と転校を繰り返してきて、地域や先生によって教育内容の質が変わることも不思議に思った。特に印象深かったのが「探究学習」。地域によって、興味持ったものへの純粋な探求授業をする学校もあれば、受験のための単なる自習時間とする学校もあり、「この違いは一体何なのか?」と学校教育に対して疑問を深めていった。
「本当の『学び』とは、自分で興味を持ち、探り、検証し、結果を出し、その結果から次に進む方向を導きだすもの。だからこそ、没頭もでき『楽しいもの』になると思うんです」

 堀内さんと福幸塾との出会いは1年前。じゅくせいの東柊太さんとイベントで知り合ったことがきっかけだ。あえて“勉強を教えない塾”と称する福幸塾と、新しい学びのカタチづくりに挑戦したいという思いが重なり、福幸塾の「START プロジェクト」に加わる。「教育分野における起業家の先輩となるじゅくちょうとの仕事が自分の『学び』となった」と堀内さんは語る。

 大学で学びつつも、過去に体験して「違う」と思って掲げた教育の理想を実現するための行動は惜しまない。堀内さんのその姿こそ、希望の未来を支える形のひとつだ。

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