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怒り散らしながら求めていたのは「穏やかな心」 【プロ資格マニアの軌跡】

繰り返し書いていることですが、私は介護後に燃え尽き症候群になっていました。介護中に排卵が止まったり、耳が悪くなったり、仕事を失ったり、友人を失ったり、年配の人から責められたり、体重が8キロ減ったりしました。

現実を変えたいけれど、どう変えたらいいか分からない。
せめて、過去のどの段階で失敗をしたのかを探り、同じ失敗をしないようにと合理的に考えられるようになれば、と試行錯誤して泥沼にはまったこともあります。

やがて湧いてきたのは「怒り」。
おそらく、自分を立ち上がらせるための起爆剤として、なにか激しい感情が必要だったのでしょう。それは、喜びでも嬉しさでも、あるいは口惜しさや深い悲しみでもよかったのかもしれませんが、私の中では「怒り」が大きかったです。

立ち上がるために必要な怒りも、いつまでも抱えていると疲れます。

しかしながら、怒りを手放してしまうと、自分のよりどころがなくなってしまいそうな不安もありました。健康を損ね、人からはぼろくそに言われ、私の足元はとっくに崩れている。何に寄りかかって立てばいいのか……

きっかけは忘れましたが、私はいつからか、過去に好きだった歌を口ずさむようになりました。耳が悪く、変な音に囲まれるようになっていましたので、記憶のなかから歌詞とメロディーを引っ張り出して歌います。特によく歌ったのは、"The Battle Hymn of the Republic"=リパブリック賛歌、"What A Friend We Have In Jesus"=いつくしみ深き、"Cotton fields"でした。

怒りでもない、虚しさや諦めでもない、心を楽しくさせてくれる音楽に触れて、だんだんと分かり始めましたました。

私が怒り散らしながら求めていたのは「穏やかな心」だったのだと。
怒らなくてよい日々。ゆっくり寝られて、ご飯を美味しく食べられること。落ち込んで無気力になるのとは違う、豊かな凪の海面のような心。

冷蔵庫が散らかっていることに怒り散らすのではなく、「食べ物があってありがたい」と思える日々。仕事中に話しかけられてイライラするでのはなく、「気にかけてくれてありがとう」と思える日々。それこそ私が欲しかったものだと感じたものです。

さて、オーディション番組として知られる "Britain's Got Talent"は、動画を公開しています。
"Only Boys Alound"が歌った "Calon Lan" を視聴したのはいつごろだったかは、もう忘れました。

この歌は、ウェールズ語で次のように歌っています。

Gofyn wyf am galon hapus,
Calon onest, calon lân.

英語に訳すと次のような意味だそうです

I ask for a happy heart,
an honest heart, a pure heart.

贅沢な暮らしや黄金を求めるのではなく、「こういう心の在り方を求める」ということの意味が、今ならすごく分かります。すごくすばらしい歌ですが、ウェールズ語がなかなか難しいです。。。


ずっと後のことですが、もう1つ好きな歌ができました。それは映画 "The Greatest Showman" の劇中歌 "From Now On" です。

主人公が「何のためにサーカスを作ったのか」を思い出し、もっとも大事な家族のもとに帰ると決意する歌です。

河野陽炎の本とコンサルティング


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