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プラネットログ まとめ

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宇宙を舞台に、船に乗ってお仕事ドラマ! 遠い未来のいつかあるかもしれない出来事。 某海外の宇宙ゲームを参考にしています。
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プラネットログ 001

≪これより、最終卒業試験を開始する≫  男性の声のそのアナウンスを聞いて、私は気を引き締めた。  パイロット養成機関の最終卒業試験。それは、特定のルートを通る航行テスト。宇宙に漂う信号を捕捉、解析する調査テスト。そして、無人機を敵機に見立て撃墜する戦闘テスト。この三つを内包した操縦テストである。 ≪次、テオドール・ハイネン君≫  待機場所からゆっくりと機体を上昇させ、宇宙ステーションの出口へ。出口からゆっくり出て、コックピットで呼吸を整える。 「こちら、テオドール・ハ

プラネットログ 002

 西暦五〇二一年三月二十一日。午前九時二十六分。ハマル星系、大型第一宇宙ステーション。――通称コニハ・ステーション。  その十一番パッドに到着した私は機体の中から燃料補給を頼み、ヘルメットを脱ぐ。そのまま機体から降り、同じパイロットが集まるデッキにエレベーターで向かった。 「ここがコニハ・ステーション……大型とは聞いていたが、これほどまで大きいとは」  球体を模した多角形型のステーション。その大きさは小型から大型まで、ありとあらゆる機体を停めておくことができるサイズだった

プラネットログ 003

「うわ……っと、」  機体が超高速モードから高速モードに入る瞬間、出てきた恒星に少し驚いたが機首を恒星から宇宙空間に向けてから左のパネルを開く。  表示される大量の信号を、フィルターを通してステーションだけ表示するようにする。すると、複数個に絞られた信号の中に目的の宇宙ステーションを見つけることが出来た。宇宙ステーションの信号に合わせて、機体を動かした。 「ここからコロニー・ダイダムまでは大体十分ってところか……」  モニターに出る速度計を見ながら、所要時間を算出する。