認知症の始まり

第一章 認知症の始まり
「認知症の始まりは、こんな形でやってきた!」

「50万円がない!」「あんたじゃろう?」
初めて疑いの罵声が私に向けられたのは2年ほど前。

驚きとショックで言葉を失くしました。
「なぜ私が疑われるの」
父が亡くなり、遠方で一人暮らしの母の老後を考え、一緒に暮らすことを決断した私が、何故そんなことを言われるのか…」

その時の母の目は、普段の母とは別人。母の罵声と悲嘆の叫びのあと、思わず
「私は盗ってない!!」と大声で言い返しました。

それでも「あんたしかおらん!!」その疑いは翌日もその次も続きます。

それでも、日常のくらしは変わらずやってくる。三度の食事、お風呂、その他諸々。何事もなかったかのように、明るくいつもと同じ自分を演じ続けました。

誰にも言えない💦
主人にも子どもにももちろん。
誰にも言わない。
私だけの胸に収めておく。
そう決めて、亡き父に「お母さんを守ってあげてね」と祈りました。

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