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読書感想文【小さく分けて考える】菅原健一著

こんにちはコウカワシンです。

今回は、菅原健一(すがわら・けんいち)さんの著書【小さく分けて考える】から学ばせていただきます。

本書は、「目的や目標を小さく分解して、やるべきことを明確にし、無駄を省いて成果を出す」ための考え方を教えてくれる本です。

「売り上げを上げたい」

「お客様が求めているのは何だろう?」

「何でうちのチームはうまくいかないのだろうか?」

と考えたことはないでしょうか?

仕事だけでなく人間関係がうまくいかないということも、何か理由はあるのだけど、原因が漠然としていて解決のしようがないと思うことがあることでしょう。

しかし、本書は「小さく分けて考えるという分解思考」を実践すれば、悩む時間と無駄な頑張りを80%も減らすことができるとしています。

なぜ「分解思考」が時間もかけず小力で成果が出るのか?

「分解思考」がなぜ、悩む時間を減らし、無駄な努力をしないで、成果を出せるかというのは次の理由からです。

  • ピンスポットで課題に取り組めるから

  • 物事の解像度が上がるから

  • ケースバイケースで適切な説明ができるから

ピンスポットで課題に取り組めることで、やみくもに頑張ることがなくなり最大の結果を出すことができます。

これはつまり、生産性が上がるということです。小力で生産性が上がれば、もっと大事なことに時間を使うことができます。

物事の解像度が上がるのも分解思考ならではです。

たとえば「売り上げを上げたい」と思っていても、「なぜ売れないのか?」という原因があいまいだと手の打ちようがありませんよね。

ですが、「売り上げが上がらない」原因を分解するだけで、課題の解像度が上がってきます。

たとえば「お客さん(ターゲット)」「商品単価」「リピート率」「利益幅」「薄利多売路線」「高級志向」といった具合に課題がハッキリすると対策が取りやすいでしょう。

課題がハッキリすると、ケースバイケースで適切な説明ができます。

どのようなケースでも分解思考が有効です。とくに競合相手が多い業態であるならば、価格競争に巻き込まれ、限られた人材で対応しなければならないため疲弊してしまうのではないでしょうか。

ですが、うまく他社と差別化できる解決法があったなら、ヘタに価格競争に巻き込まれずに済み、オンリーワンになることも可能です。

ただ「売り上げを上げろ」と言う上司に対し、現状報告を兼ね差別化できる解決法をプレゼンスするためには、まずは問題を分解するべきでしょう。

分解すると伝わりやすくなるのです。

「分解思考」で考えるには何が必要か?

効率よく「分解思考」で考えるためには次のようなことが必要です。

  • 分解思考フローチャート

  • かけ算で分解する能力

  • 枠を広げる意識

まず大事なのが「分解思考フローチャート」をつくることです。

フローチャートというのは、プロセスやシステムの動作などを視覚的かつ論理的に表した図表です。流れ図とも言います。

たとえば、「理想の自分になる」ということでフローチャートをつくるとすると、スタートになるのが、[やりたいことや理想の状態があるか]です。

Yesであるなら[それをなぜやりたいか]でさらに分解します。(「やりがい?」もしくは「ステータス?」といった感じです)

Noであるならまずは[目標となる人]を挙げてみることです。(何人でもOK)

さらにその人がなぜ理想なのかを分解します。(「生き方?」「お金?」「持ち物?」「家族?」「時間の使い方?」など)

そうするとYesの方向の問いとNoの方向の問いで見えてくる共通の課題が新たに見えてきます。

それらを解決するために必要なスキルと条件は何かをさらに深掘りしていくのです。(たとえば、就職/起業/資格/家族/仲間/お金/住む場所など)

そしてそれらをいつまでに何をそろえれば理想の状態になるかを時間で分解することも大事なことですので、フローチャートに記していくのです。

「かけ算で分解する能力」とは、上手に分解するための大事なスキルです。

なぜかけ算かというと、「数字にすることで目標とする数値に届きやすくなるため」「かけ合わせることで、想像しえない発想が出てくるから」「あいまいな基準を要素分解できるから」です。

「数字?」といわれてもピンとこないでしょうけど、たとえば売上アップを考えた場合に「3+2=5」と足した分だけ増えるたし算よりも「3×2=6」のように倍で増えていくかけ算のほうが結果を出しやすいです。

それから、かけ合わせることで新たな発想を生むことがあります。たとえば「体にいい」と「ビール」をかけ合わせた特定保健用食品のノンアルコールビール飲料など、予想外のアイデアが生まれる下地ができます。

さらにかけ合わせることで、あいまいな基準を要素分解もできます。

たとえば「クオリティを上げて欲しい」というとらえようのない要望が出たとしても、「その数値を構成する要素は何か?」とか「新たなアイデアを出すために様々なものをかけてみる」とか「抽象的なものを具体的にする」といった作業で達成できます。

「枠を広げる意識」も必要です。

たとえば先ほどの「かけ算で分解する能力」を発揮するためにも枠を広げる意識はかなり重要です。

例をあげると、「駄菓子屋さんで売るアイス」×「駄菓子屋さんではコーンポタージュスープ味が人気」=「コーンポタージュ味のアイス」が生まれました。

このようにアイデア出しをしたいときに、たくさんの選択肢があったほうが、これまでに見たことや想像しえなかった発想が出てきます。

そうするためにもあえて「反対をとる」という意識を持ち枠を広げる努力をしてみるべきです。

たとえば、「数字⇔感情」「短期⇔長期」「おもしろい⇔堅実」というようにそれぞれにスポットを当てることで、反対、反対の反対、反対の反対の反対・・・・・・と考えていき、思考の面積をどんどん広げていくのです。

どうすれば「分解思考」をスムーズに実行できるか?

やはり、生身の人間が考えることですので、杓子定規では長続きはしません。

そのためにも次のようなことを心得ておけば、スムーズに「分解思考」を実行していけます。

  • 目的や目標は途中で変えてもいいという柔軟さを持つ

  • 長期スパンで考える

  • 情報を知る

誰であっても未来のことはわかりません。途中で状況が変わることがあるかもしれません。

ですので、「目的や目標は途中で変えてもいいという柔軟さを持つ」ことが大事です。

さらに「長期スパンで考える」ことも必要ですね。

分解思考をスムーズに行うためにも、分解する材料はたくさんあったほうが有利です。

そのためにもできるだけたくさんの「情報を知る」ことが分解思考を行う上で大きな助けになってくれます。

分解思考がいまいちピンとこないというなら、メジャーリーグで活躍する大谷翔平選手が実践したマンダラチャートを見てみてください。

あれは大谷選手が高校時代に将来の夢をかなえるために考えた分解思考の良いお手本です。

分解思考は誰でもが目的や目標を最短かつ最小の努力で達成するために必要なスキルです。

「伸び悩んでるなあ」「将来の展望が見えてこない」「自分はいったい何をやるべきなのか」と悩んでいる人は、この際に本書で「小さく分けて考える」を意識してみてはいかがでしょうか。


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