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読書感想文【シンク・クリアリー】ロルフ・ドベリ著

こんにちはコウカワシンです。

今回は、ロルフ・ドベリさんの著書【シンク・クリアリー】から学ばせていただきます。

本書は、「よりよい人生を歩むための思考法」を知るためのハウツー本です。

たった一つしかないかけがえのない人生を有意義に送るためには、今現在の自分が置かれた状況を冷静にとらえ、しっかり自分で考えて軌道修正しながら行動することが大切です。

そのためにも、まず「行動する」ことが重要なのです。

なぜ「行動する」ことが人生をよりよくするのか?

それでは、何を置いてもまず「行動する」ことが重要かを見ていきたいと思います。

それは次のような理由です。

  • 案ずるより産むがやすしだから

  • 「行動する」ことで自分を知ることができるから

  • 「完璧な計画を立てる」ことより「ただちに軌道修正できる」技術のほうが大事だから

「案ずるより産むがやすし」という言葉があります。物事はあれこれ心配するより実行してみれば案外たやすいものであるという意味です。

計画はするもののなかなか行動できない人が多いです。しかし、物事はまず実行しないと新たな気づきがありません。

行動すれば、自分を知ることもできます。

たとえば、自分が何が好きか、何が不得手で何が得意か、それから人生において自分は何を求めているのかを知るには、いろいろと思い悩むよりも何かを始めてみるのが一番です。

物事を始めるにあたり入念な計画を立ててから始めるのがいいという人がたしかにいますが、どのようなことも計画通りにいかないことの方が多いです。

ですので、まずは行動に移し、早いうちに軌道修正をするほうが完璧な計画ができるのを待ち続ける人より得るものが多いのではないでしょうか。

つまり、「完璧な計画を立てる」ことより「ただちに軌道修正できる」技術のほうが大事なのです。

間違いない行動実行には何が必要か?

まず「行動する」ことが大事なのはわかりますが、できれば間違いない行動実行をしたいものです。

それには次のようなことが重要です。

  • 未来は不透明であるという意識

  • 決断力

  • 謙虚さ

世界中見わたしても先行きを完全に予測できる人はいません。先が見えるのは、特定方向の数メートル先までということです。

ですので、「未来は不透明であるという意識」をあらかじめ持つべきです。

そのような意識を持ったうえで、予測できる境界線の先を見たいのであればその場に止まらず、前に進まなければなりません。

たしかに石橋を叩いて渡るくらいな慎重さはなければいけませんが、ある程度考えることはいいとしても、思い悩むだけでは物事は1ミリも動きません。

つまり、思い悩むことは「思考の飽和点」に達しているということでしょうけど、明らかになった事実をすべて机の上に置き、短期間でも集中して考えてみれば、大きな気づきがあるはずです。

ですので、自分にとって意義ある行動を取るためにも「決断力」という武器が必要です。

この「決断力」という武器は、自分にとってよりよい取捨選択をするためのスキルでもあります。

よりよい決断力とは、「不要な心配事を避ける」ことや「解決よりも予防する力」、「相手の身になってみる」ことを含みます。

よりよい決断をする目安として、「5秒で決断できないことはやめる」ことを著者はすすめています。

なぜ「5秒」なのかですが、時間はとても貴重だからです。

頼みごとをされ、その無理な要求を検討する時間は、きっかり5秒間と区切るのです。

たしかに相手の身になってみることは大切なことですが、その要求は確実に自分の貴重な時間や自由な意思を奪います。

ですので、「5秒ルール」を身につけ、きっぱりとした決断をすべきでしょう。

「謙虚さ」も必要です。

というのも、いま自分が存在するのは、偶発的な遺伝子のかけ合わせだからです。

たしかに人それぞれ生い立ちは違いますが、知能や性格、自分が内向的か外向的か、几帳面かだらしないかというのは、偶発的な遺伝子のかけ合わせによって生み出されたものです。

「いや違う。自分は猛烈に働き、何ごとにも積極的に取り組み続けた結果として今の自分を手に入れた」という意見もあります。

しかし、本書では自分が手に入れた成功のうち個人的な成果が占める割合は「ゼロパーセント」だとしています。

つまり、自分の成功は本当の意味で自分自身が手に入れたものではないということです。

ですので、おごり高ぶらず常に謙虚であるべきなのです。

いまの自分があるのも、いま自分が手にしているものも、いま自分ができることも、すべては目に見えない偶然のおかげなのだと心に留めることが大事なのです。

それを踏まえて、成功の一部を恵まれない遺伝子を持って恵まれない地域の恵まれない家族のもとで生まれた人たちに惜しみなく分け与えることも大切です。

それが、他者から見て良識のある謙虚さを持った人物と映ることでしょう。

どうすればよりよい行動が身につくか?

それでは、どうすればよりよい行動が身につくかを見ていきたいと思います。

本書から探ると次の通りです。

  • 現地点の自分を知る

  • 物事を全体的にとらえる

  • 簡単に頼み事には応じない

現地点の自分を知ることはとても重要です。

人は自分のことを高く評価しすぎるという「自己奉仕バイアス」が働き、実際の自分より優秀で美しく頭がよく成功した自分像をつくりがちです。

そのようになると、許容範囲を超える大きなリスクをおかしてしまうばかりか、自分のことを最重要人物のように勘違いしかねません。

それを避けるためには、現地点の自分を知ることが第一にすべきことです。

本当の自分を知りたければ、人生のパートナーや長年の友人のように、自分に理解があって、気を使わずに正直な意見を聞かせてくれる誰かに尋ねてみることです。

それよりもっといいのが「日記」をつけることです。何年も前の自分のことを書いたことをときどき読み返してみると、きっとその内容に驚くことでしょう。

自分の矛盾や欠点や闇の部分も含め、できるだけありのままの自分を見つめるのも、よい人生にしていくためには不可欠だということです。

自分が誰かがわかっていれば、なりたい自分になれるチャンスも大きくなるというものです。

「自分が誰か」も含めて物事を全体的にとらえるという思考も重要です。

というのも、「特定のことについて集中して考えているあいだは、それが人生の重要な要素に思えても、実際に思うほどには重要なことでも何でもない」というフォーカシング・イリュージョンに惑わされるからです。

たとえば、著者の経験談として「寒いスイスに住むよりは暖かいマイアミに住んだほうが幸せだ」と思いマイアミに住んでみても幸せは変わらなかったということがあります。

さらにいえば、車を購入するときや、就職先を選ぶとき、夏休みをどこで過ごすかをを決めるときなど「何かを比較して、選択しなければいけない」状況では、私たちは「たったひとつの要素」だけに注目し、ほかの要素をなおざりにしがちです。

ですので、特定の要素だけに意識を集中せず、物事を全体的に見る意識を持ったほうがいろいろな場面で決断を誤らずに済みます。

意外ですが、簡単に頼み事には応じないということも重要です。

というのも、人は頼み事をむげに断れない「好かれたい病」にかかっています。

その頼み事が「ちょっとしたことなのでつい深く考えずに引き受けた」ということはないでしょうか。

でもあとになって頼み事にOKしたことを「何で引き受けちゃったんだろ?」と腹立たしく思うことだってあるはずです。

しかし、人間関係を良好に保つためには、ある程度の譲歩も必要でしょう。

そこで、頼み事を「受ける」「受けない」といった判断基準を常に持っておくことは大事なことです。

よりよい人生を歩むためには、常にいろいろな判断や決断という取捨選択をして自分の利益になるための行動を強いられます。

でもそれは決して、他者から見て利己的だと見られたら、よりよい人生を歩むのに障害となるでしょう。

そうならないためにも、自分の中での判断基準をしっかり持つべきです。

そのためにも本書は、よき教師になってくれると感じます。

一度、読んでおいて損ではない一冊です。








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