見出し画像

職員が講師となる社内研修

全国非営利法人協会では毎月、課題図書を決めて社内研修を実施しています。特徴は専門家ではなく、職員が自ら講師を務めている点です。

一般的に、文章を読むことは新しい知識を得るための主流の方法ですが、この方法だけでは知識の定着率は約10%にとどまるという説があります。しかし、当社の社内研修では、自ら研修講師として他の人に教えることによって、知識の高い定着率を目指しています。講師を務めることは、受講するよりも遥かに大きな学びと成長の機会をもたらすため、個人の能力開発と組織全体の知識向上を図っています。

今月は(令和6年2月)は広報企画部でカスタマー・サクセス(CS)を担当している私(福井)が講師として野村総研の田中達雄さんが書いた『CX戦略: 顧客の心とつながる経験価値経営』(東洋経済新報社)の序章、第一章について解説しました。
その概要を紹介します。


はじめに: CXの重要性

現代のビジネス環境では、消費者の期待が高まり、市場競争が激化しています。このような状況の中で、カスタマー・エクスペリエンス(CX)は企業にとって重要な差別化要因となっています。CXとは、顧客が製品やサービスを通じて得る全体的な印象や体験のことを指します。企業が成功を収めるためには、顧客の期待を超える独特な価値を提供し、顧客満足度を高めることが不可欠です。

CXの実践事例: ベストバイ vs サーキットシティ

このスライドでは、家電量販店のベストバイとサーキットシティを事例に取り上げ、CXの取組みが企業の運命を左右することを示しています。サーキットシティが市場から撤退した一方で、ベストバイは顧客中心の戦略を採用することで業界のリーダーとしての地位を確立しました。この比較から、CXへの投資が長期的なビジネス成功に不可欠であることがわかります。

CXとは何か?

CXは、製品やサービスの機能を超えた価値、つまりは心理的・感情的な価値を顧客に提供することを意味します。顧客が感じる心理的、感情的な満足が企業のブランド価値を高め、顧客ロイヤルティを構築します。良いCXは顧客がポジティブな感情を経験することを保証し、悪いCXは顧客の不満や離反を招きます。

東京ディズニーリゾートとスターバックスのCX事例

東京ディズニーリゾートの「シェフ・ミッキー」とスターバックスは、優れたCXを提供する企業の例です。これらの企業は、製品やサービスを通じて顧客に感動を与え、記憶に残る体験を提供することで成功しています。シェフ・ミッキーでは、食事だけでなく、ディズニーキャラクターとの交流を通じて顧客に喜びを提供しています。スターバックスでは、一貫した品質のコーヒーと共に、居心地の良い空間と親切なサービスで顧客体験を高めています。

全国公益法人協会におけるCX

このスライドでは、書籍の内容を当社の全国公益法人協会会員サービスが提供するセミナーや相談サービスに当て嵌めています。CXにはプラスのものだけでなく、マイナスとなる悪い体験価値もあります。マイナスのCXはサービスそのものに変わりがなかったとしても解約につながることがあります。それは顧客にとって価値ある体験を創出することが、顧客満足度を高め、組織の信頼性を築く上で重要であることが示しています。

まとめ

CXへの注力は、品質の高い製品やサービスを提供することだけではなく、顧客との感情的な結びつきを深めることにより、企業が市場での競争力を維持し、成長を遂げるために必要です。CX戦略を効果的に実施することで、顧客は企業からの価値提供を感じ、これが顧客のロイヤルティや再購入の意欲を高めます。企業が提供する製品やサービスの背後にあるストーリーや感情的なつながりを大切にすることが、顧客満足とビジネスの成功に直接的に寄与するのです。

企業は、顧客が直面する課題を解決し、彼らの期待を超える体験を提供することで、競合他社との差別化を図ることができます。これには、従業員の教育、プロセスの最適化、テクノロジーの活用など、組織全体での取組みが求められます。最終的に、CXへの取組みは、顧客との長期的な関係構築に貢献し、企業の持続可能な成長を支える基盤となります。

文責:広報企画部 福井

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?