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【あなたの文章、実は「読みにくい」かも?】文章をぐっと読みやすくするコツ(2011年8月号特集)


係り受けだよ文章は

文節は意味が分かる最小の単位

 文は文節に分けられます。文節は、意味が分かる範囲で、できるだけ短く切ったまとまりです。
 文節に分ける方法は簡単です。合いの手を入れて読めば分けられます。
「私は(ねえ)たらこの(ねえ)パスタが(ねえ)好き。」
 はい、できました。
 多くの文節は、あとにある文節に係ります。これを係り受け関係と言います。
「書くことは楽しい。」
 この場合、 「書くことは」は「楽しい」に係っています。

入れ子構造にすると読みにくい

係り受け関係が入れ子構造になっていると、読み手は非常に苦労します。

僕は山本が佐藤が受賞したと電話したのかと思った。

 とてつもなく読みにくい文章です。図1を見れば分かるとおり、係り受け関係が入れ子になっているからです。
 では、入れ子構造を解消しましょう。

佐藤が受賞したと山本が電話したのかと僕は思った。

 入れ子構造を解消し、係り受け関係を近づけましたので、かなり読みやすくなりました(図2参照)。

実に多くの係り受け関係が

 係る文節は、複数ある場合もあります。図3を見てください。三つの文節がすべて「吠えた」に係っています。
図4はどうでしょうか。かなり複雑になっています。

 私たちは文を書くとき、これほど多くの係り受け関係を作っているわけです。係り受け関係を意識しなくても、文は書けます。しかし、知識として知っておかないと、係り受け関係がおかしいのに気づかない、気づいても直せないということになってしまいかねません。

係り受けは複雑になりがち

語順は自由と言われても

係る言葉は長い順に

 膠着語である日本語の場合、語順は自由に決めてかまいません。この点で、語順が重要となる外国語(たとえば英語や中国語)と日本語は大きく異なります。

僕は君が好きだ。
君が僕は好きだ。

 いずれも正解です。
 では、以下の三つの文を一つにした場合はどうでしょうか。

十年前に読んだ本
古びた本
厚い本

A:十年前に読んだ古びた厚い本
B:十年前に読んだ厚い古びた本
C:古びた十年前に読んだ厚い本
D:古びた厚い十年前に読んだ本
E:厚い十年前に読んだ古びた本
F:厚い古びた十年前に読んだ本

 いずれも文法的には問題ないですが、読みやすさは格段に違います。一番いいのはAですね。Bもぎりぎりセーフ。しかし、C〜Fは変ですね。その差はどこにあるのでしょう…

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