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【不定期更新!】文芸コンテスト情報ニュース(2024/5/10版)


文学賞発表情報

 今月も文芸公募のニュースをお届けします。5.10朝に更新の予定でしたが、「太宰治賞」が本日、最終選考で、結果は即日、発表されるということで、今、待っています。発表になり次第、ここでもお知らせします。

第23回女による女のためのR-18文学賞

 応募は女性に限定、新潮社の女性編集者が第一次〜第三次選考を担当した後、窪美澄さん、東村アキコさん、柚木麻子さんが選考。その中から大賞と、友近賞が決まった。
 友近賞はお笑いタレントの友近が選ぶもので、第14回から設けられている。

入選作
大賞 「息子の自立」広瀬りんご(応募時ペンネーム:広瀬苹果)
友近賞 「君の無様はとるにたらない」神敦子

 出身者は彩瀬まる、山内マリコ、窪美澄、町田そのこなど有名作家がごろごろ。今年、本屋大賞を受賞した宮島未奈もOB。応募者、予選委員、選考委員もすべて女性(性自認が女性の人)。女性だけの選考会はなかなか激しい議論が交わされるという噂です。想像すると、ちょっと怖い!

第32回小川未明文学賞

応募数553編(短編作品309編、長編作品244編)の中から、下記のとおり大賞と優秀賞が決定しました。

入選作
大賞 「如月さんちの今日のツボ」(長編作品)古都こいと(東京都在住 鍼灸師)

優秀賞 「まよいねこトラと五万五十五歩」(短編作品)やすふみえ(千葉県在住 大学教員)

 小学生を読者対象とした児童文学作品を募集しています。短編部門(小学校低学年向け)は400字詰原稿用紙換算20枚~30枚、長編部門(小学校中学年以上向け)は400字詰原稿用紙換算60枚~120枚。過去の受賞作を見ると、大賞(100万円)は長編部門から選ばれていますね。優秀賞(20万円)は実質、短編部門最優秀賞という位置づけのようです。どっちも得意という方は長編部門に応募したほうがお得のようですね。

第21回二十四の瞳岬文壇エッセー募集

あさのあつこほか計3名の選考委員により、応募総数773編の中から下記のように入賞が決定しました。

入選作
最優秀賞 「勇気のかけら」(選択テーマ「勇気」)さいきけいこ(京都市 61歳)
優秀賞 「天の家族」(選択テーマ「家族」)本田美徳(寝屋川市 61歳)
優秀賞 「母の忘れ物」(選択テーマ「忘れ物」)阿部松代(川崎市 57歳)

 毎年、テーマが三つ出題され、いずれか一つを選ぶ形式です。第21回は「家族」「勇気」「忘れ物」でした。上位3編でテーマのかぶりはありませんでしたが、かぶっている年もありますので、たまたまだったようです。第22回の課題は「感謝」「学校」「時計」です。

 データ原稿でも原稿用紙設定を推奨している数少ない公募。原稿用紙設定でなくても20字×20行で応募します。以前、取材したときに理由をお聞きしたところ、「400字詰原稿用紙3枚半以上4枚まで厳守」という規定があり、原稿用紙と同じ体裁でないと確認しづらいというのが理由のようでした。

 以前は、原稿用紙設定のデータ原稿は文字がパラパラして読みにくいと評判が悪かったですが、Wordの原稿用紙設定はとても読みやすいですね。枚数がかさむので長編には向きませんが。

第40回太宰治賞

 応募総数1405編。筑摩書房の社内で選考を進め、120編が1次選考通過、22編が2次選考を通過。荒川洋治、奥泉光、中島京子、津村記久子の5氏の選考により、以下のように最終候補作が決定しました。

候補作
蒼生 行「フォルムレス・ヒール」
敏伊佑季「アニサキスと何処迄も高い月」
市街地ギャオ「メメントラブドール」
村上岳「堆積するもの」

 太宰治賞は1965年創設。一度中断する第14回までに吉村昭、金井美恵子、宮尾登美子、宮本輝らを輩出。太宰治没後50年の1999年に、三鷹市共催で復活し、津村記久子、今村夏子を発掘しています。

 太宰治を冠にしているということで純文学系の文学賞に数えられますが、受賞作を見るとゴリゴリの純文学という感じではなさそう。
今年の受賞者はどんな作家になるでしょうか。注目していましょう。

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