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#金曜ビター倶楽部

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金曜の夜に、ちょっぴりビターな空気に浸りたい。苦さも甘さもあるのが人生でしょう?たまには苦い夜もある。
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私だけが知る、約束の行末。

「35歳になってもお互い独身だったら、その時は結婚しようか」 未練を残しながら別れたカッ…

好きでいてもいいですか?

って聞きたかったけど、やめた。 いいよって言って欲しいだけのエゴだってわかってたから。聞…

あなたに何かあったとき、1番に呼ばれるのは私でありたい。

著名人の訃報を聞いたり、事件や事故で誰かが亡くなったり、"死"を身近に感じたとき、無性に好…

心の穴に触れあいたいの。

紙の書籍を新たに購入したので、本棚の整理をした。 7年ほど前に購入した懐かしい本に手が止…

いつか同じ景色を。

「紅葉が池に写って綺麗ですね」と私が呟くと、先生もまた「立派な庭園だね。物語の中にいるみ…

傘をさしてくれた人。

忘れられない人がいる。名前も知らないどこかの誰か。恋ってわけじゃない。けれど、心に何かを…

金曜日は、いつも雨。

今週も雨だ。 真っ暗な空に、冷たい雨。金曜日は、いつも雨。 まるで私の心を映しているようだ。 華金だ!なんて言う予定もない。仕事は上手くいかないし、恋人ともなかなか会えていない。可愛いあの人みたいに文章が書けるでもなく、あの人みたいな強烈に引き付けられるイラストが描けるでもない。PV数を気にせず淡々と"好きだから"で続けられるあの人たちのような才能も、ない。ない。ない。何もない。 ないものを数えたってなんにもならないのに、いつもないものばかりに気が付いてしまう。空

思い出のその先には、それぞれの人生を。

インスタントのコーヒーを入れて、ふぅ、とソファに腰を下ろす。 連日の自粛に暇を弄びながら…

おめでとうで飲み干して。 #君のマフラーの隙間

柔らかそうな淡いブルーのマフラーを、彼女であろう女の子に巻いてあげる男の子。顔を赤らめ、…

凪いだ心に映るのは、本当の自分。

「好きだったのは、あなたじゃなく         あなたのステータスだった。」 好きだと…

羨ましかったの。

柔らかくてツヤのある髪も、白くてハリのある肌も、華奢な肩も、細い腕も、まっすぐな長い脚も…

赤いタンバリンを鳴らす君。

"あ〜好きなんだろうな、あいつのこと" わかりやすいほど目をハートにして、彼女はあの日、赤…

あなたとまた、ふたりで。

「恋の始まりは、オオゼキでした。」 30歳もとっくに過ぎ、周りの人たちが次々と結婚していく…

ちっとも謎めいてなくたっていいから、ずっと私だけのヒーローでいて。

私にとって、彼はヒーローだった。 つまんない日々を極彩色に染めてくれた、優しくて、謎めいたヒーロー。 「謎が多いほうが面白くない?知っていくのはゆっくりでいいんだよ」 そう言った彼は、本当に謎の多い人だった。 仕事もなかなか教えてくれなかったし、名前を聞いてもはぐらかされた。いつも飄々としていて、広い空を漂う雲みたいに掴みどころがなかった。 知りたくて、知りたくて、もっと知りたくて。 のめり込むように好きになっていったんだ。 少しずつ、少しずつ知っていき、何年も何年