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夏のかけらはまぶしかった


台所のポットのように
こぽこぽ沸いた

まちの歩道も
公園のベンチも
こぽこぽこぽこぽ
こぽこぽ沸いた
八月だった

牛乳とおとうふと
ポケモンパンと
吊り下げお菓子
あれとかそれとか
手にさげて




老いの身のように
よたよた歩いた

腰に当たる保冷材が
少し休もうよと言う
よたよたよたよた
よたよた歩いた
八月だった

すれ違う人はみんな
夏のかけらになった
ずっと忘れないよ
ひとつひとつの
あなたのかけら



*****



ひとやすみひとやすみしながら
歩いてお買い物に行った
ある夏の日のこと。
おしりをぺちぺちたたかれて
たたかれるから進めた気がします。
行き交う人々は日傘の下で
目を合わすことなく
急ぎ足。
誰もが暑い暑い、あぁ暑いと
ころん・・・

・・・夏のかけらを落としながら。


noteの住人さんたちも
二度と戻れない
2023年この夏、まぶしいかけらを
そっと落としてくださいました。
充実したnoteでの夏でした。
いつもずっと、今日も
ありがとうございます。

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