スゥアンクゥアンスゥイウォン
ふた月前に切った髪が少し伸びた。
癖のないまっすぐな髪に
生まれてそう時間がたっていない日が当たると
疑いもなく春を感じる。
ある日、わけあって名乗れないがと言いながら
使いらしき者がやってきた。
聞き慣れた声に和んでいたら
早々にお帰りになってしまった。
さりげなく触れたつもりであったけれど
などと思っていたら使いらしき者は振り返り
嗅ぎなれたにおいを漂わせてうふふとお笑いになって
ふたたび背を向けてお帰りになった。
なんとゆうか懐かしみのある風来坊のようなお方。
がしっ