【資料】少年文学研究会「私達の望みを聽いてください」『お伽の森』1912年
巻首に世の中の多くの文学者や、教育家諸賢は、少年文学に対してどう云ふ考へを有つて居られるであらうか、それを問ふ前に私達は先づ眞面目に此の事に就て研究して見る必要があつた。少年文学が兎も角も世の中に云爲されるやうになつたのは、昨日今日の事ではない。書籍に雑誌に、其他種々なる形式の下に、頗る盛況に、発展しつゝあるのは事実である。併しながら其の盛況に對して、世の識者はどんな態度をもつて、どんな意見をもつて此の少年文学を取扱つて居るか。殊には雨後の筍も啻ならざる勢ひをもつて、世に出