収穫@ことのは農場

物書きを目指す収穫のnote。 アイコンはTwitterでお世話になっている「りば」さ…

収穫@ことのは農場

物書きを目指す収穫のnote。 アイコンはTwitterでお世話になっている「りば」さんより賜りました。 BOOTH https://syukaku.booth.pm/

最近の記事

I don’t know I don’t care All I know is you can take me there

 タイトルはOASIS「Slide away」の歌詞を一節抜き出したものだが、どうも歌詞カードにはないものらしい。しかしいい文句だと思う。願わくばわたしもどこかに連れて行ってくれることだけを身に抱いて、一生どこかに連れて行ってくれる人間の一人を見つけてみたいものだ。  しかし粘り気のある地獄については経験があるので、いささか賛同しかねる。 Take me there!

    • 『亡靈の唄』の次回作に対する展望を語る

       『亡靈の唄』の次回作は小説にするつもりでいる。仮題はあるがわたしだけの秘密だ。誰にも話さない。  意識はしていなかったが、どうも『カンタベリー物語』の様相を呈している。これがそのまま採用となるか、要らぬと断じられるかは、まったく作品の裁定一つである。  わたしは作品を「産む」物書きであって「書く」物書きでない。物書きという呼称から矛盾していると自認こそしているが、それはわたしが「作家」と呼ばれたくないゆえものである。  「作家」と呼ばれたくない理由は伏せておくが、とにもか

      • 気が付けば。

         置いていかれたのか、それともわたしが置いていったのか。とんと分からぬ。しかしわたしを追う者が在るのは事実らしい。結果は言うにや及ぶ、少し考えれば想像のつくことだから。  わたしを罪人に仕立て上げようとした人体スクラムとその関係者連中と出会ったおよそ15年の星霜で、すっかり忘れてしまっているようだから再宣言しよう。  わたしの数年有余の記憶のあちこちに、痛ましき悪意と畜生のような暴力で顔を出した血のあとはなおも残っている。  本当にわたしを望んだように仕立てなくてよかったと

        • 新たなる俸給のために、すべてを帰す時。

           この数日有余は論理の足跡さえ見えない。  わたしが陰ったことに、状況の悪化に嗟嘆する人々の慈しみに触れ、今一度踏ん張らねばならぬと決意する。それが今日の日を色付けた。  未だこそこそとしている恥ずかしい影が、わたしの靴を黒く惨く汚すことがなければいいのだが……。

        I don’t know I don’t care All I know is you can take me there

          新たなる俸給のためと。

           旋律は何本にもブレて見える。  それだけしか語れぬこの真夜。

          新たなる俸給のためと。

          棘、水銀、呪詛は現の調度品。

           つやのある的の周辺に矢は無数。

          棘、水銀、呪詛は現の調度品。

          新たなる俸給のために。

           わたしなる「定位置」の安息。

          新たなる俸給のために。

          新たなる俸給のために……

           明日よ。わたしの肩を掴んで睨む者の怒りは理解している。  しかし現今において何か施しをしてやれる状態ではない。あともう少しだけ待ってくれ。  どれほど求めても来ないものを追っているようなものなのだから……。

          新たなる俸給のために……

          新たなる俸給のために(束の間の安心)

           わたしの周囲に水銀など要らないのだ。

          新たなる俸給のために(束の間の安心)

          またも拒絶。ああ、何度同じことを。 わたしを監視している暇があるのか? その幸福を満たす水が隣にあるはずなのに、よそ見をする余裕がどこにある? 数年前に自分の意思で棄てたもののはず。 他人の振りをしてわたしを見張るのは、これで最後にするべきだ。

          またも拒絶。ああ、何度同じことを。 わたしを監視している暇があるのか? その幸福を満たす水が隣にあるはずなのに、よそ見をする余裕がどこにある? 数年前に自分の意思で棄てたもののはず。 他人の振りをしてわたしを見張るのは、これで最後にするべきだ。

          新たなる俸給のために(夜を日に継ぐ)

           たった一度でいい。うたかたのような村よ、わたしを受け入れる余地があってもいいではないか。  未だ追われるこの身を憂い、もう一度だけ。

          新たなる俸給のために(夜を日に継ぐ)

          新たなる俸給のために(幾星霜)

           不安が眠りさえ妨げなければいいだけなのだ。

          新たなる俸給のために(幾星霜)

          新たなる俸給のために(無明長夜)

           望んで捨てたものにいつまで執着しているのか。  早く大人になれ。

          新たなる俸給のために(無明長夜)

          第一詩集『亡靈の唄』発売について

           かねてより告知をしておりましたが、わたしの第一詩集『亡靈の唄』を本日5/18より販売いたします。  一度読んでいただけたならば、わたしが他の作家とは一線を画す文体、壮大で幻想的な表現世界を陶冶する物書きであることがお分かりになると存じます。  電子書籍のみの販売ではございますが、是非ともお買い求めいただけますと幸いです。   無料サンプルはこちらから 本編(¥400)はこちらから 収穫のBOOTHはこちらから

          第一詩集『亡靈の唄』発売について

          新たなる俸給のために(n日目)

           霧だけが見える。

          新たなる俸給のために(n日目)

          ボードレール「結婚は人生の墓場」の出典を検証してみた

            はじめに 世間には「結婚は人生の墓場」という成句がある。  調べてみると、この成句の出典はフランスの詩人シャルル・ボードレールの詩集『悪の華』であるとする言説がインターネットに数多く存在している。  彼ら曰く、この「結婚は人生の墓場」とは邦訳の際に生じた誤訳の産物であって、本来「誰彼構わずまぐわう恋愛はやめて、墓のある教会で唯一愛した人と結婚しなさい」という説諭だったという。だが「結婚などしようものなら人生が墓場となる」という意味にとらえられて翻訳された結果、本来誤訳で

          ボードレール「結婚は人生の墓場」の出典を検証してみた