『解体屋ゲン』 ＃3 プロローグ3 ぶっきらぼう
今年の夏は暑い！そんな中、季節外れのスキーの話です。実は最初の４回が掲載されたのは2002年の４月から５月にかけて、やはり季節外れでした。これは最初に４週枠をもらえるという話が来た時は11月スタート予定だったのが、何故か掲載が半年延期されたからです。その理由は今でも知りません。漫画界あるあるですね。
それで一つ困ったことが起きました。既に４話分のシナリオは出来上がってます。このままだと主人公の格好が冬支度で掲載時の季節と合ってないのです。そこで石井氏が生み出してくれた苦肉の策は「主人公は１年中タンクトップで首にてぬぐいを巻いている」というキャラクター作りでした。
はじめて聞いた時は「えっ！？」と耳を疑いました。だってスキー場でタンクトップですよ。でもこれがゲンさんというキャラクター…傷ついた過去を抱え、特殊技術を持ちながらも大雑把で力強い…が決定的に固まった瞬間でした。漫画という表現方法の自由さ、みたいなものを私はよく分かってなく、ちばてつや氏の元でそれを学んだ石井氏には見えていたんだと思います。 ＜続く＞
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