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『解体屋ゲン』 #19 鉄球解体

鉄球は男のロマン!解体業を調べてゆくと、大体どこかでこの鉄球(モンケン)にぶつかります。ただ、騒音規制や危険性の問題があって、当時でも現場で使われることはほとんどないことが分かったのですが…。

それでも漫画冒頭にあるように、人気のない現場で煙突や古いレンガ造りの建物を壊す時にはまだ鉄球が使われており、数十年前だと土蔵を鉄球で解体するのは珍しくなかったという話を聞きました。

当時の担当さんの花澤さんはとても映画好きで、鉄球を使いたいというと映画「突入せよ!あさま山荘事件」の話をしてくれました。あさま山荘に人質を取って立てこもった連合赤軍の犯人たちに対し、機動隊が突入するときに鉄球が使われたこと、映画でそのシーンが再現されていること。それも参考にしました。

ここで当時のドキュメンタリー映像が見れます。
https://youtu.be/qAquLql17SA?t=242

ところで、クレーンはあくまでも題材であって話のテーマは「どこにでも悪いヤツは居る」ということです。特に金に関しては一見善良そうな顔をして人を騙そうとする人間がどれだけ多いことか。

今回の話でいえば、ヒデはきちんと蔵が空になったことをチェックしています。

でもヒデは写真を撮っていない。現実の現場でも要所要所を写真に収めるべきですが、中小企業で小さな現場だとあまりきちんとやってないところが多いみたいです。そこを悪いヤツに突かれてる訳です。こうなると言った言わないの水掛け論ですし、今回のように現物があると立場は弱いですよね。

とかくお金に困ると、人はどれだけでも汚く、ずる賢くなれます。長く生きてるとそういう話を沢山見たり聞いたり、自分が巻き込まれたりします。今回の話の肝は、ゲンも光も一貫してヒデの言うことを信じることです。まだ勤めて日が浅く、借金があるヒデだけど、嘘をつくような人間ではない。一緒に働いてゆく中でゲンも光もそれを感じています。相手が嘘をつくような裏表がある人間かどうか、普段一緒にいると大抵分かるようになるものですよね。

ゲンたちがどのようにケリを着けるのか、本編でご確認下さい。 <続く>







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