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『解体屋ゲン』 #24 社員管理

みなさんは整理整頓がきちんとできますか。私は出来ません。自分の部屋は資料が足元から積み上げられ、ベッド以外は座ることもできない惨状です。でもリビングやキッチンは綺麗に片付けています。それは家族のスペースだからで、子どもに示しがつかないから片付けている側面もあります。そう、人は責任のある公共の場と私的な場とを無意識に使い分けるのです。

今回の主役はヒデです。ヒデの能力はなんでしょうか。マイペースで女にだらしなく、積極的に仕事に取り組むでもなく、欲がない。ヒデ自身の自己評価も相当に低いです。

できることいえばゲームと(その延長の)クレーン操作くらい、でもヒデはまだ自分の能力に気づいていないのです。

ヒデは常に一歩引いています。積極性がない代わりに常に冷静、クレーン操作が得意なのは空間把握能力に優れているからです。物事を俯瞰的に見渡し、空間を3Dで捉え、未来予測をしながら複数のタスクを同時にこなす、これはゲンや慶子、光にはない能力です。

漫画だからうまくゆく、というのあるにしろ、案外自分の能力は自分では気づけないものだと思います。私は自分は飽きっぽくて一つのことを続けられないとずっと思い込んでいましたが、ある日自分の能力は真逆で、一つのことを決めるとそれを継続できることだと気づきました。

『解体屋ゲン』が800回を迎えるのもそうですが、禁煙、ヨガ、自炊等々、ある日ふと思い立つと、そこから延々と続けられるのです。それがいいのか悪いのかは別として(負の側面もあります。新しいことに挑戦しなくなるとか)、自分は思っていた自分とは違う!ということに気づいたのです。

今回の話は、ゲンがまずヒデの能力に気づき、ヒデがそれを自覚するまでのストーリーですが、同時にゲンも社長として社員を管理しなければならない、という立場を自覚し、そして社長のゲンを管理するのが慶子の仕事、という入れ子構造ですね。

誰かが気づいて指摘してあげる、指摘された方はそれをきちんと受け止める、少なくとも立ち止まって考える、こういうのが健全な人間関係だと思います。それができてるかどうかと言われると……なかなか難しいですよね。 <続く>



ちょっと余談です。

Twitterでもつぶやきましたが

キャンペーンは終わったのに、なぜかここにきて順位がジャンプアップしています。というか、一度下がったKindleの順位を再浮上させるのって相当難易度高いですよ。何かの賞をもらうとか、映画化とかのメディアミックス等で露出を上げない限り、普通は下がる一方です。

色々手は尽くしているのですが、今のところ本当に訳がわからないです。これまでのあれこれが草の根的に広がっているのかな。これが一過性で終わらないようにがんばります。




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