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『解体屋ゲン』 #26 ミンチ解体(前編)

悪いことはいけない、絶対にいけないんです。当たり前のように分かりきっていることでもそうせざるを得ない場合があり、抜け出す方法が見つけられずにズブズブと泥沼にはまることもあります。何を言ってるのか分からないと思いますが、現実はここに書いてあることよりもっと理不尽です。

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2000年前後でしょうか、実を言うと協力者が居ました。といっても実際に会ったことはなく、パソコン通信で知り合った日本海側の工務店の社員さん(仮にMさんとします)が、当時ニフティサーブのフォーラムで漫画原作者の私のことを面白がってくれ、あれこれ相談に乗ってくれたのです。23:00を過ぎると電話が使い放題になるテレホーダイというサービスがあり(今でもあるのかな)、当時はパソコン通信を安く使えるツールとして、時間がくるとみんなが一斉にアクセスしたものです。Mさんとも週末は何時間も、下手すると夜が明けるまでチャットしていました。

休日は釣りとゴルフが趣味の、高校生と中学生の娘さんを持つ人のいいおっさん(想像)のMさんでしたが、話してくれる中身はかなりヘヴィなものが多かったです。今回出てくるミンチ解体の話もこの方に教えてもらいました。

今はオリンピックや震災需要もあり、建設業は活気がありますが、当時は業界全体がかなり厳しい状況で、中小の工務店が倒産したり夜逃げしたり、そんな話しもよく聞きました。人間追い詰められると危ない橋でも渡るようになります。またそんな追い詰められた人間を食い物にする連中(サラ金や暴力団)も暗躍していました。

Mさんの会社も例外ではなく、社長が闇金に手を出しているとか、会社がヤバいから転職を考えている、みたいな話をしていたのですが、ある時フッとフォーラムから脱会しIDも消して居なくなってしまいました。フォーラムの誰にも挨拶も何もなく、ロウソクの火を吹き消すように存在そのものが消えてしまったのです。みんな心配していましたが、もとより本名も住所も電話番号も知りません。結局Mさんとはそれきりです。

Mさんが居なくなったのはちょうど解体屋ゲンが始まる直前で、そこから私も〆切に忙殺される日々に入りました。ニフティフォーラム自体も2002年頃からすっかり下火になり、私も自然と出入りしなくなりました。

Mさんは今頃どうしているだろう。巡り巡ってどこかでこの記事を目にして連絡してくれたりしないかな…。なんとなくですが、どこかで読んでくれているような気がするのです。

今回は本編の内容に触れられませんでした。前後編でネタバレもできないので次回まとめて書きたいと思います。  <続く>







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