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『解体屋ゲン』 #28 光の口癖

「男なんてバッカみたい」光の口癖です。無駄に夢を追い、理想の女性を追い、そのクセ自分のことは棚に上げる。本当に男なんてバカばっかりですね。

『解体屋ゲン』の特徴として、主人公のゲンを除いた主要登場人物の役割は比較的均等に割り振ってることが上げられるかも知れません。ゲンの右腕としてのヒデとトシ、ヒロイン的な立ち位置の慶子と光、ライバルとしてのトシとジョージ、サブとしての有華と秀美、例外はご意見番としてのロクさん。後の3人はまだ出てきてませんが、どちらか一方に比重を置くということはしていません。

これを書いた当時、単行本化の話は出てませんが長期連載化が視野に入ってきたので、主要登場人物の誰でも主役を張れるようにしようと考えました。そのためには、読者に登場人物の人となりを理解してもらい、好きになってもらわなくてはなりません。以前も書きましたが、主人公が活躍しない回を作るのは原作者としては相当勇気が要ります。担当さんのOKが出なければボツになって書き直しですし、アンケートの数字が落ちれば最悪打ち切りです。

でも、ここを乗り越えないと…というかここを乗り切れれば、作品全体に奥行きが出て、作れる話の幅が広がります。例えば女性の労働環境、男女格差の問題、女性の本音etc...。今ではどれも定期的に取り上げるテーマですが、それが自由に出来るようになったのはこの頃もがいておいたからだと思います。

いつもクールで男嫌いに見える光にはどんな過去があったのか、本編でお楽しみください。 <続く>



余談ですが、この回の背景もすごくないですか。

こういうディテールがボディブローのように作品全体に厚みをもたせてくれます。アシスタントさんたちには本当に感謝です。



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