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#1 ライターの仕事に情熱湧かない49歳に突きつけられた厳しい透視メッセージ

このnoteは、生きづらさを抱えていた私が、セラピストのKANNA(かんな)さんとの出会いをきっかけに、初めて自己の内面と深く向き合い、過去の傷を癒し、本来の魂の自分を生き始めるまでの過程をつぶさに描く手記。

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それでは、第1回目の本編スタートです!


2022年7月7日。
KANNAさんのサロンを初めて訪れる日がやってきた。

カイロの施術を受けるだけだというのに、朝から落ち着かなくて、無駄に部屋をうろうろとしてしまった。それは、KANNAさんがいわゆる「視える人」だけに、会った瞬間、自分の状態を見透かされるのではと、おののいていたからだ。

気持ちが先走り、30分前に最寄り駅に到着。あまりに早く着いたため、KANNAさんのサロンをキョロキョロと探しながら、周辺の住宅地をぐるぐると歩いた。同じ家の前を何度も往復する。もはや、不審者同然である。

サロンは、都心の閑静な住宅地の中にあった。
すでにエントランスのあたりから、深呼吸したくなるような精妙な空気が流れていて、それが一層、私の心臓をバクバクさせた。いったい、どんな凄い先生が出てくるのか。

約束の時間、オンタイムになったのでインターフォンを押すと、「は~い、どうぞ~!」という華やぐような声が飛び出した。

扉を開けると、KANNAさんは満面の笑みで迎えてくれた。

「わ、笑顔がすてきだ」。一目見て、ディズニー作品に出てくる「バンビ」のような、かわいらしい女性だと思った。飛び跳ねるように軽やかに歩くその姿は、どこか小動物のようにも見えた。友達の友達という親近感も手伝って、さっきまでのド緊張が一気にゆるんだ。

初診は、問診と施術を含めて90分とのこと。まずは今ある身体の症状や抱えている悩みについて、カウンセリングをしてもらうことになった。

私は、「首から左肩、肩甲骨にかけて激痛が走り、両足の膝も交互に痛み出すこと」。「これまでいくつもの有名な整体院をはしごしたが、一時良くなってもすぐに戻ってしまうのだ」と切々と訴えた。

すると、KANNAさんは、私の首肩や背中に触れ、

「KOTOさんの身体、確かにガチガチに固まっていますね。首や背骨も結構ゆがんでいますけど、これは治るレベルですよ。時間はかかりますが、筋膜の癒着をはがしていけば、必ず良くなります」と、即答した。

20年ものの、どこに行っても治らなかったこの身体が、本当に楽になる日が来るというのか??

だけど、KANNAさんの力強い言霊は、あきらめかけていた自身の心の奥底に火を灯し、「そういう未来が本当に来るんじゃないか」と、力が湧いた。

緊張が走る、透視の時間


「身体のことだけじゃなく、心のお悩みでも、何でも話していただいて大丈夫ですよ」

その瞬間、再び緊張が走った。悩みを話せば、KANNAさんはきっと私の過去や未来について透視をしてくれるのだろう。それがやっぱり怖い気がした。

「そうなんですね。どうしようかな……」

一瞬、ためらったが、初回はせっかくカウンセリングの時間があるわけだし、この機会を逃したら、おそらくじっくり話ができない。私は長い間、自分が抱えている悩みについて質問してみることにした。

「実は私、ライターをしているんですけど、クライアントから依頼される仕事に情熱がわかないんです。お金のためにも、ついつい引き受けてしまうんですけど、まったくもってやる気が出なくて……。締め切りギリギリまで書けないから、いつも時間に追われてキツイんですよね。

どちらかというと、誰かのインタビュー記事を書くよりも、自分の人生経験や気づきについて書けたらいいなと思っていて。

例えば、ブログやSNSで発信していきたいと思ってるんですけど、そういう方向性はどう思いますか?

すると、これまでほがらかに話していたKANNAさんの表情が一変した。

突如、目をつむり、何か空(くう)に描かれているものを読んでいるかのようなしぐさをした。時間にして、6、7秒といったところだろうか。

そして、真っ直ぐな目で語り始めた。

想像を超える透視結果に驚愕


「今のKOTOさんが、これまでの人生経験や気づきをブログで書いたとしても、仕事にはつながらない気がします。

KOTOさんの過去を今、たどってみたんですけど、普通というか、誰もが経験しているレベルのように感じるんですよね。ですので、あまり読まれないと言いますか、それを仕事につなげるのは難しいと思います」

……ん? んん? 今なんて?

あまりに鮮やかな切れ味に、一瞬、自分が斬られたことすら気づかないほどであった。

いやいや、ちょっと待て。私、両親の介護とか、8歳上の姉との確執とか、家族関係でいろんな苦労を乗り越えてきたし、そこから学び取ったこともあった。自分は人生経験豊富で、ネタ満載のつもりでいたんだけど、実はそうでもないってことなの!? 

49歳までの半生ごと、全否定されたような感覚に陥り、しばらく胸のザワザワが止まらなかった。

これまで受けたスピリチュアルカウンセリングでは、
「あなたは、自分のことを発信するの、すごく向いてますよ」とか、「自分の経験をさらけ出して書いたら人気出るのになぁ」などと、優しめの言葉をかけてくれる人が多かった。いや、そういう人しかいなかった。

なのに今回ばかりは勝手が違う。
言い方は優しいけれど、中身をよくよく聞くと手厳しい。
こんなにハッキリきっぱり、NG出しますか!? 

気持ち良いぐらいスパーンと頭をかち割られ、目の前がクラクラしてしまった。見た目の雰囲気はかわいいバンビさんでも、スパスパっと切れ味鋭いタイプのバンビさんなのだと、それだけは理解できた。

もちろんこれで会話が終わったわけではなく、KANNAさんはその言葉の意味を解説してくれたのだが、ショックのあまり、それ以降、何を言われたのかほぼ記憶に残っていない。

かすかな記憶で覚えているのは、この2つだけ。

「KOTOさんは、結構超能力がある」ということと、「エネルギーと圧が強い」ということだった。

動揺しつつも、カイロの心地よさには抗えず


これまで何人かの霊能者に、「パワーが強い」「エネルギーの圧が強い」と言われたことがあったが、「まさか自分に限って超能力のような大それたものはあるまい」と、頑なに思った。

霊現象なぞ、一切視たこともないし、直感もてんで冴えない。念力でものを動かせるとか、そういった力もない。どうも私の超能力情報はユリ・ゲラーで止まっているようだ。

動揺を隠せぬまま、カウンセリングの時間を終え、その後、カイロの施術に入った。

KANNAさんは、私の全身の状態を見ると、激痛となっている首肩ではなく、脇腹の筋膜をほぐし始めた。膝の痛みに至っては、膝に直接触れるのではなく、太ももやふくらはぎをほぐしていく。

それはどこの整体院でもなかった、初めてのアプローチだった。KANNAさん曰く、どの筋膜をどのぐらいほぐせば、症状が改善するのか、直感的にわかるのだという。

私は先ほどの精神的ショックはあったものの、一方で身体がどんどんゆるんでいくのを感じていた。寝るつもりはなかったのに、無防備にいびきをかいていたようだ。

施術が終わると、首肩の激痛が和らぎ、これまでとは軽さがぜんぜん違った。痛みの度合いは最初来た時と比べて半減していた。

帰宅後はまぶたが開かなくなるほど眠くなり、布団に入ると敷布団に背中がピターっと吸い付くかのようだった。背中ってこんなにも平面だったのか!と、接地面の広さに驚いたぐらいだ。

その夜、もうここ数十年も味わったことのないほどの深い眠りに落ちた。

朝、目覚めたときの爽快さたるや、別世界に来たかのような視界の明るさがあった。

視界は明るかったが、今後の仕事のことや、この先の方向性は、皆目わからない。KANNAさんに言われたショッキングな一言も、頭の中で響いている。

たけど、ただ一つ、はっきりとわかったのは、KANNAさんのカイロの腕は確かだということだ。この施術を受けていたら、間違いなく身体の状態は良くなる。そう確信した。

私は、ひとまずカイロの施術だけ、継続的に受けることを決めたのだった。

(トップ画像/著作者:kroshka__nastya/出典:Freepik)


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