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実写版ワンピース面白すぎるから語る

ONE PIECE 、小学生の頃読み始めて、今や中年となったのにまだ続いていて、しかもまだ面白い。(すごい)

実写版になってもおもしろいのはかなり類い稀なる例だし、原作にはないストーリーやセリフを挟みつつ再解釈した形になっている。これが、Netflixのチカラ…!

原作の良さをそのままに、実写ならではの人間の表情、背景や街並みなどのリアリティさ、とにかくファンタジーで楽しくて、最近毎日繰り返し見てる。

以下、感想です。(※ネタバレしかないです)


ゾロ、かっこよすぎワロタ

長きに渡り、ゾロかサンジどっち派?という問いかけに多くの女子達が悩まされてきたと思う。私はサンジくんの方が圧倒的に好きだと自負してきたんだけど、実写版のゾロはセクシーすぎてごめんなさいと言わざるを得なかった。

無口で頑固、the男の威厳、みたいなキャラクターが苦手なんだけど、実写版ゾロはそれらを良い感じに残しつつ、ふとした瞬間に見せる笑顔で死人の山ができる。美し過ぎる歯並び、あどけない笑顔。
多分これはメロメロメロウに近い。実写版のゾロはメロメロの実を食べている可能性がある。
多分だけど、会話の「間」と「視線」のせいだな。漫画だと自分のペースでキャラクターをしゃべらせてしまう傾向があるが、実写になったおかげでゾロの会話に間が生まれた。言葉と言葉の間にある絶妙な沈黙時間が、ゾロをセクシーにさせている。言葉の重みも、心の余裕さも、この「間」で表現されているシーンが多い。
斧手のモーガン(☜言葉にすること自体が懐かし過ぎる存在)に、「海軍に入れ、もしくは七日間はりつけにされろ」という最悪過ぎる2択を迫られるシーンでは
「七日間か……  寝溜めができるな。(ニヤ)」というセクシー過ぎる質疑応答があり、はぁぁ…、カッコ良過ぎるだろうが、と膝から崩れ落ちた。

この最悪な2択を迫られている間のゾロの視線はほとんどモーガンを見ていなくて、かと言って下を向いてる訳でもなくて、動じずにじっと聞いている。そして返答する時だけ視線をまっすぐにモーガンに向ける。スッとね。
だから言葉がまっすぐナイフみたいに鋭利に突き刺さる。野生味のある視線。逃げられない視線。眼差し一つで語りすぎている。
これが少女漫画ならゾロの視線一つで告白の返事が成立してしまう。石化するかと思った。やはり実写のゾロはメロメロの実を食べている。


パリピの巣窟・アーロンパーク

なんかすっごい光ってる!
ナイトプール囲んで屋台みたいなお店?が並んでて、お酒飲みながら魚人達がわちゃわちゃしている。
海外のラッパーみたいにシャツを全開にして、GOLDのネックレスじゃらじゃらと重ね付けするという謎のガラ悪ストリートファッションを着こなしたアーロンが、縦乗りして音楽を聴きながら、シャハハハ!!!と笑っている。この時点でかなりおもしろい。この魚人たち、かなりパリピでヤリラフィ。
多分このアーロンパークには、ドンキホーテ アーロンパーク店がある。ハッチャンはドンキのたこ焼き機でたこ焼き学んでる。魚人空手のやつの部屋は確実にアクアマリンの芳香剤が置いてあって、香水はいまだにライオンハートを使用している。カラオケのオハコは瑛太の香水、湘南乃風、ブレイキングダウンに出演してるし、好きなYouTuberは髭達磨。(確信)

昔は気に留めたことなかったけど、年貢払え払え星人のアーロンも、賄賂よこせよこせ星人のネズミ大佐に金払ってるんだと思うと、魚人族ってかなり辛い立場だよなぁ。アーロン海賊団みたいな半グレ組織(全グレ組織?)が発生して当たり前だよなと思ってしまう。

ネズミの「君は(魚人のくせに)意外に賢いようだな」というナチュラルな差別発言に対し、
「魚人に野心があって、人間みたいに知性があるのがそんなに意外か?あん??」いう怒りの説教を、ビジネス暴力を匂わせてしっかりとしたら、賄賂を半額に値下げしたネズミ。

それに対するアーロンの「へぇ。あんたも(人間のクセに)意外に賢いようだな。」というdis、かなりよかった。かっこいい意趣返し。最高のパンチライン。ここから一曲rapでもぶちかましてほしかった!魚人のWAR、俺たちは魚(ウオー)、この支配からの真の卒業ォ、人間どもに食らわす苦労ォ、譲れないのは俺のFLOW (イェーイ)みたいなやつ。ラッパーのアーロンに夢を見てしまうシーンだった。掴むぜ𝑩𝑰𝑮 𝑫𝑹𝑬𝑨𝑴…



オッサン達のハーレム

ゼフ、ガープ、シャンクス、ゲンさん。かなり良い。シブい。全員めちゃくちゃイケおじ。鷹の目のミホークに関しては、中世ヨーロッパのイケおじを再現しすぎている。多分、世界で1番ペイズリー柄のシャツを着こなしている。

おじなのかは微妙なラインだが、バギーに至ってもかなり美形だと思った。あの狂気のピエロメイクを持ってしても元の顔が美しいことを隠しきれていない。
これは無いものねだりな気もするが、あの外国人の色相の薄い瞳は、私のような日本の田舎育ちの冴えない女からすると、見慣れなさゆえに幻想的で、宇宙かと思うほど美しくて、アップで顔が映るたびにバギーの瞳の美しさに息が止まってしまった。

本作はコスプレ特有の「取ってつけた感」が一切なくて、プロの仕事を体感できるから好き。
キッショいカラコンとか誰もつけてない。

本作のイケおじの中ではゼフが好きなんだけど、実写のゼフは、漫画よりもずっとエレガントで柄が悪い。
ガラの悪い客が来た時、オーナー自ら出てきてお客をぶちのめすという、元海賊•現カタギという、圧倒的グレーゾーンの矜持を感じる。
それでいて、次はもう俺の時代ではない、と引き際を見定めていることから、厄介老人ではないこともよくわかる。海のチンピラで、レストランのオーナー。上品な料理を出すけど、無法者には武で対抗する。真のイケおじすぎる。この世界観に厚みを持たせる存在だと思った。

あと圧倒的にあのビジュアルが好き。襟元の少し空いてるコックさんの服、なんか生活のリアルすぎ。襟元って人柄出るよね。(好)エレガントすぎるヒゲの三つ編みも綺麗に再現されててときめいた。あの三つ編みが揺れ動くたびに、サモエドの耳がぴょこぴょこ動くやつみたいで萌えた(死語)



不気味さ、キモさ、異常さの伝わりやすさ

漫画を読んでいた時は、キャプテンクロとか黒猫海賊団に対して、特に何の感情も抱いたことがなったんだけど、実写で見るとコイツらの不気味さがひしひしと伝わってきて面白かった。
だって、ネコなわけないのに自分のことネコだと思ってんじゃんこの人達。動きの一挙手一投足が異常すぎてキモい(褒め言葉)。
劇団四季のキャッツがめちゃくちゃキモくなったみたいな面白さと気持ち悪さが同居している。多分衣装のセンスの悪さのせいかも。かなり良い味を出している。(褒め言葉)

仲間を裏切ったり裏切られたりしてきたと言ってるキャプテンクロが、あの時点まで一緒に行動を共にしていたあの2人、忠誠心とか仲良しだからとかより、あまりにもバカすぎて自分で考えられないからキャプテンクロに付いてきてる!でもケンカなら負けねぇし卍 みたいな、リアルな不良というか、社会の底辺にいる人達っぽさがあってめちゃくちゃ面白い。
クルーは全員IQ15くらいしかなさそうだけど、キャプテンクロがIQ120くらいあるからどうにか成り立ってる海賊団。

クロとカヤ達のかくれんぼシーン、長い爪を壁に這わせて、ゆーっくり探しにくるクロはなかなかキモくてよかった。(褒め言葉)
実写版のクロを見て思った最低な妄想だけど、この人、言葉責めうまそうな顔してるのに、実際はクッソ下手で女の子に嫌われてそう。なんちゃって執事をやってたくせに、他人を喜ばせるという幸福を一切知らなそうだから。(これは悪口)


実写版ならではの省略の上手さ

これだけ長編の作品をドラマにするぞ、となった時、普通に考えてそのまま原作通りにセリフ読んでてたら異常なほどの長時間になってしまい、見ている方も確実に飽きてしまうと思うんだけど、本作はめちゃくちゃショートカットで魅せてくる。その技術があまりに上手すぎて私は感動した。
ココヤシ村でのゲンさんの風車のくだりが、ベルメールさんの語りに改変されているんだけど、その違和感のなさよ…!ベルメールさんがみかんの皮で風車を作ることで、ナミ編の象徴である風車を見事に時短で表現しており、なんかこう、嫌な気持ちに一切ならない再解釈で、かなり面白かった。


ウソップって超重要。

ウソップは弱いからこの船にいらない、みたいな意見は昔から存在していたけど、大人になってこの作品を見ると、ウソップという唯一無二の存在の大切さにかなり色々考えさせられる。
スラムダンクで言うところの小暮先輩的な、メインだけどメインじゃなくて、でも居ないと絶対成り立たない空間が確実にある。
陽気でおしゃべり、調子乗りのホラ吹きだけど、行く先々でどんなに文化の違う庶民ともソッコーで仲良くなり、その場をなんかいい雰囲気にしてくれる。実写版だからこそ、そのなんとも言えない軽妙な雰囲気がよく伝わってきて最高。

根っから1番明るくて能天気なことが、返って良い方向に作用しており、ナミいわく、ウソップって不思議よね。 
こういう人がチームに1人いるだけで仕事は確実にうまく回る。リーダーシップもあるのに、他人に合わせることも出来るし、あの陽気で誰も敵に回さない立ち回りの上手さは天性のもの。絶対チームにいて欲しい存在だと思った。ただ、これと言って付き合いたくはないけど。(女友達が多いのにモテない男の典型よね)

鼻が長くないのにめちゃくちゃウソップなの、かなり面白い。よくまぁ見つけてきたよねと言わざるを得ないくらいウソップ過ぎる。

カヤとキスしてお別れするシーン、すっごい良かった。大好き。原作にあったとしか思えないシーンだった。めちゃくちゃお似合いの2人だ。。
この2人の絶妙な釣り合ってる感は、漫画では感じたことがなかったな。実写になると、なんでこんなに「あー、似合うなこの2人」と思えるんだろう。やっぱりウソップって不思議。


ナミとゾロ、空気感良過ぎるのですが…

「ナミの生い立ちを話しやすくする為、お互いがお互いのことを当てっこして、外したらショットで酒を飲む」という、実写版ワンピース屈指の最高シーンがある。
おいおいおいおいおい、ロロノア•ゾロ、オシャレすぎるだろ。どこでそんな酒の飲み方覚えてきたんだよ。コリドー街か??海賊狩りっていうのはモテる男検定ともセットになってんの????なんだよその小洒落た酒の飲み方、霜月村の伝統か???儀式??せめてそうであれ、そうじゃないなら、俺は許さねぇ!!!!!!(ドンッッッ)(感動)(最高)(好き)

そんな酒の席で、ナミのことを「都会育ち。こういう危ない酒場で育った」と予想するゾロ。
「残念。…私は田舎育ちよ。」と答えるナミ。

「友達はいない」と予想するナミ。
「…1人だけいた。」と答えるゾロ。

「そう。じゃあ、私より1人多いわね。」

交わる視線。


……  



な、何が起こってるんだ?!?!?!

一体

俺たちは何を見せられている???!!!




月9??????え????



良すぎるんだが〜〜〜?????!!!!

(ド派手な爆発)(俺はピエロ、この2人の会話が好きすぎるあまりうっかり同人誌を探してしまいそうになっている哀れな道化師)


はあ。うっかり()の中に感情を明記するオタクの伝統芸をたくさん披露してしまった。

なんで実写版ワンピースってこんなに面白いんだろ。考え出すとキリがない。もっと書きたいことがあったんだけど、ゾロとナミのお酒飲むシーンの良さで全てが吹き飛んでしまった。このシーンは本作における特製バギー玉過ぎる。なんか色んな感情が巻き起こって、私の感情がカームベルトに突入してしまったんだよな。

バギーの一味のカバジ(一輪車に乗ってる海賊)があまりにもカバジで最高だったとか、
ノジコがゴツくてかなり説得力あったな、とか、
くいなのお葬式、カルト宗教の謎儀式すぎてミッドサマー始まるかと思ったとか、
コピーが「ルフィさん…?!」「中将…?!」「本当ですか…?!」「どういうことですか…?!」と、常に驚き困惑しており、この人真面目すぎてすごい疲れてそうだなというリアリティ感とか。本当にすごくよかった。

実写版って、今まで面白いと思うことがあんまりなかったんだけど、
実写版ワンピースは特別面白い!

早く続きが見たいよ〜!!

このお金で一緒に焼肉行こ〜