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母は自分の答えを見つけて夢中になっているから、

指摘してばかりだと当然「そんでアンタはどうなのよ」と言われるにきまっている。ので、もちろんぼくもアンサーを用意している。

整膚(せいふ)を勉強している。

いわゆるマッサージなんだけども。皮膚を引っ張るように持ち上げて、血流を促すという施術だ。
整体や指圧と違って、押すのではなく引くマッサージ。たとえば高齢者の方で脂肪や筋肉の少ない方、関節の痛みや変形などで力を加える施術の難しい方に向いている。とくに寝たきりで拘縮の強い方、寝返りを打てない方の褥瘡予防に向いている。終末期の緩和医療として痛みを和らげることもできるという。

車の洗車に使うホースが分かりやすい。指圧はホースを押して筋肉をほぐしていく。それに対し整膚はホースを引っ張り持ち上げることで水の通り道を拡大するイメージだ。皮膚を引っ張ると言っても軽くつまむ程度で痛みはない。血液の流れが健康状態に大きな影響を与えていることは言うまでもない。

母が整膚に興味を持ったのは40歳を過ぎてからだった。たまたま新聞に掲載されていた整膚の広告が妙にきになったとのこと。いとこのおじさんが経営している電気工事会社で経理をしていたのだが、なんでか整膚が気になって講座を受けることにした。

(noteを書いていたら、今、いとこのおばさんから電話があって「部屋の手すりをつけるために福祉用具の人にきてもらうから、あなた来れない?との連絡が来たw」)

続けるが、母はまんまと整膚の資格を取って開業し、今でも高齢者宅に訪問したり自宅で施術をしたりしている。かれこれ整膚師として20年近くはやっているのかな。そういえばぼく、名刺やチラシを作ったなぁ。これでもWeb界隈の人間だったから。

ぼくが整膚を勉強しようと思ったのは、純粋に高齢者介護に向いている施術だと思ったから。そして母とのコミュニケーションが生まれると思ったからだ。健康や運動に関心もあるので勉強していて楽しいし介護技術にも役に立つ。

母とは、師匠と弟子いう関係性だ。こうして家族関係を時間をかけて修復していこうということが、ぼくの答えでもある。

そのことをnoteに綴り作品にすることも、ぼくの答えである。

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