高齢者鑑賞しながらちょっとお酒でも。
高齢者はそれぞれのゴールを走り切った方。
いやそうでもないか。ウイニングランを走っている方もいれば、満身創痍ゴール手前で足を引きづりながら這いつくばっている方もいるかぁ。まぁさておき。
たとえばぼくが働いているデイサービスには、1日最大18名の利用者さんが来られる。人生を作り上げた方々。
レンタルビデオ店に並ぶ映画。超大作が18本並んでいる。ホラーもあればサスペンスもある。全てヒューマンドラマではある。ヤクザものもあるしアクションもある。無声映画。イメージビデオ。そう考えると、ケアが途端に面白くなるのだ。
さて、今日はどの作品にしようか。
性格が悪いだろうか。でも高齢者とのコミニュケーションにおいては、好奇心を持って接することが大切だと思っている。なにせ高齢者は話好だ。ぼくもきっとそうなる。
「若い頃地元では俺に喧嘩売る奴なんて誰もおらへんかった。俺に喧嘩売ったら、タダじゃぁ済まないことは知れわたっとったからな。刑務所には入ったことないけどなぁ。あっははは!」
おお、ヤクザものか。
「借金を返すためによぉ、ラーメンの屋台を引いててな。元締めがヤクザだったからイビられてよ。地獄だったぁー。よう耐えたもんよ」
おお、今度はフーテンの話か。はたまた、さっきのゴロツキと接点があるのかも。
「息子が全身にタトゥー入っててね。彫り師やってんのよ。娘の婿なんだけどね、優しい人でね。誤解されることが多いのよ」
おお!次はハートフルコメディーの匂い。
「あーかーいーりんごぉーにくちびーるよせてー、、」「こおでこwみでwぴっまlmbもえあ」「殺してやるぅー!!殺せぇーー!」
どのジャンル?どんな作品?まぁまぁまぁ。
「母子家庭でね、今母親と一緒に暮らしてるんですけどね。将来母親の介護を見据えてこの仕事に転職したんです」
ぼくの未完成の作品も観てもらう。
「アンタね、それはお母さんに失礼よ。お母さんまだ元気なんでしょ。人の心配してないで、嫁さんもらってお家を出なさい。何やってんのよ!」
厳しいご意見。褒められようと思ったらお叱りをもらう始末。お前の作品は盛り上がりに欠けるということだろう。今のところ駄作。破天荒さが足りてないのか。
はてさて、ぼくはどんなゴールに向かっているのだろうか。
あなたはどんなゴールを切りたいですか?
そんな話をしながら、
ちょっと、お酒でも飲みたいですね。
介護は大変。介護職はキツイ。そんなネガティブなイメージを覆したいと思っています。介護職は人間的成長ができるクリエイティブで素晴らしい仕事です。家族介護者の方も支援していけるように、この活動を応援してください!よろしくお願いいたします。