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母に提出する反省文

夕飯前、リビングのソファーで座っている母。
いつもと変わらぬ光景だが、その部分だけがぼくの目には立体的に映った。

「あれ、お腹でてきない?」

いつもなら見てみぬフリをするのだが、今日はなんとなく虫のいどころが悪かった。帰り道「ハラ立つなぁ〜」と言いながら帰ったのでもっぱら自覚はある。

失礼なものいいをしてくる人に対しては等価交換。ぼくも失礼なものいいをしていいとマイルールを定めている。
たとえばコンビニの店員さん。商品を手にレジに行き会計のとき「袋は?」と言われる。はじめて会うし、客と店員という関係性にも関わらず言葉を投げつけてくる人がいる。ぼくはそのものいいが信じがたい。「なんでタメ口やねんっ!」とツッコミを入れればいいのか?
そこでマイルール適応。等価交換で「いらん」と一言だけ返すようにしている。

こんなしょーもない心のモヤモヤ。母親の「お腹のでっぱり」が八つ当たりの対象になってしまった。

「心房細動で血栓ができやすくなってるよね。肥満になるとリスクが上がるよ。まぁぼくがどれだけ言おうが本人が変わろうとしなければ言っても無駄だけど。こういうのって最終的に言う方が悪者みたいになってしまうから、言うの嫌なんだよ。言う方がシンドイ。放っておいた方が楽だけど身近におる人しか言ってあげられないと思って。最終的に苦しむのは自分だよ。もし血栓ができて血管が詰まったときは、自分が一番辛い思いをするんだからね。ぼくはそうなったらそうなったで、どうににかするしかないと思ってるだけだから。もう何度も言わないよ。同じこと何回も言うけど、言う方が疲れるから」

すまん、母よ。ベラベラと。

ソファーでうつむく母を見て、

「ああ、またやっちまった」と。

この反省文を書いています。


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