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情けない。そして暖かい。

下水道の工事があった。

母親からLINEで写真が送られてきた。

下水道工事
下水道工事
下水道工事
下水道工事
下水道工事

ぼくは用事が重なってしまい、工事に立ち会うことができなかった。

ありがとう。
工事の内容、わかったよ。

わかったけれど、これは業者の施工事例並みですね。
素材として業者に渡してあげたら喜ぶと思うよ。

天気もいいし構図も悪くない。スマホでの撮影だけど画質的には問題ない。

これを息子に送ってどうする?
工事前と工事後だけの写真でいいよ。

そんな冷たい受け答えはしないのだけれど、

「おお!こんなに深くまで穴掘るんだぁー」
「コンクリ、綺麗だねぇ」

写真一枚一枚にコメントをしていく。結局、話題はなんでもいいのだ。

家に固定電話がある。たまに知らない番号から営業やセールスの電話がかかってくる。ぼくはその類の電話は一切取らないのだが、母はかかってきた電話は取ってしまう。出なくていいと言っている。自宅にかかってくる電話の9割は営業やセールスだから取らなくていいと言っている。でも取ってしまう。

だからもう、オールタイム留守電にした。留守電にメッセージを残すということは、そのくらい重要な要件だから折り返せばいい、とした。

ぼくがそういった細かい心配事や小言を言っているから工事の写真も送ってきてくれたのだろうし。

「もしもし、母さん」

大事な話があるときは、小声で自信のなさそうな声だったらしい。どんな内容の話なのかは、だいたい想像がつくらしい。

「今月さ、」

会話を遮って母親が、

「いくら?」

東京で一人暮らしをしているとき、生活費が工面できなくて何回かお世話になった。情けない。そして母は暖かい。

ダンボールにはレトルトカレーと即席ラーメン。米とふりかけ。

母がオレオレ詐欺に引っかかりはしないかと、詐欺まがいの息子は心配しているのである。

介護は大変。介護職はキツイ。そんなネガティブなイメージを覆したいと思っています。介護職は人間的成長ができるクリエイティブで素晴らしい仕事です。家族介護者の方も支援していけるように、この活動を応援してください!よろしくお願いいたします。