言語聴覚士・木山幸子|ことばのトビラ(旧ことばと脳の相談室)

言語聴覚士×アナウンサーとして、日々ことばの問題を解決しています。小児の言語発達や吃音…

言語聴覚士・木山幸子|ことばのトビラ(旧ことばと脳の相談室)

言語聴覚士×アナウンサーとして、日々ことばの問題を解決しています。小児の言語発達や吃音(リッカムプログラム)、発音や滑舌のオンライン指導の先生。大人の滑舌や面接・プレゼン指導も。元CATV局アナウンサー。https://kotobatonou-soudan.com

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声の魔法!🪄vol.3 声の「大きさ」「速さ」を考える

聞き返される原因は滑舌じゃない!?「私、聞き返されることが多いんです」 声や話し方のお悩みでは定番のお悩み。そして、このお悩みを持っている方のほとんどが、自分の滑舌が悪いと思い込んでいます。 確かに滑舌の問題も含まれているかもしれませんが、発声や滑舌を教えている私からすれば、聞き返される最大の原因は、滑舌ではないことがほとんどです。 では何が原因か。 それは「大きさ」と「速さ」。 個人の感想としては、この2つに要因がある場合が7割程度。残りの3割のうち2割が滑舌とい

    • こどもとあそぶ。ことばであそぶ。〜⑬おりがみは退屈で時代遅れ?〜

      伝統的な遊びには、発達支援の視点がいっぱい前回投稿はこちらです。 「おりがみ」の紹介 日本人なら誰もが一度はやったことがある遊び「おりがみ」。最近では海外でも人気だそうですが、発祥の地・日本では廃れてきた遊びのひとつかもしれません。 幼稚園や保育園でも、制作の一環として子どもにさせることはあっても、自由遊びの中でおりがみを選択する子は少なくなっていると、幼稚園・保育園の訪問支援(園の中で支援が必要な子どものために、先生方へ助言等を行なったり、保護者の相談にのったりする仕

      • こどもとあそぶ。ことばであそぶ。〜⑫負けずぎらいさんも楽しめる工夫〜

        負けるとかんしゃく!?兄弟ゲンカ!?どうする??前回記事はこちらです。 勝ち負けのないゲームやルールの紹介 「すごろくを兄弟でやってみたけど、負けた方がかんしゃくを起こして大泣き」「結局いつも兄弟ゲンカがはじまっちゃう」などなど、兄弟がいるおうちでは、競争が絡むゲームをするのもときに大変。「ケンカするんだったらもうやりません!」とママが激怒して終わる、なんてことも。 そんなときは、勝ち負けにこだわらないゲームやルールを導入してみましょう。 たとえばすごろくで遊ぶとき。

        • こどもとあそぶ。ことばであそぶ。〜⑪0歳児と何して遊ぶ?〜

          0歳からことばの練習!?前回投稿はこちらです。 模倣の大切さ 今までいろんなおもちゃや道具を使った遊び方を紹介してきましたが、もっと小さい子、たとえば0歳の赤ちゃんと遊ぶなら、どんな遊びがいいでしょう。ラトルをふる? ぬいぐるみを与える? それらも楽しい遊びですからもちろん取り入れていただいていいのですが、もっと簡単な遊び方を紹介します。 それが模倣です。赤ちゃんが出す声を、大人がそのまま真似るのです。 赤ちゃんが「あー」と言ったら、大人も「あー」。 赤ちゃんが「うー

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        • 幼児の吃音の話
          5本
        • 漢字の書字苦手さんへ「みみかん」のご紹介
          3本
        • 0−2歳オススメ:ことばの発達を促す子どもとの遊び方
          7本

        記事

          声の魔法!🪄vol.2「声の硬さ」を変えてみる

          高さの次は硬さの調節ひとつ前はこちら。 https://note.com/kotobanohattatsu/n/nd744857539ac 声の硬さを変えてみよう 声の印象を変えるのに「高さ」の調節をしてみました。次にチャレンジしたいのが「硬さ」の調節。 声は「硬い声」と「軟らかい声」の2種類にわけることができます。 硬い声で話すことを「硬起声発声」(こうきせい・はっせい)、軟らかい声で話すことを「軟起声発声」(なんきせい・はっせい)と言います。 「起声」とは声の立

          こどもとあそぶ。ことばであそぶ。〜⑩仲間を集めると語彙が増える?

          語彙を増やすための、上位概念のお話前回投稿はこちらです。 三度登場、ダイソー「あいうえおカード」の紹介 また絵カードのススメ?と思われるかもしれませんが、小児言語聴覚士である私が無人島に持っていきたいおもちゃですから、遊び方は1つや2つではありません。文字すごろく、なぞなぞかるたに続く、もうひとつ別の遊び。それが「仲間あつめ」です。 「仲間あつめ」遊びの紹介 カードをばらまいて、その中から「仲間」になるカードを集めていく遊びです。ダイソーのあいうえおカードでなくても、

          こどもとあそぶ。ことばであそぶ。〜⑩仲間を集めると語彙が増える?

          声の魔法!🪄 vol.1「声の高さ」を変えてみる

          手っ取り早く声を変えたいなら「高さ」の調節ひとつ前はこちら。 声の高さを変えてみよう 人の声の種類は千差万別。なぜそんなに十人十色なのかは、また別の記事で述べますが、とにかく、いろんな声があります。私たちはその声を聞き分け、「この声は○○さんの声」と判断しているわけです。何千何万の種類の声の中からその人の声がわかる、というのはある意味すごい能力です。 あなたの声も私の声も、大好きな推しの声も、一種類ではありません。その日の調子によって微妙に変わることだってあります。もっ

          声の魔法! あなたの話し方、言語聴覚士✖️アナウンサーが変えてみせます🪄

          声の先生と言えば誰?言語聴覚士という仕事 「声」の先生と言えば、誰を思い浮かべますか? 歌手、歌の先生、ボイストレーナー、アナウンサー、ナレーターetc…。どれも「声」を仕事にしているプロフェッショナルな方々ですから、間違ってはいません。 そこにもうひとつ、ぜひ「言語聴覚士」を加えてほしい!というのが私の願いです。最近少しずつ名の知れてきた「言語聴覚士」。なぜ「声」のプロフェッショナルの仲間入りが果たせるのかーーというその前に。 そもそも言語聴覚士とはなんぞや、という

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          こどもとあそぶ。ことばであそぶ。〜⑨絵本がきらいな子だっている〜

          子どもは絵本が大好き!とはかぎらない前回投稿はこちらです。 仕掛け絵本の紹介 絵本が子どもの発達にお役立ちというのは誰もが知るところ。子どもたちを寝かしつけるときの絵本の読み聞かせを頑張っているというご家庭も多いことでしょう。 けれど一方で、絵本にまったく興味がないという子もいます。「子どもをおひざに載せて読み聞かせをするのが夢だったのに……」と嘆くママも。 そんな絵本苦手のお子さんにオススメしたいのは仕掛け絵本です。「ぼうしとったら」や「かぜビューン」などは、展開が

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          こどもとあそぶ。ことばであそぶ。〜⑧奥が深いおままごとの世界〜

          子どもの年齢によって変わる遊びのかたち前回投稿はこちらです。 セリア「プレイシート」と「おままごとセット」の紹介 子どもはおままごとが大好き。「いや、うちは男の子だから、おままごとはあんまり……」とおっしゃるパパママもおいでですが、おままごとの道具を見せて「先生とママはお話があるから、これで遊んでて」とお願いすると、男女関係なくほとんどのお子さんが嬉々として遊びはじめます。 立派なキッチンセットもたくさん販売されていますが、セリアの「プレイシート」も負けてはいません。シ

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          こどもとあそぶ。ことばであそぶ。〜⑦フェルトボールでゴールを狙え!〜

          手先の器用さと発音の改善グッズ前回投稿はこちらです。 デコレーションボール(フェルトボール)の紹介 100円ショップの手芸コーナーやラッピングコーナーにあるフェルトでできたボール。手芸やラッピングに使うだけでなく、子どもの発達を助けてくれるお役立ちグッズでもあります。 手先の器用さアップの遊び お箸やトングを使って、フェルトボールを運ぶレースはどうでしょう。床やテーブルの上にフェルトボールをばら撒き、拾いながらお皿や容器に集めていきます。誰が一番多くフェルトボールを集

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          こどもとあそぶ。ことばであそぶ。〜⑥小児言語聴覚士お気に入りの100均グッズ〜

          ひとつだけおもちゃを選んでと言われたら、迷わずコレ前回投稿はこちらです。 ダイソー「あいうえおカード」の紹介 ひとつ前の記事にも出てきた、ダイソーの「あいうえおカード」。 「無人島に何かひとつ持っていくとしたら、何を持っていく?」という問いかけが流行ったことがありますね。それと似た質問「今から数人の子どもの相手をするとしたら、なんのおもちゃを選ぶ?」と聞かれたとき、私が迷わず選ぶのがこの「あいうえおカード」です。 表にはイラストと単語が、裏には単語の語頭音となる頭文字

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          こどもとあそぶ。ことばであそぶ。〜⑤人気No.1の遊びは意外なアレ〜

          子どもウケするアナログ遊び前回投稿はこちらです。 「すごろく」の紹介 子ども向け言語指導を行っている当相談室で、大人気の課題。それが「すごろく」です。訓練室に入ってくるなり「今日すごろくある?」と質問されるほど。当相談室では訓練にタブレットゲームを使うこともあるのですが、それと人気を二分するほどのアナログ界人気No.1を誇るすごろくゲーム。 こう説明すると「人生ゲームや桃鉄みたいな、仕掛けの多い豪華なすごろくで遊んでいるんでしょ」と思われがちですが、いえいえ、予算の少な

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          こどもとあそぶ。ことばであそぶ。〜④お風呂での文字学習は手拍子とともに〜

          お風呂でお馴染みのアレ、オススメの遊び方前回投稿はこちらです。 「お風呂ポスター」の紹介 3、4歳頃からひらがな等の文字に興味を持ち始めるお子さんも多いです。いつも読んでもらっている絵本、あそこに書いてある、小さな記号の羅列。幼稚園の持ち物に書かれている、自分の名前。どうやらあれは「ひらがな」というものらしい……あれが読めたら楽しそう! そんな子どもの好奇心を満たすために、ひらがな表を購入されるご家庭も多いはず。お風呂にアレを貼っている、というおうちも。 アレ=お風呂

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          こどもとあそぶ。ことばであそぶ。〜③お散歩コースだって遊び場に〜

          家から5分のお散歩コースを楽しもう!前回投稿はこちらです。 子どもとどこに出かけよう? お天気の日はお外に出かけたくなります。せっかくのおやすみ、遠出ももちろん楽しいですが、近場で楽しむこともできます。大型遊具のある公園やテーマパークでなくても、どこだってパパママと一緒なら楽しめるのが子どもたちの才能です。 セリア「はっけんシールブック」の紹介 遠出する前に、親子で近所を歩いてみませんか? その際にはセリアの「はっけんシールブック」をおともにすることをオススメします。

          こどもとあそぶ。ことばであそぶ。〜③お散歩コースだって遊び場に〜

          こどもとあそぶ。ことばであそぶ。〜②合言葉は”ぴったんこ!”〜

          「えあわせカード」は、ただのパズルじゃない!?前回投稿はこちらです。 ダイソー「えあわせカード」の紹介 ダイソーのおもちゃ売り場に必ずある「えあわせカード」シリーズ。一家にひとセットはあるんじゃないかというくらい、お馴染みです。 早いお子さんだと1歳後半くらいから、「ぴたっ」とひとりで合わせられるかなと思います。2、3歳くらいだと、たくさん広げて、その中から自分ひとりでパズルできるようにも。 構成課題とは この2枚のパズル遊びのことを「構成課題」と呼びます。一見単純

          こどもとあそぶ。ことばであそぶ。〜②合言葉は”ぴったんこ!”〜