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大学の行末

子供の数の減少は、日本をはじめとする多くの国で見られる社会的現象であり、教育界にも深刻な影響を及ぼしている。特に、大学経営においては、この問題が直接的な経済的危機を引き起こす要因となっている。本エッセイでは、子供の減少による大学経営の危機について論じる。 まず、最も直接的な影響は学生数の減少である。出生率の低下により、大学に進学する年齢の若者の数が年々減少している。これは、大学にとって学費収入の減少を意味し、財政的な基盤を揺るがす。また、学生数の減少は大学間の競争を激化させ

    • 大学で何を学ぶべきか?

      最近の学生にとって、大学生活は専門分野の学習だけでなく、英語の資格取得に向けた勉強にも重点を置かれる時代となっている。グローバル化が進む現代社会では、英語能力は単なるコミュニケーションツールを超え、学術やビジネスの世界での扉を開く鍵となっている。このような背景から、大学中に英語の資格勉強に励む学生が増えているのは自然な流れである。 英語の資格、例えばTOEFLやIELTSなどは、海外の大学院への進学、国際的な企業での就職、さらには学術研究での発表など、様々な場面での英語使用

      • 仏教学のゴシップ戦

        仏教学の世界で騒がれた馬場清水問題であるが、 ここにきて馬場先生が申し入れをしたそうである。 本件については清水先生がアカハラ被害者として告発することで大いに注目を集めた。 しかしながら聞くとこによると仏教学界内で馬場先生の責任を問う者は皆無である。 世間では馬場先生の一方的な噂話が取り上げられるだけで、その真偽についても、その理由についても未だ明らかではない。清水先生のツイッターでの攻撃性を見れば、普通に考えて一方的な被害者だったという性格ではなく、馬場先生にも何かしらあ

        • 仏教学者とは?

          久々に刺激的な研究書に巡り会えた経験は、知的好奇心を刺激し、新たな発見への扉を開く。今回私が手に取ったのは、須藤龍真先生による『古典インドの議論学: ニヤーヤ学派と仏教徒との論争』という作品である。前々から、仏教学の先生を通じて須藤先生の卓越した研究について耳にしていたが、この本を実際に読んでみて、その緻密さと深さには驚かされた。 https://www.amazon.co.jp/%E5%8F%A4%E5%85%B8%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%89%E

        大学の行末

          若手研究者の評価について

          若手研究者の評価についての議論は、学術界全体にとって重要な問題であり、特に人文学の分野ではその難しさが顕著になる。人文学の研究者たちは、しばしば自分たちの研究が社会に与える影響を正当化し、資金提供者や一般大衆からの理解を得るために苦労している。このような状況の中で、若手研究者の評価という課題は、さらに複雑なものとなる。 若手研究者を公平に評価するためには、まずその分野の専門知識が必要となるが、人文学のように広範囲にわたる学問では、一つの研究分野における専門性が他分野の研究内

          若手研究者の評価について

          無神論(メモ)

          無神論とは、神の存在を否定する立場、もしくは神の存在に関して懐疑的である思想を指す。この立場は、宗教的信仰や神秘主義に対する根本的な批判として位置づけられることが多い。本稿では、無神論の歴史的背景、哲学的根拠、社会的意義について考察し、現代社会における無神論の役割と課題についてメモを残しておく。 歴史的に見ると、無神論は古代ギリシャの時代に既に存在していた。例えば、エピクロスは神々が人間の世界に介入することを否定し、自然現象を合理的に説明しようとした。これは、現代の無神論に

          無神論(メモ)

          仏像研究の限界

          仏教美術とは、仏教の教義や歴史、文化を反映した美術作品や工芸品を研究する学問分野です。この分野は、仏像、壁画、曼荼羅、経典の装飾、寺院の建築など、仏教に関連するあらゆる視覚芸術を対象とします。仏教美術は、仏教が誕生したインドから始まり、アジア全域に広がるにつれて、各地の文化や美的感覚に合わせて独自の形式や様式を発展させてきました。 仏教美術の主な特徴は以下の通りです: 象徴性と意味の深さ:仏教美術作品には、仏教の教えや物語が象徴的に表現されています。例えば、蓮の花は純潔や

          仏像研究の限界