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果たして本当に「あなたのため」なのか

怒って何かを伝えたり、部下に向かって指導したその後によく聞く、「あなたのためだから」というワード。

あなたは仕事ができる人だから、より責任を持って仕事に取り組んでもらいたいから、そう言っているんだ
あなたが近い将来独り立ちした時に、困らないように今のうちに大切なことを身につけて欲しいんだ
社会に出たときのマナーやモラルがなければ相手にしてもらえないから

「あなたのために」やっているんだ。
これが大人がよく使うとても便利な言葉だと言います。そう言うのは、『10代から知っておきたい あなたを閉じこめる「ずるい言葉」』(WAVE出版)です。本書では、「ずるい言葉」と表現しています。

あなたのために…という言葉を聞くと、どこか嫌な気分にならないだろうか。
わたし自身、そう言われるとすぐさま、調子の良いこと言って結局自分のために言ってるんだろと思ってしまう。
自分の思い通りになって欲しいということをあたかも、都合の良いように「あなたのために」というずるい言葉で丸め込んでいるなぁと。

なぜならば、あなたのためにと言わなくてもあなたのためになるならばそれを説明したほうが理解しやすい。
理解した方が行動変容も起こしやすい。ただ、実際のところ本当にあなたのためになるのかわからない部分があるから、そのずるい言葉に逃げるわけですね。

そして、この言葉を使う時って必ず対象とする人よりも自分が上から目線の時ですよね。年上にそんなこと言えませんものね。
だからこそ、嫌な気持ちになるんだと思います。

確かに嫌な気持ちになっていましたが、この本によって因数分解されて、スッと納得できた感じがしました。

人の前でよく話をするので、少し分かりますが、論理的に弱い部分とちゃんと理論武装された部分が存在します。

毎度毎度、理論武装していくわけではないのですが、やっぱり、よくわからないけども大切と言われてきたことを伝えるのはなんか嫌なので、前述したずるい言葉もあんまり使っていません。

ただ、この本の中に取り上げられていた「言い方が悪いよね」「どっちも悪いよね」「わかってるよ」などのそんなワードから、偏見が隠れた言葉など自分では意識しちゃいないけども、ニュアンスとして知らぬ間に乗って伝わってしまっていることって多くあるなぁと思いました。

言葉にはやっぱり力があると思いますが、ちょっとしたところに棘を感じたり、ちょっとしたところに気遣いのない言葉があったりと、改めてその難しさを感じました。

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