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美容師は手を引くくらいがちょうどいいと思う

美容師の役割は、単にゲストの要望通りに髪型を作ることだけではありません。ゲストが思いつかないような提案をし、自分たちの考えを伝えながら髪型を作り上げる責任があるなーと思います。

髪型は、個性やライフスタイルを反映する大切な要素。「1日の気分を左右する」そんな風に感じる人も多いように、日々に欠かせないものですよね。

まず要望をしっかりと聞くわけですが、みなさんに具体的なものがあるわけではありません。むしろない人の方が多い気がします。髪は切りたいもののどんな髪型にしていいかわからない状態。なかなかしんどいですよねこれ。

なので、単に言われた通りに切るだけでは、本当の満足感は得られないよなーと。聞かれたらから悩みは言うけど、それが希望ではない。やりたい髪型がない。それなのに「どんな髪型にしましょう」と聞かれてもわからないから来てるんだよと言うのが本音ではないかなと感じます。

そこで、美容師は自身の経験や考え、専門知識を活かし、ゲストに最適な提案する必要があります。「この髪型にしたら日々の生活がこんな風に変わる。こんな魅力が発見できる。だから行こう!」と少し手を引く必要がある。

それは、骨格や顔の形、髪の質感などの要素を考慮し何より自分で再現できるデザイン。セットするのは本人なので、難しかったら途中で諦めて、またどうしていいかわからない日々に戻ってしまうから。

それを叶えるためにはコミュニケーションが欠かせません。自分の考えを分かりやすく説明しつつ、好みの枠を外さない。だから、ゲストを引っ張っていく!という感じより手を引いて歩くみたいな感じがいいんだと思う。

(お互いの信頼関係ができたら、時にこれいいよ!と攻めた提案も刺激的でいいかもしれませんね!)


提案する際には、ゲストの意見やフィードバックなくしてはじまらない。一方通行の話では押しつけになってしまいますからね!


また、はじめの一回で全てを解決させる必要はないと思います。もちろん初回で満足いくこともあるけれど、長さが足りないとか切ってみたらもっと短くても良かったなど、体験からしか得られないものもあるからです。

そうして関係性をきずくうちに、美容室側も提案しやすくなり、ゲスト側も好き嫌いがはっきりわかってきます。はじめは何が似合うかわからなかったけど、少しずつ見えてきて髪型を変える楽しみを感じられるように。

美容師のやることは、髪を切るのって楽しいと感じてもらうこと。そんな風に思います。

何事もはじめの一歩はゆっくりです。焦らずやっていくのが近道だろうし、そのために美容師が少し前を歩いていく必要があります。

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