マガジンのカバー画像

実話怪談の記事を集めました。

57
こつこつと更新している怖いお話を、実話怪談集としてまとめました。 基本的に一話完結であり、各話に繋がりもありません。一話目から順番に読んでもらっても構いませんし、気になった話だけ… もっと読む
運営しているクリエイター

記事一覧

実話怪談 #56 「最後に」

 こつこつと書いてきた実話怪談ですが、本文が十万字を超えましたので、一旦ここで終了させて…

烏目浩輔
2日前
14

実話怪談 #55 「鼻歌」

 これは三十代前半の男性、阿部さんの談である。  夕食後の話だという。  阿部さんは二階…

烏目浩輔
2日前
16

実話怪談 #54 「駐車場」

 これは三十代半ばの男性、田島さんの談である。  田島さんは徳島県のとある町で生まれ育っ…

烏目浩輔
13日前
18

実話怪談 #53 「ポタリ……」

 これは十代後半の女性、水原さんの談である。  水原さんは大学に入学したさい、一人部屋の…

烏目浩輔
2週間前
16

実話怪談 #52 「石段」

 これは二十代前半の女性、小山さんの談である。  小学生の頃の話だという。  当時住んで…

烏目浩輔
1か月前
16

実話怪談 #51 「クミちゃん」

 三十代前半の女性、福井さんの談である。  福井さんには五歳になる娘さんがいる。  ある…

烏目浩輔
1か月前
29

実話怪談 #50 「意図がわからない」

 十代後半の女性、野口さんの談である。  高校三年生の野口さんは、二階の自室で受験勉強をしていた。  すると、誰かの足音が部屋の外に聞こえた。深夜の自宅はしんと静まり返っており、足音はやけに大きく聞こえた。    ミシ……、ミシ……、  フローリングの床が軋んで音がしている。足音は部屋の前の廊下を通り過ぎると、しばらくしてからまた戻ってきた。  ミシ……、ミシ……、  野口さんは勉強をしながらぼんやり思った。 (お姉ちゃんかな……)  野口さんの部屋の隣に姉の部屋が

実話怪談 #49 「ギィィ……」

 二十代前半の男性、前田さんの談である。  中学生のときの話だという。  それまで住んで…

烏目浩輔
1か月前
24

実話怪談 #48 「ときどき本当に」

 十代後半の女性、川瀬さんの談である。  現在の川瀬さんは高校生だが、当時は小学校高学年…

烏目浩輔
1か月前
20

実話怪談 #47 「シニマブイ:後編」

 巾着袋の中身は石だという。鉄のように重い石の正体が気になったものの、詳しく知っていけな…

烏目浩輔
2か月前
28

実話怪談 #46 「シニマブイ:前編」

 三十代前半の男性、石嶺さんの談である。  現在の石嶺さんは大阪に移り住んでいるが、二十…

烏目浩輔
2か月前
22

実話怪談 #45 「視界の端」

 これは二十代半ばの女性、島崎さんの談である。  二時間ほど残業をした日のことだという。…

烏目浩輔
2か月前
21

実話怪談 #44 「倦怠感」

 これは三十代前半の女性、木下さんの談である。    木下さんはスタッフが五人いるサロンで…

烏目浩輔
2か月前
22

実話怪談 #43 「忘れる」

 二十代後半の女性、広川さんの談である。  広川さんは総合病院に勤めて四年目、中堅クラスに入る看護師だった。  ある日の夜勤で入院病棟の巡回をしていた。  病室は三階から六階まであり、下から上に順番に巡回していく。消灯した廊下は真っ暗で、懐中電灯が必須だった。  やがて広川さんは担当しているすべての病室をまわり終えた。さいわい、入院患者にこれといった異常は見られなかった。  六階から二階のナースステーションにおりるために、広川さんはエレベーターホールに向かった。すると、向